2010年8月31日

夏休みに親子で水の授業を開催しました。

ユージこと大北雄二です。

 

夏といえば、水の使用量が急増する時期。

同時に水道料金に頭を悩ませ、水の大切さを感じる方も多いのではないでしょうか。

そんな夏休みの始めの7月29日(木)に、

水のスマートユース(水のスマートな使い方)を、親子で学べる水の授業を開催しました。

 

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参加者のみなさんには6人1組の席に分かれた座ってもらいました。

テーブルごとに「土」、「海」、「川」、「山」と言ったテーブル名が。

そして、サイコロやビーズが置いてあります。

さてどんな授業が始まるのでしょうか? 

 

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水の授業の先生は、水ジャーナリストの橋本淳司さん。

日本のみならず、世界各地の水問題を取材し、水をテーマに執筆活動をされています。

同時に、大学、高校、小中学校などで、水の大切さを伝える「水の授業」を行なっています。

今日は、子ども向けの授業が得意な橋本さんならではの、

ユーモアあふれるワークショップ形式の授業が展開されました。

 

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このワークショップでは、3つのことを学びます。

1つめは「水の循環とは何か」

2つめは「水の循環を変える要素は何か」

3つめは「水の循環を正常に保つ要素は何か」です。

上の図は、水の循環図です。

水は、海から空へ、空から山へ、山から川に流れて、また海へ、という流れを

繰り返しています。

私たちが使っている水道の水はどこからやってきたのでしょうか。

そして風呂場や洗面所、台所で使った水はどこに流れていったのでしょうか。

ちなみに、橋本先生がある大学で授業をした時に、

「僕の家は蛇口から水が出るので、川が汚れても大丈夫です。」

と真面目に答えた大学生がいたという、笑うに笑えないエピソードから

この授業を思いついたそうです。

まずは、この水の循環をゲーム感覚でイメージしてもらいました。

 

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用意したのは、まずサイコロ。

サイコロの面には、テーブル名と同じ

「海」・「川」・「山」・「雲」・「地下水」・「動物」などと書かれています。

そして、ビーズとひも。

 

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サイコロを振って、出た名前の席に移動。その席のビーズをひもに通す。

これを何回か繰り返します。

そしてそれぞれが出た目から水の循環を考えます。

例えば、「山」→「動物」→「川」→「海」と出たら、水はどんな動きがあるのか、

水の気持ちになって考えます。

 

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「山の水を動物が飲んで、おしっこが川に流れて、川から海に流れました。」

子どもたちも一生懸命考えながら、自分なりの答えを出します。

参加した子どもたちの環境意識の高さに驚かされました。

 

水の循環を理解したところで、次のステップへ。

 

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テーブルには水の循環図が描かれた、A2の模造紙が置かれます。

テーブルリーダーが書記となって、

・水の循環に人間がもたらす影響とは何か

その次に

・それらの影響を解決する方法は何か

大人も子供も真剣に話し合って書いていきます。

 

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そしてそれぞれのテーブルで特徴的だった意見を発表します。

ひと口に水の循環図と言っても、私たちは生活の多様な場面で

直接的・間接的に水を使っています。

ですから、それぞれのテーブルの書き方、意見もそれぞれ違ってきます。

そんな多種多様な意見を全員で共有するのが、橋本先生のねらいなのでした。

 

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 「生活排水を減らすために、食器は汚れをふきとってから洗おう。」、「夏の冷房を減らそう。」

という意見を出す班から、

「ダムをやめよう。原発もやめたら冷却水を使わなくてすむ。」との意見まで、

本当に多種多様。

「農業用水で環境を汚さないために、農薬の軽減や、牛や豚のの糞尿を肥料にするなど

循環型農業をめざそう。」という意見もあがっていました。

 

橋本先生からは、水のスマートユースを実践するための考え方を話していただきました。

1.使う水の量を減らす

   ・・・節水型トイレ、節水型農業、食べ残しを減らす。

2.いままで使っていなかった水を使う

    ・・・雨水を、農業や生活用水に活用。

3.水をあまり汚さない

    ・・・お皿の汚れはふき取ってから洗う、食べ残しを減らす。

4.水循環への介在を減らす

    ・・・水源の森を守る、透水性舗装の道路を増やす。

この4つの考え方から今すぐにでも家庭で実践できることはたくさんあるでしょう。

ちなみに我が家では子どものビニールプールで使った水をトイレの流し水に使っています。

 

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最後に、授業のまとめとして、

「水と食べ物とエネルギーは一緒に考える必要があります。」と

橋本先生は話しました。

この3つのバランスがみだれると水循環がくずれるそうです。

食べ物を作るためにはたくさんの水とそれを運ぶためのエネルギーが必要です。

きれいな水を作るためには下水処理などでエネルギーが必要です。

また、高エネルギーは地球温暖化をもたらし、水循環に大きな影響をもたらします。

安全な水を次世代に残すためには、エネルギーの少ない方法を選択することが、

水の循環を守ることにつながるのです。

 

環境問題は知るだけでなく、日々の生活の中で実践してこそ。

楽しく学んだことを活かして、日々の暮らしにどう役立てるかは参加者ひとりひとりへの

夏休みの宿題となりました。

 

大地を守る会 交流局 大北雄二

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