2010年6月 3日
「だいち村」 -ちょっとやられた感も・・・
「(株)NTTデータだいち」 さんが開いた栃木県那須町の農場運営を
お手伝いすることになったという話をしてから、2ヶ月が経った。
まだ手探りながら栽培も始まっていて、
拠点となる事務所には看板も掲げられていた。
その名がなんと、「だいち村」 。
そうくると思ってたよ。 もう、これしかないよね、というよな命名。
先日見せてもらった農地の一角にはハウスが建てられ、
また近隣の造成から出た黒土をもらって、盛られている。
赤土状態からの出発なので、ここはまだこれからである。
土づくり、土壌診断から協力する。 それはそれで面白い。
新たに2枚のほ場が追加された。
じゃが芋が植えられている。
「今年はすべて勉強です」 と実直な若いスタッフ、儘田くんは語る。
好青年だ。
栽培管理の体系づくりは、自分たちの思想を語ることから始める、
という王道を、僕は 「NTTだいち」 さんに提案した。
農場の理念を謳い、それに沿った生産基準を策定し、生産行程管理規定を設計する。
規定に従って、日々の仕事管理までの帳票を整備する。
第3者監査に耐えうる仕組みづくりが一から始まっていて、
楽しいとも言えるが、「責任」 もだんだんと感じつつある。
僕の原理原則的な話とは別に、同行した農産チーム・市川職員が、
作付予定表を眺めながら、一芸を披露し始めた。
「たとえばね、イチゴの隣にニンニク、トウモロコシの隣に枝豆、
バラバラのようで全部理に適ってるって感じで・・・」
「あそこのほ場は時間がかかるとしても、今年は麦とか緑肥を蒔いてみたら。
それから今からハーブの苗を用意するといいね、ウン。
●●●●●●××××△△~~、これでねぇ、女子の心をつかむんスよ。 ふっふ」
なかなか芸の細かいアドバイス。 さすが、である。
しかしイチカワ自身はなんで女子のハートをつかめないんだろう。 不思議だ。
これは 「NTTだいち」 さんには伏せておきたい社外秘とする。
ま、こんな感じで、イメージを膨らませながら、
だいち村と大地を守る会のコラボレーションが進み始めている。
障がい者 (という言い方も何か抵抗があるな) と一緒にどんな農場がつくれるか、
これは俺たちにとっても実に幸運なトレーニングの機会だと思う。
IT企業はストレスも多くて、社員の人たちがリフレッシュできる
園芸療法などもプログラムに組み入れたいと 「NTTだいち」 さんは考えているようだ。
農が人を救う。 社会はそんな時代を求め始めている。
では人を救う農の世界とはいかようなものだろうか。
現役のうちにここまで来れたことを幸せに思う。
ずっとアウトサイダーのままで、あるいはニッチ(隙間) とか言われながら
朽ちるんだろうと思っていたからなぁ。
いや、世の中がそれだけピンチになっているんだ、きっと。