2011年5月アーカイブ
2011年5月30日
【復興支援】「食べものつなげるプロジェクト」第4回報告
5月7日(土)よりスタートした新鮮な季節の野菜など加工食品を
避難所に継続的に届ける「食べものつなげるプロジェクト」、
第4回5月28日のご報告です。
大地を守る会でもこういった支援は初めてのことで、
毎回慌ただしく食材をお送りしていたのですが、
ようやく送る食材を事前にお知らせできるようになりました。
さっそく石巻市からは、メニューが作りやすくなった!と
感想が届きましたよ。
さて、どんなメニューになっているのでしょうね。
第4回「食べものつなげるプロジェクト」
▼5月28日(土)石巻市へお届けの商品
大根20本、玉ねぎ20kg、にんじん20kg、キャベツ52個、ほうれん草40束、
しいたけ20パック、野菜ジュース6箱、かぶ20束、小松菜40束、長ねぎ20束、
サニーレタス10個、水菜15束、まいたけ35個、ハム・ソーセージ61パック、
納豆・豆腐などの大豆製品89個、ジュース6箱、こんにゃく20パック、
トマトケチャップ10個、パイナップル10個、ちくわなど練り物82パック、など
▼5月28日(土)大槌町へお届けの商品
バナナ200㎏、ハム・ソーセージ66パック、ヨーグルト224パック、
納豆・豆腐などの大豆製品83個、ジュース6箱、コーン缶詰2箱、キムチ22個、
ちくわ100パック、こんにゃく100パック
大地を守る会 宇田川
【復興支援】「大地と海の復興プロジェクト」活動報告 重茂漁協(岩手県宮古市)に船を届けてきました!
大地を守る会は、震災復興支援のひとつとして、
生産者が被災生産者を助ける「大地と海の復興プロジェクト」に取り組んでいます。このプロジェクトで使っていない船の提供を呼びかけたところ、
シラスでおなじみ岩崎晃次さんが2隻の船と、
船外機(エンジン)を提供してくださいました。
●岩崎さんが提供してくださった船2隻
5月3日8時に、船を運搬車につみこみ、重茂漁協より頼まれた発電機2台、
ヘドロを掃除する高圧洗浄機などといっしょに
神奈川県佐島漁港から一路岩手県宮古市へ。
ところが東北自動車道が大大大渋滞! 到着したのは夜中の23時でした。
翌4日、現地合流した大地を守る会社長・藤田とともに
重茂漁協の後川(うしろがわ)良二販売課長に船を引き渡し。
震災で橋が落ち、陸の孤島となった重茂地区ですが、
三陸の中でもいち早く復興への取り組みを始めています。
国や県の対応を待っていられないと、組合長が銀行から17億円の借入をしたとか。
重茂漁協では870隻の船のうち残った船は14隻。
つてを頼るなどなんとか手当てできた船が約150隻。
600名いる漁師4人に1隻の割合です。船も資源(ワカメ)もすべてを共有し、
当面は協業化で乗り切るとということです。
「5月末には天然ワカメの刈り取りを始めるよ!
養殖ワカメは色々なところへ出荷しているが天然ワカメは
大地を守る会だけに出しますよ!」と後川さん。
そして感激された後川さん、いきなり泡盛を!
「いやぁ、震災後はやっぱり酒も飲めなかったんだよね!
今日は大地を守る会さんが来てくれたからやっと花見酒がやれますよ!」
やっぱり被災地ではどこも自粛自粛なんですね。
そして、残った冷凍庫に10コずつあったという貝盛りのウニとアワビを大盤振る舞い。
「生のアワビはもっとうまいからその時にもまた来てくださいね!」
最後に藤田社長から大地を守る震災復興支援基金を手渡して重茂を後にしました。
後日、関係者の方から「先日重茂を訪ねたら、大地を守る会さんが船を持ってきてくれたと
嬉しそうに何度も何度も聞かされました」と教えてもらいました。
本当に喜んでいただけたようです。
大地を守る会のみなさまのお気持ちは確実に生産者に伝わっています。
今後とも被災生産者へのご支援をどうぞよろしくお願いいいたします!
●写真左が岩崎さん(神奈川県佐島漁業)、右が後川さん(岩手県重茂漁業)
畜産水産グループ長 吉田和生
2011年5月25日
「本当の豊かさ」について説くドキュメンタリー映画「幸せの経済学」絶賛公開中
大地を守る会よりおすすめの映画
人の自然とのつながりを取り戻す暮らし方を探るドキュメンタリー
映画「幸せの経済学」を紹介します。
監督:ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(「ラダック懐かしい未来」著者)
スティーブン・ゴーリック、ジョンページ
出演:ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、ヴァンダナ・シヴァ、辻信一
<公開情報>
■劇場:渋谷アップリンク
■公開日:5月21日(土)~6月10日(金)
連日12:45~ロードショー
2011年5月20日
鎌倉にて 手仕事ものがたりイベントを開催しました
3月11日の東日本大震災後、余震や計画停電等の影響により、
大地を守る会の多くのイベントが中止となりました。
そのなかで、『NEWS大地を守る』3月号特集「日本の手仕事文化を見直そう」で
登場していただいたもやい工芸・久野恵一さんにお話いただく
イベント「手仕事ものがたり」は予定どおり、
4月28日に開催することになりました。
ゴールデンウィーク直前のイベント当日はからりと晴れたとても気持ちのよいお天気でした。
もやい工芸のお店は鎌倉駅から徒歩10分ほど。
お店までの道は鎌倉の美しい街並みを歩きます。
緑はいきいきとし、心に迫るものがありました。
もやい工芸のたたずまいです。情緒あふれます。
こちらがもやい工芸のお店。
店内で行われたイベントのようすです。
たくさんの手仕事の作品に囲まれて、出席したみなさんは、
久野さんのお話に耳をかたむけていらっしゃいました。
講師のもやい工芸店主・久野恵一さん。
日本の地域的な人々の気質をベースに物づくりの状況やあるべき姿を
独特の視点で解説してくださいました。
久野さんの「手仕事」の定義はあたたかみがあって、庶民に手が届くもの。
「使う」ことを念頭に置いて作られた品々です。
現代日本の手仕事は危機的状況にあります。
安価な工業製品が出回り、大量消費されるようになった現代において、
手間とコストがかかる手仕事の需要は減り、手仕事の後継者不足が問題です。
久野さんは、日々の生活のなかで手仕事製品を使う人たちが増え、
そのことが職人たちを支え、手仕事文化が活性するのだと教えてくださいました。
日本の自然や生活と結びついてきた手仕事のぬくもりを
日々の生活で使うことが毎日の私たちの幸せにつながり、
そのことは日本社会の豊さにつながることを実感した
久野さんのお話でした。
注文書№126と同時配布(6月6日~10日)の『雑貨ツチオーネ』2ページで
もやい工芸の商品(沖縄ガラスと蚊取り線香入れ)をご紹介する予定です。
そちらもぜひご覧ください。
2011年5月19日
【復興支援】「食べものつなげるプロジェクト」第2、3回報告
5月7日(土)よりスタートした新鮮な季節の野菜など加工食品を避難所に継続的に届ける
「食べものつなげるプロジェクト」の先週と今週(予定)のご報告です。
石巻市は5月7日、14日はクール便をお届けできなかったのですが、
5月21日にはクール便が復活し、豆腐やお子さんに人気のウィンナーなども
お届けできることになりました。
大槌町へは支援基地の遠野市を経由してお届けしましたが、5月14日からは
直接大槌町までお届けできました。
着実に復旧していることがわかりますね!
また大槌町へは食材だけではなく、ご希望があったシャンプーとリンス、
ボディソープをお届けしました。
お届けしたのは大地を守る会で扱っている「石けん」シリーズ。
初めて使う方もいるかもしれませんが、大槌町は海の近く。
海を大切にする方が多いと思い、自然の中でも分解されやすい石けんシリーズを
思いをこめて送らせてもらいました。
そして、5月21日からは以前からおつきあいのある「NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク」を
通して、被災地のアトピー・アレルギー性疾患をもつ患者とその家族の支援も始めました。
それと、先日遠野市から食材提供へのお礼状が届きました!
少しでも復興に向けたお手伝いができて、とてもうれしくなりました。
みなさんから寄付をいただきました「大地を守る震災復興支援基金」は
被災地へ着実に届いていますので、どうそ今後もご協力よろしくお願いいたします。
第2回「食べものつなげるプロジェクト」
▼5月14日(土)石巻市へお届けした商品
ごぼう10㎏、大根50本、玉ねぎ50㎏、にんじん50kg、キャベツ88個、長ネギ5kg、
ほうれん草50束、きゅうり70kg、トマト32kg、きのこ90パック、いんげん2kg、
竹の子の水煮11kg、野菜ジュース10箱、めんつゆ10本
▼5月14日(土)大槌町へお届けした商品
ハム・ソーセージ190パック、ヨーグルト195パック、納豆127パック、豆腐・油揚げなどの
大豆製品125個、卵40パック、おそうざい216個、キウイフルーツ10㎏、野菜ジュース10箱、
コーン缶詰2箱、ジャム・マーガリン80個、石けんシャンプー600本、
石けんリンス600本、石けんボディソープ1500本など
第3回「食べものつなげるプロジェクト」
▼5月21日(土)石巻市へお届け予定の商品
ごぼう10kg、じゃがいも50kg、大根40本、玉ねぎ50kg、にんじん50kg、キャベツ50個、
ほうれん草50束、しいたけ20パック、野菜ジュース10箱、タケノコ水煮1箱など
▼5月21日(土)大槌町へお届け予定の商品
ハム・ソーセージ80パック、ヨーグルト200パック、納豆70パック、豆腐・油揚げなどの
大豆製品28個、キウイフルーツ10kg、野菜ジュース10箱、梅干し32パック、コーン缶詰2箱など
▼5月21日(土)「NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク」を通じてお届け予定の商品
被災地のアトピー・アレルギー性疾患をもつ患者とその家族、30世帯分:
柑橘類30kg、りんごジュース6箱、野菜ジュース6箱、梅干し32パック、コーン缶詰2箱
石巻市での炊き出しの様子(5/24更新)
大地を守る会の野菜をふんだんに使った豚汁
大地を守る会 宇田川千夏
2011年5月17日
5/14,15蒲田行進曲フェスタに参加しました。
5月14日(土)、15日(日)に、JR蒲田駅西口で行われた蒲田行進曲フェスタに参加しました。
蒲田行進曲フェスタは、蒲田駅創業100周年を記念して始まったイベントで、
本年は東日本大震災チャリティとして実施。
「絆」をテーマに震災復興の募金活動、震災復興を呼び掛ける音楽ステージなど活気のあるイベントとなりました。
実は、このイベント、蒲田西口駅前商店街及び地元のケーブルテレビJCN(ジャパンケーブルネット)さんから直々にお誘いがあったこともあり参加を決定しました。
蒲田のある大田区では被災者受け入れなども積極的に進めています。
その大田区から、蒲田行進曲フェスタのような多くの人を集めるイベントをやるからには、被災地の復興に少しでも役立てば、また、東北の応援をしたい、被災地の方に直接アピールしてほしい、と強いお誘いを受けて、大地を守る会にお声がかかりました。
福島わかば会のある福島市周辺でも風評被害のあおりを受け、販売には苦労しています。
これからはトマト、きゅうりの夏野菜の季節。育っていく野菜は、もちろん安全性を担保した上で、誰かが食べなければ、計画そのものが狂ってしまいます。
大地を守る会では「福島と北関東の農家がんばろうセット」でも
北関東・福島の野菜を積極的に販売していますが、育っていく野菜を全て吸収できるほどの需要はありません。
という訳で、福島わかば会の方を直接呼んで元気づけようと応援を決めました。
当日は、福島わかば会の生産者、丹治さん、芳賀さん、佐藤さん、降矢さんに駆けつけていただき、
トマト、きゅうり、ニラ、根ミツバを販売。なんと土曜日の朝4時に福島を発って、蒲田に到着。
土日と東京の地で、直接店頭に立っていただき、野菜を販売しました。
福島出身なのよ頑張ってねという方、福島から避難しています、という方、蒲田のみなさんはとても好意的でした。
意外なのは、放射能のこと、もっと気にしている方が多いのではないかと思うのですが、それほどないのです。このあたりはイベントに出て対面で話してみないと実感としてわきません。
大地を守る会は自主測定をはじめていて、今日販売している野菜も自主測定済みです!と言葉を用意していたのですが。
しかしなにより、試食で出したトマトときゅうりのおいしさに、「懐かしいわこのトマト、ちゃんとトマトの味がする」、野菜そのものに対する言葉が一番わかば会の方々の心に届いたのではないかと思います。わかば会の方も、野菜が売れたことよりも東京の一般の消費者と話せたことが一番の収穫と仰っていました。
2日間で、トマト900個、きゅうり500本、にら250束、根みつば120束を売り切りました。
わかば会のみなさん本当にありがとうございました。また、蒲田のみなさん応援していただき、誠にありがとうございました。こういった試みが、少しでも震災復興に役立てばと思います。これで終わりではないので、永続的に続きますように応援よろしくお願いいたします
東京新聞に掲載された丹治さんの記事「野菜買って応援」を掲げておきました。
「丹治さん実物の方がいいね!」という声もたくさん。
JCNの取材を受ける丹治さん。
蒲田行進曲フェスタの模様は、6月5日(日)19:30~JCN太田11chで
特別番組として放送されます。
シャイな降矢さんも誠実に取材を受けていただきました。
ステージで被害状況と支援を訴える丹治さん。
東北・北関東の生産者と一緒に。
やはり対面販売はいいですね。直接応援してほしい。
JCNマスコット、トンジロウもおいしそうにトマトを食べる。
地元密着のイベントでした。
大地を守る会 竹沢哲也
2011年5月11日
5/8 首相官邸にて「ネットで復興」懇談会に参加しました
5月8日(日)、首相官邸で行なわれた「ネットで復興」懇談会によばれて、また同時に、物を買うということだけではなくて、被災地の皆さんの声が
【復興支援】新鮮な季節の野菜を避難所へ継続的に届ける「食べものつなげるプロジェクト」をスタート!
2011年5月10日
5/10 NHKラジオ第1「ラジオビタミン」に代表の藤田が生出演しました
5月12日(木)14:20~14:30
2011年5月 9日
5/11・12 TOKYO FM「シナプス」あぐりずむにて代表の藤田がラジオ出演
■日時(TOKYO FMでの放送)
5/11(水)14:20~14:30
5/12(木)14:20~14:30
▼「シナプス」はFM北海道、FM青森、FM福島、FM三重、FM高知など
全国38局ネットで放送します。
各局で放送時間が異なりますので、詳細は以下をご覧ください。
http://www.tfm.co.jp/agri/index.php?catid=697
2011年5月 6日
5/10 NHKラジオ第1「ラジオビタミン」のコーナー「ときめきインタビュー」にて代表の藤田がラジオ生出演
2011年5月 2日
【復興支援】タイム(陸前高田)、村田漁業(気仙沼)被災生産地レポート
1.一路陸前高田へ
東京神田の登喜家さんの会社より、総合農舎山形村の牛丼・米等を積み込み陸前高田へ向け出発。
2.タイム新工場は・・・
一ノ関から約1時間ほどの処にある新工場へ着き、タイム佐々木工場長と合流する。
3.タイム(ツナ缶工場)へ出発
昨年11月缶詰のシーラー購入し、その後2度しか製造していないツナ缶の工場へ向かう。
ちなみに佐々木工場長は・・・
陸前高田の市街地に行くための橋は落ち、市街地には行けなかった。
津波の破壊力のすごさを実感。
3.気仙沼へ
本日の宿泊場所として確保した気仙沼の水産物加工もしている阿部長さんが経営する
4月15日(金)
4.村田漁業へ
村田漁業の本社ビルは港のそばの3階建てのビルであり、おそらく津波をまともにかぶっただろう。
★写真の左手は港
現在の加工場修復については、砂かきが終わり、機械類も重機で運び出し、
★村田漁業佐々木工場長です。加工場修復の指揮をしています。
村田漁業さんの道路も2~3日前まではがれきの山で、昨日から通れるようになったとの事。
物資支援ありがとうございますと皆さんにお伝え下さいと
その場面・場面でどのような応援が出来るのか考えさせられました。
2011年5月 1日
NEWS 大地を守る2011年5月号
大地を守る会生産者の被災状況報告
3月11日(金曜日)14時46分、太平洋三陸沖を震源として発生したマグニチュード9・0という、歴史上まれにみる大地震により、大地を守る会の提携生産者も被害を受けました。各生産者から確認した被災状況と、4月15日現在の情況をご報告いたします。
(株)岩泉産業開発(岩手県岩泉町)
龍泉洞の水2L・三陸産根昆布佃煮(ふきのとう入り)・根昆布佃煮(松茸入り)・根昆布佃煮(舞茸入り)
■幸い会社・龍泉洞の水充填工場ともに大きな被害はありませんでした。職員も全員無事です。
ただ、岩泉町も沿岸部は被害が甚大で家を失った職員も数名おります。
震災前の水の在庫は一部救援物資として使用し、またペットボトル等の資材や工場を稼働させる重油の供給が間に合わず、現在も水の製造が需要に追いつかない為しばらくは十分な商品供給が難しい状況となります。
商品を安定供給出来るよう職員一同頑張ってます。
稲田稲作研究会(福島県須賀川市)
■過去に経験したことのない震度6強という地震に見舞われ、事務所や精米工場が損壊。各所で家屋の倒壊や地割れが起きライフラインが寸断されました。それでも不眠不休の努力で精米ラインを約1週間で復旧させ、「大地を守る会の備蓄米」再開を果たしました。農業用ダムの決壊や水路の破損もあり、今年の米の作付に大きな不安を残すなか、稲田稲作研究会では、消費者のために今年も「作る責任を果たそう」「勇気を持って前に進もう」と全員で励まし合っています。
福島有機倶楽部(福島県いわき市ほか)スナックえんどう・そら豆・パプリカ・春菊など
■幸い人的被害はありませんでしたが、いわき市の小林勝弥さん(写真右)の畑が、一部津波の被害に遭いました。原発事故による屋内待避地域にあたる田村市の三田起史雄さんは三春町の避難所へ、同じく避内地域にあたる双葉町の鶴見博さん(写真中央)は、現在、千葉県で新たな畑を探しています。また、いわき市の阿部拓さん(写真左)は、今後の農業経営に不安を感じながら、被害に遭わなかった畑の手入れを続けています。
重茂漁業協同組合(岩手県宮古市)重茂産きざみめかぶ、天然カットわかめなど
■ 780 隻あった漁船のうち、残ったのはわずか14隻。いまだ漁師を始め50人の行方がわかっていません。被災された方々は今も4カ所の避難所での生活を余儀なくされています。現在、ようやく海の捜索が始まろうとしています。5月中には何とか天然ワカメ漁を再開したいとは思っていますが、海面には油が漂い、中は20センチメートル先も見えない視界の悪さ。今はとにかく漁に出るための船がほしいそうです。
マミヤプラン(宮城県塩釜市)真サバ(金華サバ)酒汐干し、本つぼ鯛一夜干し、カサゴ開きなど
■マツモト、間宮商店、明興水産の商品の、流通の手伝いをしている会社です。それぞれの加工場は水産加工団地にありますが、幸いにもこの加工団地は津波の被害を逃れることができました。しかし、ライフラインが止まってしまったために加工場を稼働させることはできず、原料の魚も石巻や気仙沼の倉庫に保管してあったため、津波で多くが流されまし
た。現在、ライフラインは復旧していますが、強い余震の影響で再度止まったりしています。とはいえ、5月から商品を再開できる見込みです。
遠藤蒲鉾店(宮城県塩釜市)さつま揚げなどの練り製品
■地割れや天井の一部が落下するなど、今まで経験したことのない大きな揺れでした。会社が海に近いため津波が来ると思い、従業員はすぐに帰宅させ、私たちも高台にある自宅へと急ぎました。
自宅に着くと同時に大津波が。
津波は会社の裏まで来ていましたが、幸いにも工場内部には入ってきませんでした。会社も自宅も余震で亀裂がひどく大変ですが、家族全員が生き残ったことがなによりです。力を合わせ頑張りたいと思います。
奥松島水産振興会(宮城県東松島市)牡蠣
■一度は津波にのまれながらも、なんとか命からがら避難した二宮さん。現在は家族5人、アパートに部屋を借りて生活しています。息子さんが自宅近くで復旧作業をしていたところ、漁船が1隻見つかったそうです。修理すれば何とか使えるとのこと。
髙橋徳治商店(宮城県石巻市)石巻産丸のまま真いわし、ソフトはんぺん、カキフライなど
■工場があったあたりでは津波と一緒に押し寄せた大量の土砂の片づけが終わり、これから重機が入ってきます。現在、以前使用してていた機械を掘り起こしては真水で洗う作業を続けています。工場の再建については、震災で地盤が変わってしまっているため、1度調査しないと建てられるかどうかがわかりません。でも、社長は再建に向けて、前向きです。
特定非営利活動法人 麦の会(宮城県仙台市宮城野区)焼き菓子(クッキー)
■突然の大きな揺れ。中々収まらず、本当に長かったんです。みんなその場から動けませんでした。いろいろなものが落ち、棚そのものも倒れました。重量のあるオーブンも位置がずれてしまいました。幸い建物は、外側のタイルがはがれた程度ですみ、けがをした人もいませんでした。
現在は、ライフラインも復旧し、少しずつクッキーも焼き始めています。4月1日からは、自宅待機になっていた障害メンバーも復帰し、久しぶりに、にぎやかなコッペが戻ってきました。多くの皆さんの支えをよりどころに、復興へ向け歩んでいきたいと思っています。
NEWS 大地を守る2011年5月号
被災された皆様やご家族の方々に心からお見舞い申し上げます
このたびの東日本大震災では、多くの尊い命が失われました。ここに深く哀悼の意を表します。
また、被災された皆様やご家族の方々に心からお見舞い申し上げます。
今回の大震災では大地を守る会の生産者や加工品メーカーにも甚大な被害が出ました。
残念なことに生産者の方がお一人亡くなられました。
家や工場が壊れたり、畑や田んぼが流されたりした方々もおられました。
しかし、震災直後から大地を守る会には多くの方々から被災された生産者を心配する声や、
お見舞い、励ましの言葉が続々と寄せらています。義援金や救援物資の提供も後を経ちません。
消費者の皆様の温かいお気持ちに、心から感謝の気持ちを申し上げます。
福島第一原子力発電の事故は、その規模、被害の大きさにおいて
私たちの想像をはるかに越えるものでした。
なぜ人類は自ら制御もできない原発という化け物のようなものを作ってしまったのでしょう。
もう少し早く原発を止めておければ、と悔やまれます。
放射能の汚染はまだ続いており、私たちの不安は解消されていません。
しかし、私たちは生きていかなければなりません。
子や孫の時代に飢えることのないよう、
この日本という国に農業を残しておいてあげなければならないのです。
被災された方々も、大地を守る会の生産者たちも徐々に復興に向かって歩みを始めています。
大地を守る会の役割は、再起を目指す生産者を支援し、
その農作物を消費者のもとに届けることです。
今こそ大地を守る会らしい生産者と消費者の「信頼」を形にするときです。
どうか皆様のお力をお貸しください。
株式会社大地を守る会
代表取締役社長 藤田和芳