2013年9月26日
はたらくケンタローの背に、谷川俊太郎の詩が流れる
長崎は島原から (このレポートはあとで)。
稲刈りに続いて、この間のトピックを 2 本。
9月13日(金)。
丸の内での 『行幸マルシェ × 青空市場』 に出店。
「大丸有つながる食プロジェクト」 の紹介と、
マルシェにコラボするかたちで
大地を守る会の野菜を使って本日のみ限定料理を出してくれた
スペイン・バル 「モン‐シルクロ」 さんを、今回はPR。
本来の目的はレストランの共同仕入の仕組みをつくることで、
安全性や環境に配慮された食材のネットワークを広げることなのだが、
こういう出店ではどうしても販売自体に力が入ってしまう。
レストランとのコラボ手法をもう少し考えたい。
翌9月14日(土)。
二人のおじさんを連れて、小平の生産者・川里賢太郎さんを訪ねた。
一人(下の写真左端) は、ドキュメンタリー映画のプロデューサー、
「モンタージュ」 という会社の小松原時夫さん。
小松原さんとは、1995年に制作した 「続あらかわ ~水の共同体を求めて~」
でお手伝いさせていただいた時からのお付き合いだ。
当時小松原さんが所属していたのは、
水俣病の映画などで知られる 「シグロ」 だった。
で、もう一人(写真中央) は、映画監督の杉本信昭さん。
右が川里賢太郎くん。
今回、この二人がつくろうとしている作品は、
様々なジャンル・現場で働く若者群像を撮って、
その姿に詩人・谷川俊太郎が詩を入れる、というものらしい。
昨年、小松原さんは紀伊国屋書店から
『詩人・谷川俊太郎』 という作品を世に出している。
谷川さんが自らの試作と半生を語った初めての映像記録で、
平成24年度教育映像祭で文部科学大臣賞を受賞している。
その流れから、今回の企画が生まれたらしい。
そこで、" 無農薬での野菜作りを営む都市農家の若者 " を一人
登場させようという魂胆だ。
というか、小松原さんから誰かいないかと聞かれ、
「こういうのはどうか」 と提案してしまったんだけど、
賢太郎さんにとっては実にハタ迷惑なことだったろう。
「 映画の取材なんて、勘弁して下さいよ~。
エビさん、オレの性格知ってるでしょう」
と頑なに断わるところをなだめ、すかし、
「まあ・・・いっぺん会うだけ会いましょうか」 まで漕ぎつけた。
そこで今日、顔合わせと下見となった次第。
今はちょうど隙間の、次の出荷に向けて少し余裕のある時期。
順番に出荷できるよう、少しずつ種を播いていってる。
細かい作業計画が彼の頭には入っているのである。
いざ会えば、丁寧に礼儀正しく、説明し、
受け答えてくれる賢太郎氏であった。
計算通り。
今月末にはロケがスタートすることになった。
監督。
もし可能ならば、「映画?」 と聞いて 「人前でチャラチャラするな!」
と怒鳴ったという気丈なおばあ様も登場させてくれると嬉しいのですが。
そこは今回の企画意図とは違うのでしょうが、
都市近郊の4世帯同居の楽しい家庭の風景も
チラッと挿入してほしいと思ったりして。
時にコワい顔を見せるお父さんの弘さんが、
この日はとても優しい笑顔で孫に接していたのも、素敵な光景だった。
完成は来春あたりのよう。
できましたら、お知らせします。
説明の合い間にも、苗の様子を観察する川里賢太郎。
詩の巨人・谷川俊太郎が、はたらくケンタローの背中に
どんな言葉を編んでくれるのか。
考えてみれば、すごいことだな。
スゴイことだぞ、これって。
賢太郎様。 あとは知りませんので、頑張ってください。