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振り返り

気がつけば、師走である。

エンデの小説 『モモ』 じゃないけど、誰かに時間を奪われている気がする。
米国視察あたりから、完全に‘追われる’ペースになっちゃった。

昔のように夜なべも利かなくなったし・・・
などと一人ため息をつきながら11月を振り返れば、
米国レポートを長々と続けてしまったこともあって、いろんなことを書き漏らしてしまった。

ここで一気に振り返ってみたい。

まずは1日。
島根で開かれた加工品&乳製品製造者会議。

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アイスクリームやチーズを頂いている木次(きすき)乳業さんを会場にして開かれた。
木次乳業の歴史を語ってくれたのは現在の社長・佐藤貞之さんだが、
先代の佐藤忠吉さんは、有機農業の世界では 「島根にこの人あり」 と言われた人だ。
酪農を主体にして、米も野菜も作る 「自給・小規模多品目複合経営」 の姿勢を
親子2代にわたって貫いている。
牛は山地での放牧に適した「ブラウンスイス」という品種。

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非遺伝子組み換えの配合飼料に国産有機栽培のフスマ、野草などを与える。
「食べることは、いのちをいただくこと」 が忠吉さんの口癖だ。
牛乳を運ぶ保冷トラックのボディには 「赤ちゃんには母乳を」 と大書されている。
相当のポリシーがないと書けない台詞だ。
こんな乳業メーカー、他にないよね。

牛舎の見学では、乳搾りも体験させていただく。
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実に気立ての優しい牛である。

会議では、有機での米作りで若者を育てるおにぎりの三和農産さん、
桑畑の再生から地域起こしにまで発展させた桜江町桑葉生産組合さんの講演もあり、
出雲の各所で、食品メーカーが中心になって地域づくりが進んでいる様子が報告された。

‘安全な食’ から ‘環境と地域の再生’ へ。
地域に根ざした食品メーカーだからできることがある。
3社の報告は、参加されたメーカーには大いに刺激になったのではないだろうか。


島根から秋田に飛んでブナの植林のお手伝いをし(3日)、
翌週の「土と平和の祭典」(11日)、「土作り生産者会議」(15日)、
「ストップ!GMO緊急集会」(17日) なんかを挟んで、
20日には、本社と習志野物流センターで農産物の流通管理についての監査を受ける。

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大地で販売する農産物に関する情報が正確に管理され流通されているかどうかを、
有機JASの認証機関の監査によって検証する、大地独自の取り組みである。
大地ではこれを、有機JASと区別するため、「こだわり農産物」監査と呼んでいる。
この外部監査手法を取り入れて、5年になる。

有機JASの検査官によって、大地内部の生産情報の管理体制がチェックされ、
また物流センターでの小分け業務まで審査される。

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特に問題なく審査を終え、ホッとする。


宮城の雁ツアー(23-24日)から帰ってきて、26日。
認証機関(アファス認証センター)から、今度は有機JASの小分け業務の合格判定が届く。

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「有機農産物」の認証を取った生産者の農産物が、他と混ざることなく、
また汚染されることなく、小分けされ流通される体制が整っていることが認定された。

生産者の皆さん。
皆さんの有機農産物の受け皿として、物流部門もしっかりやってます。
-という報告は、やっぱりしておかないとね。


28日には六本木事務所にて、「江沢正平さんを偲ぶ会」。
大地を守る会が運営する 「アジア農民元気大学」 でやっている
定例の自主講座 「こーいちクラブ」(小松光一さん主宰) の仲間たちが集まって、
温かい‘偲ぶ会’となった。
「こーいちクラブ」 は、江沢先生がずっと欠かさず足を運んでくれた会である。

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出来の悪い大地の職員を叱りながら、野菜というものを教え続けてくれた。
亡くなる直前まで枕元で本を読んでもらって、勉強を欠かさなかった。
いつもお洒落な江戸っ子で、戦前から反骨の精神を貫いたリベラリスト。
……そんな話に花が咲いて、
改めて、とてもデカい人を失ったという実感がこみ上げてくる。

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江澤先生、本当にお世話になりました。
有難うございました。

≪江澤さんの訃報については、10月6日の日記を―≫


そんなこんなの合い間にも、
有機農産物に使われていた資材から農薬が検出されたといった報道が2件。
1件は、大地では以前より使わないことを申し合わせていたもの。
どうだ、と言いたくなる。
しかしもう1件は、認証機関がかなり綿密に調べてOKを出していたこともあり、
大地でも数軒の生産者で使用実績があった。
報道では、残留はごく微量のようではあるが、「即刻使用を自粛するように」 との通知を出す。


そして、― やはり潔く書き記しておくべきだろう。自分の立場からしても。
何もなかったかのように、偉そうなブログを続けることはできない。

生産者の農薬使用報告漏れが1件発生した。
20年来農薬を使わないでやってきた人だ。
今まで経験したことがないほど畑全体に虫害が広がって、
パニックになってしまったと本人から謝罪の弁を受けるも、
つらいけど今年の出荷は停止していただく。
購入していただいた会員には謝罪の告知をし、全額返金とする。
幸い農薬の検出はなかったものの、信頼に傷がついたことに違いはない。
たった1回の農薬使用であっても、この約束は生命線である。

何年ぶりだろう。もうこういうことはないようにしてきた筈ではなかったか・・・
と思うと、悔しくてたまらない。

俺たちは、まだまだだ。
どこにも負けないくらいの揺るぎない関係を、生産者と築きたい。
襟を正し、決意を新たに、出直しである。

時間を奪われているうちに、自分の誕生日を忘れていた。
11月11日で、私もついに入社25年となりました。
四半世紀を経て、この日が 「土の日」 に・・・・・でも、出直しの月となって、
どこか自分らしい、とも思う。

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