2009年11月 9日

ソフトエネルギーパスって知ってますか?: 脱原発へのロードマップ

09年10月3日(土)晴れ(by ドクターMaekawa)


1986年のチェルノブイリの事故では、世界中に放射能物質がまきき散らされました。

大地を守る会の契約農家には、環境に配慮した露地栽培が多いのですが、

当時はそれが裏目に出て、「露地野菜は危ない。ハウス栽培が安全」という風評があり、

大変な思いをしました。

それを教訓に、「大地・原発とめよう会」が発足され、反原発運動を長年続けています。

09年10月3日には、反原発の「NO NUKES FESTA」が開催され、

大地を守る会も出店し、反原発を訴えました。



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 福島みずほ党首の訴え                                  柏崎刈羽原発に反対するトキ



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パレードにでかける「原発とめよう会」の来島職員



チェルノブイリでは、セシウム-137という放射性物質が世界中の人の体内に取り込まれ、

今でも骨に蓄積しているといわれています。

原子力発電、さらに日本が今進めている核燃料サイクル構想には、

多くの問題があるといわざるをえません。


しかし、私たちの日々の生活のエネルギーは大半が電気でまかなっており、

国の政策が変更されない限り、原子力によって発電された電力を使わざるを得ません。

風力発電や太陽光発電はまだ大きな勢力とはなっていません。

この今の状況をなんとか市民の手で変える手立てはないものでしょうか。

そこであるエネルギー学者の考え方に注目してみました。

それは、1979年にエイモリー・ロビンズ博士が発表した、

「ソフト・エネルギー・パス-永続的平和への道」です。

そしてそれを可能にする技術の一つの候補として、家庭用燃料電池が登場しました。



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ソフトエネルギーは、「需要に応じて使用する場所で発電する」ことが基本概念です。

しかし、これまでの太陽光発電システムだけでは、家庭でも十分な発電量が得られません。

そこに登場したのが家庭用燃料電池。これは、自然エネルギーではないものの、

「使用する場所で発電」にはあってますし、さらにはエネルギー効率が格段に高い。

それというのも、発電で出る発熱を家庭で使う御湯として利用できるからです。

このシステム、世界でも日本がトップクラスの技術を持っています。

このソフトエネルギーパスシステムが普及すれば、ハードエネルギー、ひいては

原子力発電に依存しない社会が作れます。


この家庭用燃料電池、まだまだ価格的な問題があり、

普及するには時間がかかりそうです。

そこで期待されるのが、政府による補助金政策。これが十分にいきわたり、

台数がたくさん出るようになれば製造コストも当然下がり、普及にはずみがつく。

ここでネックになるのが、電力産業との衝突です。オール電化住宅などを推進して

いる電力会社は、当然、ハードエネルギーシステムの脅威になるソフトエネルギー

構想には反対の立場でしょう。今後は、政治的な駆け引きとなってしまうのですが、

残念ながら、政権与党の民主党政権のマニフェストには、「安全を第一として、

国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む」と明記してあります。

一方、社民党のマニフェストには、「エネルギー特別会計は、原子力重視から

自然エネルギーに大幅シフトします。EUの共通エネルギー政策の目標なみに、

2020年までに自然エネルギーの割合(現在2%)は20%をめざします」

となっています。

鳩山政権が、原子力による二酸化炭素削減をめざすのか、自然エネルギーや

ソフトエネルギーパス構想をめざすのか。


すでに、太陽光発電を設置されている方には朗報があります。

09年11月1日より、新たな余剰電力の買取制度が始まります。

48円/kW時で、これまでの2倍の価格になります。

詳しくは、資源エネルギー庁太陽光発電買取制度室まで。


大地を守る会 運動局 前川隆文


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