2010年4月17日

寒い春ですね。

 

" 荒れる春場所 "  とは相撲界の定説だけど、相撲に限らず春は荒れる。

太陽がだんだんと高度を上げて、冬から夏に向かい始めるこの季節、

しかし " 春うらら "  とか謳われるような穏やかな陽気の日はむしろ少なくて、

北の寒気団と南の暖気団が日本列島を土俵にしてせめぎ合いを展開する。

春一番、春二番と、生暖かい烈風が春を告げたかと思えば、

寒の戻り、花あらし、なたね梅雨と、寒波が波状的に襲ってくる。

土俵にされた日本人は、お陰で季節の変化に敏感になって、

微妙なニュアンスを含ませてその移ろいを表現しようとする。

あるいは時に、一瞬の花見タイミングを逃さないぞと血眼になったりする。

 

この寒気の波状攻撃に対して農家が気を張り詰めるのが晩霜(おそじも) ってやつだが、

41年ぶりの遅い雪までは、誰が想定していただろうか。

今日は4月17日だって言うのに、真冬のような寒い朝だった。

 

生産者から電話がかかってくる。

「雪とみぞれにやられて、葉物がすれたような状態になっちゃってる。

 とにかく出してみるから、モノを見て判断してほしい。」

「畑に入れねぇ。 出せないな、今日は。」

「この間の寒さで、10日から2週間くらい (生育や作業が) 遅れてる。」

 

今はナスやキュウリやスイカなど、苗づくりの段階の作物が多いのだが、

これで苗までやられたら夏まで影響することになる。

米の産地からも 「もう少ししたら、苗のやり直し、という生産者も出てくるかもね」

といった声も聞こえてくる。

 

低温とは日照不足とセットであって、生育は留まり、病気の発生も多くなる。

そういう時は味も乗らない。

九州からの玉ねぎは小玉傾向で、生産量も平年の6割といった報告が長崎からあった。

奈良の梅や山梨のサクランボは先の霜害で、もう不作が確定している。

 

新聞では、農水省が農業団体に前倒しの出荷を要請したとのこと。

規格外はともかく、前倒しの出荷って、どうしろってことなんだろう・・・

 

土曜日に出てきて、受けるのはため息の出るような電話ばっかり。

ああ~~、来週は欠品が増える。 切ないです。

 




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