2011年5月 2日

【復興支援】タイム(陸前高田)、村田漁業(気仙沼)被災生産地レポート

「大地を守る震災復興支援基金」の募集状況をお知らせします。

ご協力いただいた金額は・・・

79,905,500円(4月28日現在)

ご協力いただきましたみなさまどうもありがとうございます。

義援金は、大地を守る会の被災生産者の復興支援金などに使用させていただきます。
義援金の金額報告は、大地を守る会のHPにアップしていますのでご覧ください。

引き続き、大地を守る震災復興支援基金にご協力よろしくお願いします。

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畜産水産グループの浅海より、ツナ缶のタイム(陸前高田)、まぐろなどの村田漁業(気仙沼)の
被災地レポートを報告します。

のブログの写真の右から2番目の男性です。

大地を守る会 齋藤史恵
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畜産水産グループ 浅海博志

4月14日(木)

1.一路陸前高田へ
東京神田の登喜家さんの会社より、総合農舎山形村の牛丼・米等を積み込み陸前高田へ向け出発。
先週に引き続き、東北道を一ノ関目指しひた走る。
福島あたりで、携帯の緊急地震速報が鳴りだし、ドキッとするが、特に大した事もなく、走り続ける。
余震のせいか、高速の道が、先週に比べもっと悪くなっている。
さすがの登喜家さんも車が悪くなる事を恐れ、スピードダウンする。
前のバス・トラックが道のでこぼこで大きくバウンドしている。
先週はタンクローリーが多かったが、輸送トラックが多いのが印象的であった。
一ノ関は停電の影響のみで、町は特に被害なし。
ちなみに一ノ関のホテルは報道関係者ですべて満室になっているとの事。

2.タイム新工場は・・・
一ノ関から約1時間ほどの処にある新工場へ着き、タイム佐々木工場長と合流する。

タイム新工場2_convert_20110426110457.jpg
★タイム新工場

3.タイム(ツナ缶工場)へ出発
昨年11月缶詰のシーラー購入し、その後2度しか製造していないツナ缶の工場へ向かう。

ちなみに佐々木工場長は・・・
震災の日に従業員を高台に送った後、
自分の車をとるために加工場へ走り戻る。ふと、バックミラーを見ると津波が・・・。
あわてて、車を走らせ、高台に逃げ込み難を逃れた。
後日、従業員招集したが、3名が行方不明で、居場所が分からないとのこと。 

▼下記3枚は津波当日の津波の状況

陸前高田津波1_convert_20110426112406.jpg

陸前高田津波2_convert_20110426112527.jpg

陸前高田津波5_convert_20110426115450.jpg

陸前高田大手企業独自で重機調達2_convert_20110426112319.jpg
★震災後4/14当日同じ工場を撮影しました。



陸前高田タイム加工場1_convert_20110426112108.jpg
★すべてが、流されており、家が建っていたのかもともと何があったのか分からない状況である。
タイム工場は加工場はつぶされ、ボイラーが下敷きでどのような状況かつかめない。



陸前高田タイム2_convert_20110426111412.jpg
★別棟1階加工場は大破しているが、2階包装室は難をのがれた。

陸前高田タイム2Fラベル加工室内4_convert_20110426111530.jpg
★2階包装室内部

陸前高田の市街地に行くための橋は落ち、市街地には行けなかった。
陸前高田の復興のシンボル一本松のみが目立つ。(一本松の向こうに市街地)

陸前高田復興のシンボル一本松6_convert_20110426112734.jpg

ちなみに陸前高田にも防潮堤があったが、防潮堤の扉が津波でなくなってしまっている。
津波の破壊力のすごさを実感。

陸前高田港の防潮堤1_convert_20110426112217.jpg

陸前高田については、ほぼ壊滅的な被害がある。
現在復旧作業も進んでおらず。がれきについてもどのように処理するのか等指示は
全くないままの状態との事。タイムについては新工場での復活を5月目処に進めている。
現状では加工場の片づけから始まり、既存の機械類の整備点検を始める。
缶詰を加工するとなると、シーラーの機械導入・地下水をくみ上げる機械設備などの
新しく設備投入をしなければならない。
しかし「前向きに、加工場再建に取り組み少しでも早い復興を目指したい」と鄭社長。
ちなみにタイムではすべての従業員は一旦すべて解雇している。
 
3.気仙沼へ
本日の宿泊場所として確保した気仙沼の水産物加工もしている阿部長さんが経営する
気仙沼のホテル「サンマリンホテル観洋」に向け出発。
陸前高田から、気仙沼に向かう道については特に被害もなく順調に進むが、
気仙沼に入った途端景色が一変する。がれきの山・つぶれた家・船が陸地に・・・・
ニュース等見て知ってはいたが、いざ現地に入ってみると見るも無残な風景が広がる。
舗装された道路は途中までで、港に近い道路はすべて砂利道。
しかも重油の匂いが鼻につき、そういえば気仙沼は火事があった事を思い出させる。

気仙沼3_convert_20110426110529.jpg

気仙沼11_convert_20110426110735.jpg

ホテル到着後、阿部長さんに支援物資を渡し、話を伺う。
阿部長さんは気仙沼にホテル3軒・気仙沼に加工場を2件・大船渡に新規加工場を
1件持ち従業員800人を抱えている会社である。
従業員はすべて解雇せず、現在もホテルに避難した人たちが居たり・支援物資を配ったりしている。
気仙沼市は未だ水道・電気・ガスのライフラインも復旧しておらず。
ホテルも自家発電で、朝4時~夜10時まで動かしているとの事。
また、阿部社長も自宅が流されなくなったため、ホテルに滞在しているとの事。
気仙沼の工場は被害を受けているが、大船渡の加工場については
被害が比較的少なかったために、この工場をまず復旧させるよう動いている。
この工場が、稼働すれば、サンマ船3~4隻すべての水揚げを購入する事は可能だという事で、
海(漁師)の復興も視野に入れ、復旧に向け動いている。
阿部長さんでも5名が行方不明になっているとの事。気仙沼市の復興については、
現在、国有地化という話があがっているとの事。
個人レベルでは復旧する事は難しいため、
国有地にして、区画整理それから払い下げするということで、
1日でも早い復興を目指したいとの事(陸前高田も同じようになる野のではないかと)。
多少反対する人はいるだろうが、そこは無視しなければ復旧出来ないと考えているとの事。
また、陸には100tクラスの船が40隻以上あり、3000tのクレーン船で使える船は海に戻すとのこと。
また、阿部長でも独自に重機を入れ、片づけに入っているとの事。
 
4月15日(金)
4.村田漁業へ
村田漁業の本社ビルは港のそばの3階建てのビルであり、おそらく津波をまともにかぶっただろう。

気仙沼村田漁業事務所・自宅_convert_20110426111336.jpg
★写真の左手は港

会長は、震災当日は病院に行っており、地震が起きてすぐ事務所へ引き返した。
スイスイと走れてあっという間に事務所に着いた。(山側から港へ向かって走っていた)。
今から考えると、本当は山の方へ逃げるのが普通なのに、
車がすいているのも不思議に思わず、とにかく会社へ会社へという思いで帰ってきたと話していた。
会社に着くと従業員はすべて避難しておらず、心配で戻ってきた従業員に拾われ、
近くの丘へ車で非難したとの事。2日目になっても水が引かず、膝まで水浸しになりながら、
事務所兼自宅に戻ってみると、2階まで浸水しており、3階部分は大丈夫だったため、
3階部分で非難する事にした。専務である娘さんは東京に出張中であり、
東京から山形まで飛行機で飛び、山形から仙台まで夜行バス、
仙台から一ノ関までまたバスに乗り一ノ関から車で気仙沼と14日には会長と合流したとの事。
津波により100t以上の船が次から次へと加工場をなぎ倒し、
陸の中へと次々に流されていったとのこと。
村田漁業さんの加工場・製氷工場は大破しており、
被害の少なかった加工場の修復にかかっているとの事。
また、船については操業中だったため、1隻は無事という事である。

気仙沼村田漁業l工場1_convert_20110426111210.jpg

現在の加工場修復については、砂かきが終わり、機械類も重機で運び出し、
真水で洗っているとの事である。

気仙沼村田漁業佐々木工場長_convert_20110426111249.jpg
★村田漁業佐々木工場長です。加工場修復の指揮をしています。
佐々木さんの左の建物が村田漁業本社。

村田漁業さんの道路も2~3日前まではがれきの山で、昨日から通れるようになったとの事。
気仙沼市大島という離島には日に2~3回船で物資を運んでいるが、
気仙沼市内ではなかなか物資が届かないという話である。
村田漁業さんの周りには8軒ぐらいが建物が無事で、(住める状態)皆で協力して、
水を分けたり、食べ物を分けたりして生活をしているとの事。
自家発電を3時間ほど動かしており、9時になったら寝るしかないと・・・。
国有地化については、村田漁業としては反対であり、
長年暮らしてきたこの場所を動きたくないと話をしていた。
それぞれ、思い入れがあるようで、どのような形で復興するのか、
させるのかが課題となると思われる。
村田漁業さんでは、先日マグロ300tを海洋投棄(捨てた)という事である。
金額については明言しなかったが安く見積もっても約2億の額になると思われる。
 
物資支援ありがとうございますと皆さんにお伝え下さいと
それぞれの生産者の皆さん笑顔で話をしていました。
スピードは違うとは思いますが、復旧に向けてそれぞれ頑張っています。
その場面・場面でどのような応援が出来るのか考えさせられました。

気仙沼市山側2_convert_20110426110904.jpg
★気仙沼道の向こうに船が見えます。

気仙沼焼けた船3_convert_20110426111103.jpg
★燃えて真っ黒になってしまった船

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