2010年7月12日

とうもろこしの雄花切りのお手伝いに行ってきました!

とらちゃんこと虎谷健です。

今月末には大地を守る会の最大規模の産地交流会「夏の三浦・とうもろこし収穫交流会」が

行なわれます。

3週間前の今、収穫祭のとうもろこしは受粉をし実を大きく実らせている最中です。

 

夏のこの時期のとうもろこしには「アワノメイガ」という蛾の幼虫がどうしても実に入ってしまいます。

この蛾はとうもろこしの雄花に卵を産みつけ、孵化した幼虫が茎を辿って実に辿りつき、食害を

引き起こします。強力な農薬を使えば一発で退治できるのでしょうが、農薬を使わない栽培では

この時期に栽培しない事以外に有効な手段がありません。

なるべく虫害を減らす手段として、孵化した幼虫が実にたどり着く前に、受粉を終えて役目を果たした雄花を刈り取って畑の外に出してしまう「雄花切り」という作業があります。

私たちが楽しむのに生産者の皆さんだけにこの作業をお願いするのは申し訳ない!っという事で

お手伝いに行ってきました。

 

 

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うっそうと茂ったとうもろこしです。

先端の一つの大きな花のように見えるところが雄花です。近づいて見ると小さな花が集まったもの。

雄花をたたくと花粉がほわん、と舞います。

この雄花を切り取って蛾の幼虫、もしくは卵ごと畑の外に運び出してしまう事が今日の目的です。

 

 

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ハサミで1本づつ切りとってコンテナの箱に入れて運び出します。

横に並んで一斉に作業開始!「マイペースで」と思いつつ隣が気になりペースが上がってしまいます。

 

 

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皆さんの訪問を待っているとうもろこし。まだだいぶ細めですね。これからどんどん大きくなって

3週間後には食べ頃になります!

 

 

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どんどん刈り進みます。進んでいくごとに刈り取った雄花を畑の外に出す作業が大変になります!

切り取った雄花は一つ残らず畑の外に出してしまいます。

この日は曇天で気温が高く時折雨も落ちてきてカッパを着ると暑く、着ないと雨に濡れてしまう

いやな天気でした。

でもこの湿度と気温が作物の成長を促すわけですね。梅雨をいやがってばかりもいられません。

 

 

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約3時間ほどの作業でだいぶ作業が進みました。畑がトラ刈り状態です。あともう少し!

 

 

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やっと終了!

畑から出した雄花は軽トラックに載せて畑から離れた場所に捨ててしまいます。

刈り取った雄花をよく見ると時折小さな幼虫が見つかります。見えませんが卵もたくさん産みつけ

られているのでしょう。

これらを外に出せば実の食害の被害は軽減できますが、まったく食害なし!というわけにはいきません。

この作業前に運良く実に辿りついていた幼虫は防げません...。

とりあえずやれることはやりましたし雨もあがりました。 皆さん、お疲れ様!

 

 

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お手伝いの後のお楽しみがこれです!

今の季節、黒崎有機栽培研究会の皆さんはお中元メロンの出荷のピークが過ぎて一段落した頃。

畑で熟し過ぎてしまって出荷できないメロンを私たちのためにとって置いてくださいました!

うれしい!高級メロンをぶつ切りで頂きました。

出荷できない迄に畑で熟してしまったメロンは消費者である私たちには食べる機会がありません。

この超完熟メロンを食せるのは生産者さんだけの特権です!

左は種の周りを掻きだす石橋さん、あ~あ、その種の周りのひげとお汁が美味しいんじゃないですか!

種ごとほおばってお汁を一滴残さず吸い取ってしまいたい!

 

ちなみに虎谷が大好きな超完熟果物はすもも、桃、メロン、キウイフルーツです。

キウイフルーツの完熟物は11月に行われる「「甘楽キウイフルーツ収穫お手伝い」企画で、運が

良ければ食べることができます。

通常キウイフルーツは11月の収穫時期にはまだ固く、収穫後に追熟させて皆さんにお届けするの

ですが、なぜか11月の収穫時に畑ですでに熟して柔らかくなってしまった実があるのです。

これを皮の上から指でつぶしてさらにフニャフニャにしてヘタを噛みとって、ゼリーのようになった実を

ジュッと吸い取ると大変に美味。

一つの畑から見つかる完熟した実は4つか5つくらいだそうで、収穫のお手伝いにいってもなかなか

出会えないレアものでございます。美味しい!

 

桃、すももの完熟物も滅多に出会えない果物の最たるものでしょう。普通に出荷していても傷みの

心配があるこれらの作物の出荷には、生産者さんが非常に神経を使って選果をしますので、輸送の

途中で熟し過ぎる恐れのあるものは出荷されません。

 

私もこれらの完熟物を賞味できたのは産地担当で桃、すももの生産者さんを担当していた時だけです。

農家さんの軒下に座って初めて食べた時は感動で胃袋が震え「こんな美味しいものがあったんだ!

大地を守る会に入って良かった!」と思ったほどです。

すももの中では「大石早生」は完熟してからすぐに水っぽくなって甘味が落ちてしまうので、超完熟の

美味しい物に出会える機会は少なく、「ソルダム」は完熟しても実がしっかりしているので超完熟でも

美味しい物に出会える機会が比較的多かったように思われます。

桃も生産者宅で過熟で出荷できない物をいただきました。

箱に当たっている底の部分はすでに茶色く変色し、じゅくじゅく状態でしたが(うじも居たりして...)、

その部分を避けて食べる完熟部分はそれはそれは美味でございました!

超完熟果物の思い出は尽きませんが、検品が厳しくなると皆さんにちゃんと品物をお届できる反面、

思いがけないほど美味しいものが届く面白みが減っていないかなぁ、と思う今日この頃でございます。

 

 

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ただの完熟メロンを食べるだけではありません。

ブランデーをかけて食べるとさらに美味しさが増すことも教えてもらいました!

プン!とアルコール臭がするほど熟しきったメロンはそのまま頬ばるとクセが強く、口の中がイガイガし

喉がざらつく感じが残るのですが、ブランデーをかけるとあら、不思議。

驚くほどさらっとして美味しいメロンに変身します。

この食べ方は石渡さんに教わりました。生産者さんたちの密かな楽しみですね。

 

 

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お酒をかけた後はまんべんなく全体にアルコールがまわる様にブロックにしてやります。

この状態にして食します。

 

 

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虎谷はちょい小さめのメロン1個、お酒でひたひたにして丸ごと頂きました!

たっぷり汗をかいて働いた後に、コンテナをイスにして野外でいただく完熟メロンは夏の最高の

デザートです!

 

とうもろこし収穫交流会まであと3週間。

台風など大風に倒されることなく無事に交流会の日を迎えられる事を祈りたいです。

今年の申し込みで落選してしまった皆さん、ごめんなさい。来年もぜひ申し込んでくださいね。

お待ちしています。

 

大地を守る会 交流局 虎谷健

 

※この完熟メロン及び桃、すもも、キウイフルーツは輸送に耐えられないため、皆さんのお宅にお届け

することはできません。        

オイシイ話ばかりで申し訳ありません。 <(_ _)>

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