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2007年11月17日

GMO-今度はナタネの集まり

アメリカ視察レポートで気が抜けたわけではないのだけど、
出張中のブランクに加えて、その後も色んなイベントやら会議やらに出かけ、
溜まった仕事の帳尻合わせをしているうちに、あっという間に一週間が経ってしまった。
日記も、続けるってのはしんどいもんだなぁ、と思うこの頃。

とか言いながら、都心の永田町で遺伝子組み換えの緊急集会をやるというので、
今日も出かける。
どうもこのところGMづいてる。

今回の緊急テーマは、オーストラリアのナタネである。

e07111701.JPG

いま日本でのノンGMナタネは、オーストラリアからの輸入に頼っている。
以前はカナダが多かったのだが、カナダはすでにGM国である。

そのオーストラリア・ナタネが岐路に立っている。
これまで設定されていたGM作物のモラトリアム(一時停止)が、
州単位での見直し作業が進められているのだ。

オーストラリアでモラトリアム政策がとられたのは、
カナダで、種子や花粉の飛散によって純粋な非GMナタネが確保できなくなり、
欧州市場を失ったことに起因する。

それが昨年の異常旱魃による不作と、バイオ燃料ブームが追い風になって、
推進派のオーストラリア政府にモンサント社などのバイテク企業が加わって、
各州政府への攻勢と圧力が強まっている。

対応の動きは州によって異なっていて、
モラトリアム撤廃(GM推進)の方向で動いている州とモラトリアムを継続すると思われる州
があるが、全体的にはGMへの移行に進む力が優勢のようである。

そこで先月、日本の消費者団体がオーストラリアの各州政府に出向き、
GM作物の栽培規制の継続を求める要請文を提出した。
この要請文に署名した団体は155で、その構成人員を数えれば290万人になる。
大地を守る会も名を連ねさせていただいた。

署名というのは、それだけのことでしかないのかもしれないが、
それはそれで一定の力を示すものではある。
この日本の消費者団体の要請行動は、オーストラリア国内で大きく報道されたようだ。
何たってオーストラリアにとって日本は、農産物の最大の売り先だから。

この日は、要請行動の先頭に立った天笠啓祐さんからの報告に加えて、
オーストラリアの科学者(医学博士)、ジュディ・カーマンさんの講演もあった。

そこでは、GM作物の安全性を判断する上での試験データがあまりに少なく、
また試験内容も相当にずさんなものであるという報告がされた。
かつそれらの試験データはほとんどモンサントら企業からのものである。

彼女は、よりニュートラルな立場の研究者による安全性試験を行なおうとしたが、
いろんな圧力がかかったと言う。

その上で、GM作物そのものの危うさに加えて、
いったん栽培が始まった場合に、非GM作物の確保が困難になる危険性について、
具体的なケースを示しながら訴えた。

大地からは、吉田和生生産グループ長が報告。
私のアメリカ・レポートも少し使いながら、
大地が取り組んできた国産飼料による畜産物生産-‘THAT'S国産’運動を紹介した。

オーストラリアの最新の世論調査では、農民の52%がGM作物反対とのことである。
ここでも推進しているのは、上の人たちと、「経済」なのだ。

様々な知恵を絞りながら国内自給力を高め、
かつ国際的な農民と市民のネットワークを作り出す必要がある。
またしても同じ結論で申し訳ないが、プランは練りつつある。
呪文で終わらせないように。


さてと、明日から改めて
溜まった写真の整理もしながら、この間の活動を記しておこうと思う。