2010年4月23日
田植えを前に、水路を清める
桜は散ってもなかなか春の実感が涌いてこないのだけど、
それでも新学期に入ってゴールデン・ウィークの声が聞こえてくると、僕にとっては、
会津の山あいを縫って水を運ぶ、あの堰(せき) の清掃日が近づいてきたことを意味する。
福島県喜多方市山都町の本木・早稲谷地区で、毎年5月4日に行なわれる
本木上堰の清掃作業、通称 「堰浚(さら) い」。
地元では全戸総出で行なわれるため、「春の総人足」 とも呼ばれている。
参加するようになって、もう4回目のGWを迎える。
主催は 「本木・早稲谷 堰と里山を守る会」。
事務局の浅見彰宏さんからの案内を転載することで紹介に代えたい。
喜多方市山都町本木および早稲谷地区は、
町の中心部から北に位置する併せて100軒足らずの小さな集落です。
周囲は飯豊連邦前衛の山々に囲まれ、
深い広葉樹の森の中に民家や田畑が点在する静かなところです。
そんな山村に広がる美しい田園風景には一つの秘密があります。
それは田んぼに水を供給する水路の存在です。
水路があるからこそ、急峻な地形の中、川沿いだけでなく山の上部にまで田んぼが拓かれ、
田畑と森と民家が調和した風景が作られているのです。
その水路は 「本木上堰」(もときうわぜき) と呼ばれています。
早稲谷地区を流れる早稲谷川上流部から取水し、右岸の山中をへつりながら
下流の本木地区大谷地まで延々6キロあまり続きます。
水路の開設は江戸時代中期にまで遡り、そのほとんどは当時の形、
すなわち素掘りのままの歴史ある水路です。
深い森の中を済んだ水がさらさらと流れる様を目の当たりにすると、
先人の稲作への情熱が伝わってきます。
しかし農業後継者不足や高齢化の波がここにも押し寄せ、人海戦術に頼らざるを得ない
この山間の水路の維持がいよいよ困難な状況となってきました。
水路が放棄された時、両地区のほとんどの田んぼは耕作不可能となり、
美しい風景も一挙に失われてしまうでしょう。
そこでもっとも重労働である春の総人足のお手伝いをしてくれる方を募集しております。
皆さん! 先人の熱き想いとたゆまぬ努力が築き上げたこの素晴らしき生活遺産を、
そして山村の美しき田園風景を後世に引き継ぐため、ぜひご協力ください。
作業日は5月4日ですが、早朝から開始するため、前日には現地に集合していただきます。
宿泊は公民館か山荘になります (現地の方にお任せ)。
3日の夜は前夜祭、4日の夕方には交流会が用意されています。
費用は、現地(JR磐越西線・山都駅) までの交通費、宿泊の集会所使用料実費分のみです。
作業着・着替え、軍手、長靴、雨具、洗面具をご用意ください。
もうGWの計画を立てられている方が多いかと思いますが、
もしまだ予定がなく、興味を持たれた方がおられましたら、どうぞお問い合わせください。
「堰と里山を守る会」 では会員も募集中です。
堰さらいボランティアに参加できない方で、ご支援いただける方はぜひ。
(メール・アドレスをつけてコメント投稿していただければ、お返事を差し上げます。)
大地を守る会の専門委員会 「米プロジェクト21」 では、
「種蒔人基金」 を活用して、この堰さらいボランティアに協力しています。
参考までに、過去の日記を貼り付けますので、読んでいただけると嬉しいです。
・2009年5月 5日・・・「 堰(せき) -水源を守る 」
・2008年5月 6日・・・「 水路は未来への財産だ! 」
・2007年7月10日・・・「 日本列島の血脈 」
さらに今年は、喜多方市の市民グループにも支援の輪が広がって、
福島県からもわずかながら助成が下りたとのこと。
そこで交流会でも、真面目なお勉強の時間を設けるとのことで、
なんと僕に、食と農と堰の関わりについて話をしろとのお沙汰である。
腰だけでなく、気まで重たくなっちゃったりして。
ご恩返しになれば幸いであるが・・・
そうそう、今まで、事後報告を見ては、行ってみた〜いと思っていました。
今年は事前にお知らせくださって、ありがとうございます。
でも、今年は行けないのです、ぐすん。
来年まで覚えていられるかなあ・・・(一抹の不安)。
でも、いつかは行きます堰さらい。
お天気に恵まれますように。
がんばってください。
しお様 てん様
コメント有り難うございます。お返事が帰ってからになってしまいまして、すみません。
天気は3日が晴れ、4日が曇り、と我々にはちょうど良かったです。内容については、ブログでの報告をご参照ください。例によって長々と書いてしまいました。
堰さらいは毎年5月4日です。当分変わらないでしょう。GWの真ん中だとみんな来れるのでは、ということでの設定ですが、これが毎年となると・・・10年連続という方がお二人おられますが、ここまでくると「実家」ですね。尊敬します。
てんさん。お子さん連れの方もいますので大丈夫ですよ。会津で誕生日のお祝いというのも記憶に残るのでは。
みなさま、がんばってくださいね!
あいにく息子の誕生日でこの日は行けない・・。
毎年、おおっ!と眺めては、あー駄目じゃん、と思っています。
息子が誕生日云々言わなくなる頃には、私が役立たずになっていそうだし。
いつかは行きたい堰さらい。
子供の頃、大人たちが総出で用水路をさらっているのにずっと付いて行っていました。
さらった泥と一緒に、たくさんの生き物があがってくるからです。
なので、堰さらいにいっても、すくった泥やゴミをじーっと見ちゃって、仕事にならないかも・・とも思いました。
いずれにしても、一度は使いもんにならなくなる前に言ってみたいイベントです!