「偽」 の年の仕事納め
1年の仕事を終える。
毎年のことだが、何とも言えぬ脱力感がある。
しかし本当は、まだ終わっていない。
明日も食材は届けられるわけだから。
年の瀬の最後まで、
ミスやトラブルの連絡にハラハラ、ジタバタするのが食品流通の宿命である。
しかも、大晦日だって、正月だって、僕らの責任はついて回る。
本当は、毎日が気が気じゃない日々。
おせちはちゃんと届いただろうか…
正月に呼び出しがくるんじゃないだろうか…
でも、休まなかったら生きてけない、というのも本音であって、
溜まった書類を思い切ってシュレッダーにかけて、
ざっと机の上を片づけ、
パソコンも受話器もきれいに拭いて、終わりとする。
あちこち電気が消えた後、何人か残っている職員に声をかける。
大晦日の夜にデータのバックアップに入る奴もいる。
「じゃあな、お疲れ様。良いお年を」
こんな夜は、サッチモなど聴きたくなる。
特に今年は、そんな気分だ。
名曲 -「WHAT A WONDERFUL WORLD」