2013年11月26日
3年ぶりの三番瀬クリーンアップ
ネオニコのフォーラムを終え、東京駅近くの居酒屋で
大野先生や abt スタッフの方、有機農業関係者たちと一杯やった。
その席で、作家・詩人でもある abt 代表の星川淳さんから
次回の内容について打診され、よせばいいのについつい意見を述べてしまった。
結局、また関わらざるを得なくなる。
こうやって墓穴を掘るっていうか、自分の首を絞めるっていうか・・・
翌 11月10日(日) は、
久しぶりに 「ふなばし三番瀬海浜公園」(千葉県船橋市) に出向いた。
震災の影響で中止されていた 「ふなばし三番瀬クリーンアップ」 が、
3年ぶりに開催されたのだ。
この日は朝から冷たい風が吹いていて、しかも中潮で海は満ち始めていた。
それでも600人くらいの市民、ボランティアが集まっただろうか。
砂浜の清掃をメインにして、なぎさ美術館と銘打った絵画展や
貝殻工作教室、木の実クラフト作り、地球温暖化対策のパネル展示などが、
それなりに楽しく、実施された。
大地を守る会の 2 つの専門委員会(おさかな喰楽部&米プロジェクト21)
とNPO法人 「ベイプラン・アソシエイツ」(BPA) が共同で運営する
我が 「東京湾アオサ・プロジェクト」 も、
震災後は開店休業状態だったのだが、ここで3年ぶりの登場となる。
アオサはびっしりと打ち上げられていた・・・
本来ならここで
プロジェクトの目的であるアオサの回収を力強く呼びかけるところなのだが、
残念ながらできずに終わった。
アオサを引き取って発酵飼料に仕上げてくれる予定だった
本田孝夫さん(埼玉県深谷市) が飼料用米の収穫で忙しくて来れなくなった。
加えて生の海藻は焼却ゴミとして扱えないのだ。
富栄養化の原因となるチッソやリンを吸収して海を浄化してくれている
このアオサが、厄介ものと嫌われるようになって久しい。
これを農業の力で資源に変える、陸と海の循環を取り戻す、
そんな構想に挑んで 13 年が経った。
生産者とのネットワークで、堆肥化や発酵飼料化の受け皿はつくった。
その効果も確かめた。
しかし、これを採る人手と運ぶ手間(コスト) が課題として残った。
公園が震災でやられた後、こちらもやけに忙しくなってしまったこともあって、
なかなか再開できず、気がつけば 3 年の月日が流れた。
クリーンアップが再開されたことを機に、
こちらのモチベーションも復活させるか、と話し合った。
このまんまじゃ、どうにも終われない気分だしね。
開会式で挨拶する実行委員長の大野和敏さん。
BPA 代表であり、元船橋漁協組合長。
「東京湾アオサ・プロジェクト」 の代表もお願いしている。
" 船橋の顔 " の一人。
相変わらずダンディで、カッコいい。
アオサ・プロジェクトを代表して、おさかな喰楽部(くらぶ) の吉田和生が
アオサの説明をして、予告してあった回収が中止になったお詫びをする。
生産者は今日も食の自給力を高めるために頑張っていることをお伝えして。
写真の右に座っているのは、
なぎさ美術館の絵画コンクールで受賞した小学生たち。
船橋市内の 6つの小学校から 242点の応募があったそうだ。
地元に残された貴重な干潟地帯 「三番瀬」 を守っていこうと
子どもたちが呼びかけているのだ。
集めたゴミは約 500 ㎏ と発表があった。
以前には 2 ton 車満杯のアオサを回収したことがあった。
今日の人数で一斉にやったら、ゴミと同じ量くらいは採集できたと思う。
アオサを眺めながら、ちょっと悔しい。
アオサの回収は断念したが、
大地を守る会ではもうひとつ、「干潟の生き物観察会」 を担当した。
講師は、稲作体験でお馴染み、会員の陶(すえ) 武利さん。
専門委員会 「米プロジェクト21」 のメンバー。
砂以外何もないように見える砂浜のなかにも、
実にいろんな生き物たちがいて、たたかい、
食い合いながら共存している。
多様な生物がいることによって、生命の循環が守られ、海も浄化されている。
そんな世界を、陶さんは本当に嬉しそうに語るのだ。
アオサもよく見ると、小さな貝がへばりついている。
こいつらもしっかり生きているんだ。 スゴ~イ! ね。
生物多様性の世界は、僕らの暮らしの足元にもつながっている。
大切にしよう。
まあ、ちょっと寒かったね。
また来てほしい。
身近にある自然から学べることはたくさんあるから。
それは未来のために必要なことだ。
なおこの日、放射性物質の検査のためアオサのサンプルを採取した。
結果は、ND(不検出)。 検出限界値は 0.6~0.9 Bq。
参考までに付記しておきたい。