2011年5月 1日アーカイブ

2011年5月 1日

NEWS 大地を守る2011年5月号
大地を守る会生産者の被災状況報告

 3月11日(金曜日)14時46分、太平洋三陸沖を震源として発生したマグニチュード9・0という、歴史上まれにみる大地震により、大地を守る会の提携生産者も被害を受けました。
各生産者から確認した被災状況と、4月15日現在の情況をご報告いたします。

(株)岩泉産業開発(岩手県岩泉町)
龍泉洞の水2L・三陸産根昆布佃煮(ふきのとう入り)・根昆布佃煮(松茸入り)・根昆布佃煮(舞茸入り)
■幸い会社・龍泉洞の水充填工場ともに大きな被害はありませんでした。職員も全員無事です。
ただ、岩泉町も沿岸部は被害が甚大で家を失った職員も数名おります。
震災前の水の在庫は一部救援物資として使用し、またペットボトル等の資材や工場を稼働させる重油の供給が間に合わず、現在も水の製造が需要に追いつかない為しばらくは十分な商品供給が難しい状況となります。
商品を安定供給出来るよう職員一同頑張ってます。
新谷利光(営業一課・課長)

稲田稲作研究会(福島県須賀川市)

過去に経験したことのない震度6強という地震に見舞われ、事務所や精米工場が損壊。各所で家屋の倒壊や地割れが起きライフラインが寸断されました。それでも不眠不休の努力で精米ラインを約1週間で復旧させ、「大地を守る会の備蓄米」再開を果たしました。農業用ダムの決壊や水路の破損もあり、今年の米の作付に大きな不安を残すなか、稲田稲作研究会では、消費者のために今年も「作る責任を果たそう」「勇気を持って前に進もう」と全員で励まし合っています。
戎谷徹也(農産グループ)

福島有機倶楽部(福島県いわき市ほか)スナックえんどう・そら豆・パプリカ・春菊など
幸い人的被害はありませんでしたが、いわき市の小林勝弥さん(写真右)の畑が、一部津波の被害に遭いました。原発事故による屋内待避地域にあたる田村市の三田起史雄さんは三春町の避難所へ、同じく避内地域にあたる双葉町の鶴見博さん(写真中央)は、現在、千葉県で新たな畑を探しています。また、いわき市の阿部拓さん(写真左)は、今後の農業経営に不安を感じながら、被害に遭わなかった畑の手入れを続けています。
佐々木克哉(農産チーム)

重茂漁業協同組合(岩手県宮古市)重茂産きざみめかぶ、天然カットわかめなど
780 隻あった漁船のうち、残ったのはわずか14隻。いまだ漁師を始め50人の行方がわかっていません。被災された方々は今も4カ所の避難所での生活を余儀なくされています。現在、ようやく海の捜索が始まろうとしています。5月中には何とか天然ワカメ漁を再開したいとは思っていますが、海面には油が漂い、中は20センチメートル先も見えない視界の悪さ。今はとにかく漁に出るための船がほしいそうです。
浅海博志(水産チーム)

マミヤプラン(宮城県塩釜市)真サバ(金華サバ)酒汐干し、本つぼ鯛一夜干し、カサゴ開きなど
マツモト、間宮商店、明興水産の商品の、流通の手伝いをしている会社です。それぞれの加工場は水産加工団地にありますが、幸いにもこの加工団地は津波の被害を逃れることができました。しかし、ライフラインが止まってしまったために加工場を稼働させることはできず、原料の魚も石巻や気仙沼の倉庫に保管してあったため、津波で多くが流されまし
た。現在、ライフラインは復旧していますが、強い余震の影響で再度止まったりしています。とはいえ、5月から商品を再開できる見込みです。
浅海博志(水産チーム)

遠藤蒲鉾店(宮城県塩釜市)さつま揚げなどの練り製品
地割れや天井の一部が落下するなど、今まで経験したことのない大きな揺れでした。会社が海に近いため津波が来ると思い、従業員はすぐに帰宅させ、私たちも高台にある自宅へと急ぎました。
自宅に着くと同時に大津波が。
津波は会社の裏まで来ていましたが、幸いにも工場内部には入ってきませんでした。会社も自宅も余震で亀裂がひどく大変ですが、家族全員が生き残ったことがなによりです。力を合わせ頑張りたいと思います。

遠藤蒲鉾店・遠藤由美

奥松島水産振興会(宮城県東松島市)牡蠣
一度は津波にのまれながらも、なんとか命からがら避難した二宮さん。現在は家族5人、アパートに部屋を借りて生活しています。息子さんが自宅近くで復旧作業をしていたところ、漁船が1隻見つかったそうです。修理すれば何とか使えるとのこと。
浅海博志(水産チーム)

髙橋徳治商店(宮城県石巻市)石巻産丸のまま真いわし、ソフトはんぺん、カキフライなど
工場があったあたりでは津波と一緒に押し寄せた大量の土砂の片づけが終わり、これから重機が入ってきます。現在、以前使用してていた機械を掘り起こしては真水で洗う作業を続けています。工場の再建については、震災で地盤が変わってしまっているため、1度調査しないと建てられるかどうかがわかりません。でも、社長は再建に向けて、前向きです。
浅海博志(水産チーム)

特定非営利活動法人 麦の会(宮城県仙台市宮城野区)焼き菓子(クッキー)
■突然の大きな揺れ。中々収まらず、本当に長かったんです。みんなその場から動けませんでした。いろいろなものが落ち、棚そのものも倒れました。重量のあるオーブンも位置がずれてしまいました。幸い建物は、外側のタイルがはがれた程度ですみ、けがをした人もいませんでした。
現在は、ライフラインも復旧し、少しずつクッキーも焼き始めています。4月1日からは、自宅待機になっていた障害メンバーも復帰し、久しぶりに、にぎやかなコッペが戻ってきました。多くの皆さんの支えをよりどころに、復興へ向け歩んでいきたいと思っています。
飯嶋 茂(代表理事)


NEWS 大地を守る2011年5月号
被災された皆様やご家族の方々に心からお見舞い申し上げます

このたびの東日本大震災では、多くの尊い命が失われました。
ここに深く哀悼の意を表します。

また、被災された皆様やご家族の方々に心からお見舞い申し上げます。

今回の大震災では大地を守る会の生産者や加工品メーカーにも甚大な被害が出ました。
残念なことに生産者の方がお一人亡くなられました。
家や工場が壊れたり、畑や田んぼが流されたりした方々もおられました。
しかし、震災直後から大地を守る会には多くの方々から被災された生産者を心配する声や、
お見舞い、励ましの言葉が続々と寄せらています。義援金や救援物資の提供も後を経ちません。
消費者の皆様の温かいお気持ちに、心から感謝の気持ちを申し上げます。

福島第一原子力発電の事故は、その規模、被害の大きさにおいて
私たちの想像をはるかに越えるものでした。
なぜ人類は自ら制御もできない原発という化け物のようなものを作ってしまったのでしょう。
もう少し早く原発を止めておければ、と悔やまれます。
放射能の汚染はまだ続いており、私たちの不安は解消されていません。

しかし、私たちは生きていかなければなりません。
子や孫の時代に飢えることのないよう、
この日本という国に農業を残しておいてあげなければならないのです。
被災された方々も、大地を守る会の生産者たちも徐々に復興に向かって歩みを始めています。

大地を守る会の役割は、再起を目指す生産者を支援し、
その農作物を消費者のもとに届けることです。
今こそ大地を守る会らしい生産者と消費者の「信頼」を形にするときです。
どうか皆様のお力をお貸しください。

株式会社大地を守る会
代表取締役社長 藤田和芳

大地を守る会の震災復興支援

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