獅子ヶ鼻湿原-水と妖精の森
とんぼと田んぼの庄内ツアーから
滝のような激流。この圧倒的な水量。
とてもこのすぐ奥から湧き出ているなんて、信じられない。
この水が川を形成し、また地下に染み込み、
水田地帯を潤す。
ブナの原生林もある。
長い風雪に耐え、鬼神ここに宿る。
人はこの樹を 『ニンフの腰かけ』 と呼んだ。
ブナの腕に抱かれて眠る森の精霊を見たのだろうか。
水の源にはブナ林が似合う。特に東北では、そう思う。
“1尺のブナ1本で1反の田んぼを潤す” と言われるほどの保水力を持つブナ。
水と森に感謝する心に、妖精もその姿を現わし、微笑んでくれたのかもしれない。
※「ニンフ」とは、ギリシャ神話に出てくる森の妖精のこと。
※「一尺」=約30cm。「1反」=300坪、約10a(1,000㎡)。