仕事再開-いきなり100件!
一週間お盆休みを頂戴して、仏さんと一緒に過ごしてきました。
四国は今も弘法大師さんとともに在るような国です。
さて本日(17日)、一週間ぶりに仕事に戻れば、
机の上には100件ほどの新商品の審査物件書類がド~ンと詰まれていて、
パソコンを開けば、溜まったメールが300件強。
とても今日一日では処理し切れないなぁ、とため息ひとつ吐いて、開き始める。
審査物件100といっても、初見のものは半分弱くらいで、
多くは一度はチェック済みのもの。
不足書類を要請したり、内容の再確認・不備の指摘に対して返ってきたものである。
なかには何回も往復してきたものもある。
安全審査グループをつくって5年。
すべての取り扱い基準を整備し直し、
それに基づいての商品情報のトレース体制を築いてきたが、
必然的にメーカーからの提出書類は膨大になった。
古くから付き合いのあるメーカーの方から皮肉られたことがある。
「大地は‘顔の見える関係’と言ってきたけど、
これじゃまるで‘紙の見える関係’だ!」
うまいことを言う。 座布団2枚!
-なんて切り返しながら、しかし、だからといって引き下がるわけにはいかない。
ひとつの製品に含まれるすべての原材料の内容確認から始まり、
製造工程・工場内のアレルゲン物質の有無・包装容器・一括表示やラベルでの記載内容
などなど、可能な限りトレース(追跡)して、当方の基準との適合性を判断していく。
例えば、遺伝子組み換え食品に反対しながら、遺伝子組み換え大豆が使われていた、
なんてことになれば、目も当てられなくなるわけで、
大豆ひとつにも証明を求めることになる。
ひっきょう原料が多岐にわたるものほど書類が増える。
例えば、先週新製品として登場したフルーツバスケットの「野菜を飲もう!(ジュース)」の場合。
人参、大根、小松菜、水菜、ほうれん草、キャベツ、りんご、カボス、
それぞれの栽培内容を有機農業推進室で確認する。
たとえ大地の契約生産者のものでも、必要な情報は求める。
フルーツバスケット⇔大地・商品グループ⇔安全審査グループ(品質保証チーム、有機農業推進室)
の間で書類が行き来し、最終的な提出書類は55枚にのぼった。
こういった審査の途中経過や最終結果を確認するのが私の係で、
商品開発担当者(その後ろにはメーカーさん)が審査にしびれを切らして
イラ立っているのが書類から透けて見えてくるときがある。
こんな作業が繰り返され、毎週10品目前後の新商品が日の目を見る。
大地に皮肉も言いたくなるだろう。
‘顔’を見るだけでなく、身体検査をされているような気持ちにもなるかも知れない。
でもこれが我々の生命線であり、こういった作業の積み重ねが、
「大地につながるすべての生産者・メーカー」(結果として「大地」)を
守ることにつながっている、というのが私の自負である。
トレーサビリティの徹底は、自分たちの限界と‘課題’をも照射する。
それが安全性の向上意識につながって、‘食の安全を担う生産者’の輪となるはずだ。
このやり取りが互いのモラルを鍛えている。
そんな思いでハンコを押している。
休みのツケとの格闘となった一日。
そんな中で、ブログへの感想を5件、発見する。
どれも過分なるお褒めの言葉。嬉しい!
身が引き締まり、時差ボケ気分も一気に抜けて、ギアを加速する。
それにしても暑い。最高気温も記録更新。
夜、一人居残りのところに、長野の原志朗さんから電話が入る。
「りんごが焼け始めている」
りんごも心配だけど、体に気をつけてよ -という言葉しか出てこない自分が歯がゆい。