2010年5月27日
甘楽町の産物を使ってフランス料理のライブクッキングを行いました!
とらちゃんこと虎谷健です。
鹿肉の美味しさを皆さんに知っていただく食事会企画でお世話になっている銀座和光の鈴木康太郎シェフ。
虎谷は鹿肉の美味しさはもちろん、普段食べている野菜が全く別の食材の様に変化してしまう鈴木シェフの
腕にほれ込んでしまいました!
「産地で、その日集まった旬の食材を使って、ライブで料理を作って頂きたい!」との無茶なお願いを
聞いていただき、 群馬県甘楽町まで足を運んでいただきました。
今日は甘楽有機農業研究会の食材を使ってのフランス料理教室です!
鈴木さんと若きシェフの皆さん。
「若いシェフたちに農業の現場を体験してほしいと思い連れてきました。きつい農作業でも構わない
のでどんどん使ってください。」とのことでしたので、今回は調理より農作業を優先して手伝っていた
だきました!
軽トラックの助手席に乗るその姿はどこから見ても「農家の兄ちゃん」でした(笑)が、普段は厳しい
修業をしている若者たちです。
鈴木さん、今日は美味しい食事を期待していますよ!
集まった甘楽町の食材の数々。
水菜、宮内菜、小松菜、野沢菜、わさび菜、べか菜、赤ネギ、唐の芋、竹の子芋、八つ頭、もちろん、
キウイフルーツ...。「この時期,あんまり野菜ないんだよな。」と窓口になってくれた吉田さんは恐縮
しますがいえいえいろいろな野菜が集まりました!
これらの野菜に加え、大地を守る会の食材、米、トマト、玉ねぎ、パプリカ、にんにく、そして地元群馬県産のズッキーニ、こんにゃく、きのこを持ち込みました。
手前のお肉は有害鳥獣駆除で捕えたシカとイノシシです。
そうです!畑を荒らしてしまう獣も立派な地元食材です。フランス料理といえば、「ジビエ(野生肉)」。
今日はシカとイノシシの豪華2本立てです!
猟師さんが獲ってきたそのままのお肉...。肉をよく見るとまだ毛が付着していたりして...生々しい。
それを見た『大地を守る会職員一番の肉食系女子(虎谷認定)』Tさんは「うわぁ、おいしそう!
獲れたて新鮮って感じですね!」と。泥つき野菜や魚と違うんですけど...(笑)。
食材を撮影しているのは情報企画室の宇都宮職員。
「NEWS大地を守る7月号」に今回のレポートが掲載予定です。記事をお楽しみに!
生産者の皆さんも集まりいよいよイベントの開始です!町から町長代理の方も挨拶に来てくれました。
主に男性の方はキウイフルーツの畑に花摘みのお手伝いです。
残った料理教室に参加する皆さんでまずは打ち合わせです。おいしい料理を作るぞ!おうおう!
まずは発酵時間が必要なパン作りから。いつもにこやかな鈴木シェフ。
銀座のレストランにいらっしゃる時より楽しそう(?)。
こねたパンはおき火の近くで発酵させます。
発酵を待つ間に今日のメイン料理、ラタトゥイユを作ります。
唐芋をむきます。和食っぽい印象がありますがフランス料理になるんですよね...。
このあとオリーブオイルで素揚げしました。
バターライス作り。まずは生のお米を油で炒めます。作業ははさくさく進みます。
大量の野菜が切り終わりました。
シカとイノシシのお肉は、ニンニク、玉ねぎ、ハーブ、オリーブオイル、赤ワインでマリネしました。
こうすると肉の臭みが消えるのではなく、食材とマッチングして昇華し、芳香となるそうです。
先ほどの「えっ」と思うほどの大量の野菜を大鍋に放りこみました!
オリーブオイルで炒めて野菜から出る水分だけで煮ます。唐の芋も入っています。
ぐつぐつ野菜を煮込んでいる間にパンが焼きあがりました!
砂糖を振った甘めパンと、胡椒を振った風味パンの2種類です。美味しそう!
こちらは肉を焼く炭で焼いたパン。MッキーMウスパン(?)もありますな。
このあとシカ肉とイノシシ肉を焼きました。
料理ができあがりました!
バターライスと鹿肉、猪肉のバーベキュー、ラタトゥイユ、サラダ、パン2種類です。
ラタトゥイユの野菜からでた汁が焼肉のソースにもなりますし、バターライスにも浸みておいしい!
フランス料理にはやっぱり赤ワイン!ワインは主に調理を頑張った女性の皆さんに楽しんでいただきました。
「1週間おくれの母の日のプレゼントに、女性の皆さんにワインを楽しんでもらっていいですか?」の
呼びかけに、男性陣からは無言の「異議なし...」の反応が。
さては皆さん、母の日を忘れていましたな。
できあがった料理をみんなで楽しみました。
地元の「ふるさと館」で調理を担当している皆さんにも参加してもらいました。
甘楽町で地元食材のフランス料理が食べられる日も近い?
大量に作った料理もほぼ完食!
調理を指導して下さった鈴木さんも驚くほど、参加者皆さんたくさん召し上がっていただきました。
最後に、少しだけ残ったラタトゥイユに、これまた少しだけ残ったシカとイノシシの焼き肉を入れてぐつぐつ
煮込んで、塩・こしょうで味を整え、もう一品作ってくだいました。
解散前に皆さんに配って鍋はからっぽ!見事な完食でございました。
昼食をゆっくり楽しんだ後は参加者全員でキウイ畑で花摘みのお手伝いです。
今年は寒い日が続いたためまだつぼみの状態でした。
遅霜にやられてつぼみ自体がかなり少なくなってしまったようです。
これから暑い夏の間も生産者の皆さんはキウイの世話に明け暮れます。
秋には美味しいキウイフルーツに出会えることを期待しましょう。
最後に鈴木シェフから頂いた本日のレシピをご紹介!
「 Chevreuil"HONSYU"et mercassin grille's aux herbes(香草でマリネした本州鹿と猪のグリエ) 」
肉は適当な大きさに切り、ニンニクと玉ねぎみじん切りに乾燥ハーブを振りかけオリーブオイル、赤ワイン少々でマリネしておく。マリネは肉の臭みを消すのではなく他の食材とマッチングさせ、昇華させて芳香とするのがポイント。炭火で焼く際にはかたくなるので焼き過ぎないこと。
「 Ratatouille a' la "KANNRA" (甘楽町で作る南仏風野菜の煮込み) 」
ニンニクはみじん切りにし、他の野菜は一口大にぶつ切りにする。トマト、玉ねぎ、茸類を除き、下処理をした後、油で素揚げしておく。鍋にオリーブオイル、にんにくを入れ軽く炒め、全ての野菜を硬い順に入れ煮込む。とりがらスープをいれ、乾燥ハーブ、塩、こしょうで味を調える。
野菜料理と肉のソースも兼ねます。パスタソースにしてもおいしい。トマト、玉ねぎ、にんにく、ハーブがあればあとは野菜で工夫次第。
「Riz au beurre (七分米のバターライス) 」
七分米をフライパンでサラダ油を加え、透明になるまで炒める。玉ねぎはみじん切りにしてにんにくとともにしんなりするまで炒める。これらを炊飯器に入れとりがらスープ、ハーブを加えて炊く。
炊けて蒸らしたらバターを加え塩、こしょうで味を調える。野趣ゆたかな肉にあわせてお米の香りのある七分米を使用するのがポイント。
「 Pain a' la menagerie (家庭でできる簡単パン) 」
強力粉、酵母、塩、砂糖、水、オリーブオイルをすべて混ぜて捏ねる。ビニル袋に入れ、あたたかい所で休ませ発酵させる。表面にオリーブオイルを塗り、塩・黒胡椒、きび糖の2種を別々にふりかけ2種類のパンを作る。オーブン、フライパン、炭などで焼く。 野外や家庭で作る簡単なパン。気を張らず膨らめば良いという気軽な気持ちで家族で手作りを楽しんでください。
鈴木さん、すべて美味しゅうございました! ありがとうございました。
※お知らせ! 鈴木康太郎さんの料理を楽しむランチ企画の開催が決まりました!
大地を守る会の食材を使って、野菜のおいしさを楽しむフランス料理を組み立てていただきます。
「どうやって食べたら良いか判らない。」というお問い合わせをよくいただく夏野菜も 積極的に使って頂くので料理のレパートリーも広がるかもしれませんよ。
非日常の空間でゆったりと食事を楽しんで夏バテを吹き飛ばしてしまいましょう!
日時:9月8日(水)12:00~14:00
※開催日が9月1日から8日に変更になりました。たくさんの方からのお申込みをお待ちしています!
場所:レストランTHE WAKO 並木館10階 食事会参加費:8,000円
【使用予定食材】モロヘイヤ、ツルムラサキ、とうがん、エンツアイ、 みょうが、青じそ、しょうが、なす、おくら、ズイキ などの中から選んで調理します。
※野菜がメインの料理ですが菜食料理ではありません。肉、魚も併せて楽しんでいただきます。
詳しくは「NEWS大地を守る 8月号」イベント告知欄にてご確認ください。
大地を守る会 交流局 虎谷健