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【大地宅配の達人生産者】達人のメロンがおいしい理由

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大地を守る会の生産者には何人か「何を作っても上手な人」がいます。茨城県八千代町の小野寺孝一さんもそのうちのお一人。

小野寺さんが作る野菜はどれもおしなべておいしいのですが、とくに素晴らしいのがメロンです。ただ甘いだけではなく、香り高く、コクがあり、メロンにありがちなエグミがありません。スーパーで売られているメロンと小野寺さんのメロンでは何が違うのでしょう? その秘密を聞いてきました。

「達人て言われるとなんかねえ…」。特別なことをしてるわけじゃなくて、あたりまえのことしてるだけ。なんて言ってしまうところがますます達人っぽい小野寺さん。

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秘密その1 土作り

「おいしいメロンができる理由? やっぱり土作りかなー」。小野寺さんのメロンはなぜおいしいのか? と根掘り葉掘り聞いていたら、こんなお返事がかえってきました。

「うちは牛糞堆肥に魚粕や米ぬかなんかを混ぜた自家製堆肥を使うんだけどさ。一般のメロン農家は化学肥料を使ってるんだね。化学肥料だとやっぱりメロンの味が出ないんだよね」

大地を守る会の生産者と何年も付き合っていると、有機質肥料を使うのはあたりまえのことのように感じますが、一般ではまだまだ化学肥料主体の農業が行われています。化学肥料には即効性があることから作物の生育はとても良くなるのですが、病気や虫も発生しやすくなります。そのため、一般栽培では病害虫が出る前に農薬をまいて予防します。

茨城県の特別栽培農産物基準の「慣行栽培の防除数」では、メロンの農薬数は23成分ですから、思ったよりもたくさんの農薬がまかれています。小野寺さんの今年の農薬数は7成分(予定)と一般の約1/3の農薬数。

このように少ない農薬でメロンを栽培するのですから、技術はもちろんのこと、病気や虫が発生しないよう、健康なメロンが生育する土を作らなくてはなりません。「土作り」はおいしさの素とも言えますが、何よりも健康なメロンを作るために必要なことなのです。

撮影時に「くっついてください」とリクエストしてもここまでくっついてくださるご夫婦は珍しいのです。仲がいいんだなあ。おつれ合いのきよ子さんと。

撮影時に「くっついてください」とリクエストしてもここまでくっついてくださるご夫婦は珍しいのです。仲がいいんだなあ。おつれ合いのきよ子さんと。

 

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秘密その2 品種と苗

「最近のクインシーメロンはタネが違うんだよね。うちのは昔からのクインシーなんだけど、今皆が作ってるのは作りやすいクインシーなの。葉っぱの形が違うでしょ?」

タネの世界での品種改良は日進月歩で、耐病性のあるもの、収量のいいものなどがどんどん開発されています。昔からの品種で味が良いものは作りにくいことが多いため、耐病性の作りやすい品種が開発されると、味が良くても農家がその品種を選択しなくなり、場合によってはタネ自体がなくなることもあります。作りやすいものが出てくればそちらを選択する人が多いのは当然。
しかし小野寺さんは常に「おいしさ」を優先しています。

また、ウリ科作物は「接ぎ木苗」を使うことが多いもの。接木とは、種から出てきた根っこを使わず、違う品種の台に接いだ苗のこと。これもやはり耐病性を高めるためですが、小野寺さんは、タネから出てきた苗をそのまま使う「自根栽培」を選択しています。
接木苗と自根苗を比較すると、自根のほうが味が良いのは農家の常識。品種や苗の仕立て方についても常に「食味」を優先する。それが小野寺さんという人なのです。

葉っぱの切れ込みが大きい小野寺さんが作っている昔からのクインシーメロン。

葉っぱの切れ込みが大きい小野寺さんが作っている昔からのクインシーメロン。

葉っぱが丸い、作りやすいクインシーメロン。見ただけで違いがよくわかります。

葉っぱが丸い、作りやすいクインシーメロン。見ただけで違いがよくわかります。

 

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秘密その3 収穫時期

スーパーで売られているメロンを買うと、すごくおいしかったりそうでもなかったりと当たり外れがありますよね。常においしい、いつでもおいしいものを作るためには技術も必要なのですが、収穫時期も大きな問題。小野寺さんはそこでも一切手を抜きません。

メロンはミツバチに受粉してもらいます。受粉期間は1週間。雌花が咲いたものから蜂は受粉していきますが、この結果、着果には約1週間のバラつきが生じます。クインシーメロンの場合、収穫適期は着荷後55日目。一般では適期が来ると、ハウス一棟、すべてのメロンを収穫してしまいます。熟しているものはいいのですが、着果時期が違いますから、中にはそうでないものもあります。

蜂がメロンを受粉するのは約1週間。受粉時期がまちまちなので熟度 もまちまち。でも一般では一気に収穫。なかには熟していないものも。

蜂がメロンを受粉するのは約1週間。受粉時期がまちまちなので熟度もまちまち。

しかし、作業効率を考えるとそのほうが楽だし、それでじゅうぶん売れるのであればここで手間をかける必要はないというのが通常の考え方です。

さて、ここで小野寺さんはどうしているのでしょう?

収穫適期がやってくると、小野寺さんはメロンをひとつずつひっくり返してお尻のあたりを確認します。熟度が上がるとここに秘密のサインが出るため、そのサインが出たものから収穫するという手間をかけているのです。

お尻の部分、花がついていたところに細かいひび割れがでています。これが「完熟一歩手前」の印。濡れてないと素人にはわかりにくくちょびっと濡らしてみてようやく発見できました。

お尻の部分、花がついていたところに細かいひび割れがでています。これが「完熟一歩手前」の印。濡れてないと素人にはわかりにくくちょびっと濡らしてみてようやく発見できました。

「ちょっと自信がないこともあるからね。そういうときは味見してみるの。で、大丈夫だなあと思ったら出荷するんだよ。やっぱりおいしいものを出荷したいからね」

ハウス一棟で3~4回に分けて収穫し、味見も3~4コはすると言う小野寺さん。ひとつ3,000円もする高級メロンならまだしも、クインシーやグレースなどのいわゆる「雑メロン」にここまで手間をかける人はいないでしょう。小野寺さんのメロンがいつ食べても常においしいのは、収穫時期をきちんと見計らい、味ののったものを出荷しているからなのでした。
小野寺さんのその姿勢は他のどんな作物でも同様で、だからこそ「何を作っても上手な人」であり続けられるのです。

 

文・写真/手島奈緖(てしまなお)
食料ジャーナリスト。2010年「ほんものの食べものくらぶ」を設立、食べる人と作る人をつなぐ活動に取り組んでいる。

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。