無事帰国したものの…
10月26日(金)、午後6時前に成田に到着。無事帰国しました。
でも時差(14時間)ボケもあってか、
昨夜は、荷物を整理する途中で、とても我慢できずに、
6日ぶりに日本酒を一杯飲んだ途端、
ふうーッと気を失って、ついに朝まで爆睡。
そんでもって、今日(10/27)は大地職員の研修合宿の日なんだけど、
昼間のプログラムはパスして、幕張の事務所に出社。
机の上には、いろいろな郵便物やら書類やら伝言メモ。
加えて加工品や雑貨品の審査物件が、まあだいたい50件ほどか。
パソコンを開けば400件くらいのメールが溜まっている。
(ミネアポリスでは携帯でも受信できたので、実はチェックしていたんだけど、
返事出したりすると追いかけれらるので、連絡できないことにしてた。
こういうのも、今の世間のビジネスマンには許されないことなんでしょうね。)
とりあえずやれるだけ処理して、夕方、強くなる雨脚の中、
今度は千葉みなとに向かう。
職員合宿 (といっても今回は日帰り) の打ち上げの会場である。
ちなみに、大地の職員合宿は春と秋の年2回あって、
部署持ち回りで幹事が指名され、それぞれの持ち味で勝手にプログラムが作られる。
今回は、一次産品の仕入れ部署である生産グループの担当で、
職員は千葉県内の農業・畜産・水産の3ヵ所に分かれて体験学習が用意された。
生産者も忙しい中、たまったものではないのだろうけど、
大地の職員が現場に来るということで、それなりの仕事を用意してくれ、
雨だからと甘く見ていた職員を、きっちりと鍛えてくれたようである。
かく言う自分は事務所でひと仕事しただけで、
ひどい暴風雨の中、会場を探しているうちに傘の骨が折れ、
たいした時間じゃないのに全身びしょ濡れで、舌打ちとため口ひとつ吐いて辿りつく。
-今回の幹事はゼッタイに日頃の行ないが悪い。
でも、思った。
成田に降りた瞬間にも感じたことだけど、
この湿度こそ我々の精神風土なんじゃないか。
昨日一緒に降りたアメリカ大陸の人たちも、何だこのムッとする空気は、と思ったに違いない。
その昔、哲学者・和辻哲郎が書いていた。
湿気は最も耐え難く、また最も防ぎ難い。
にもかかわらず、湿気は人間の内に 「自然への対抗」 を呼びさまさない。
その理由のひとつは、陸に住む人間にとって、湿潤が自然の恵みを意味するからである。
洋上において耐え難いモンスーンは、実は太陽が海の水を陸に運ぶ車にほかならぬ。
この水ゆえに夏の太陽の真下にある暑い国土は、旺盛なる植物によって覆われる。
大地は至るところ植物的なる「生」を現わし、従って動物的なる生をも繁殖させる。
かくして人間の世界は、植物的・動物的なる生の充満し横溢せる場所となる。
自然は死ではなくして生である。死はむしろ人の側にある。
だから人と世界とのかかわりは対抗的ではなくして受容的である。
それは砂漠の乾燥の相反にほかならぬ。
(和辻哲郎著 『風土』/1928(昭和3)年)
びしょびしょで会場に着けば、
各産地に分散した職員が、自分の体験を短歌にして詠う、
という今回の課題が展開されている。
便乗して、私も六日間のアメリカ体験を即興でやってみる。
GMの 勢いに湧く大陸に
ノンGMの種を蒔く 農民一人 (字余り)
私の報告書は、重くなる。
結構辛いものになる。
でも未来に向けて、種を蒔くごとくまとめてみたい。
できるかどうか、分からないけど。
あとは、久しぶりの日本酒に心地よく酔って、今日もおしまい、です。
濃密なアメリカ報告は、追って。
明日は、三番瀬のクリーンアップのナビゲーター。
山から海までの距離が短いと、運動も忙しい。