2012年10月アーカイブ

2012年10月31日

食品表示一元化問題 ~食品添加物編~


以前の記事(→URL)で書きましたが、来年の春の国会提出をめざして、消費者庁では、

「新食品表示制度」の素案を策定しています。大地を守る会も参加している

「食品表示を考える市民ネットワーク」としては、市民運動として、下記の三点を主張しています。


・加工食品の原料原産地表示の拡充

・遺伝子組み換え食品のEU並み表示

・加工食品の添加物表示の拡充


今回は、「添加物」について、みなさんとその全体像や問題点を考えていきましょう。

※添加物は、いろいろと複雑な点があるため、書き手の自分も完全に理解してはいないので、

もし、間違いなど、ご容赦ください。書きながら申し訳ないのですが、この記事をうのみにはせず、

ご自身で確認されますことを希望いたします。

なお、参考にしているのは、厚生労働省のこちらです→URL


法律的な解説

まず、「添加物」とはなんなのでしょう。単純な発想では、「加工食品などに添加されている物質」

となるのでしょうか? では、その物質の定義とはなんなのでしょう。そのあたりの点を、法律上の

位置づけから考えてみます。


法律上の定義(食品衛生法4条)
この法律で添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、
食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。(4条2項)この法律で
天然香料とは、動植物から得られた物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される
添加物をいう。(4条3項)


添加物の指定制(10条)
人の健康を損なうおそのない場合として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を
聴いて定める場合を除いては、添加物(天然香料及び一般に食品として飲食の用に供され
ている物であって添加物として使用されるものを除く)並びにこれを含む製剤及び食品は、
これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、
若しくは陳列してはならない。


既存添加物(条文なし) 1995年5月24日改正時の附則
現に販売、製造、輸入、使用などが行われている添加物(化学的合成品を除く)を既存添加物
名簿に収載する。(附則2条)既存添加物並びにこれを含む製剤又は食品には、指定制を
適用しない。


法律としては、食品衛生法が関係しているのですが、根本の定義は上の三つになります。

法律には、その下に、附則とか省令(省庁からの命令)、通知といったものや、別添の表が

数多く存在して、それら全体で構成されています。食品衛生法4条で添加物が定義されて

いますが、基本は、単純な発想の定義と大きな差はないように見えます。詳しく見ていきます。

10条で規定されているのが、添加物は基本的に、「指定制」をとっているということです。

「薬事・食品衛生審議会」で安全性が審査され、それを通過したものが、「添加物」として食品

への使用を許可されるのです。「図1」での「指定添加物」にあたります。2011年現在、423種が

指定され、実際に使用されています。その一部の「香料」にさらに3102種類(類指定の香料)が

あります。本来的な意味での安全性には議論があるとして、一応、制度上の安全審査を通過

した物質だということです。


指定添加物リスト→URL

類指定の香料リスト→URL


次に、10条で「天然香料」とされているものです。天然だということで、指定ではないものの、

添加物として許可されているものです。「図1」で「天然香料基原物質」となっているもので、

約600種があります。


天然香料基原物質のリスト→URL


次に、「1995年5月24日改正時の附則」で定義されている「既存添加物」。これらは、

食品衛生法の改正時点で、政府が添加物としてお墨付きを与えた一群の物質です。

これらの安全性の確信度は、「指定添加物」より劣るのかもしれません。

2011年現在、365種が表に記載されています。


既存添加物のリスト→URL


最後が、「10条」で、「一般に食品として飲食の用に供されている物であって添加物として使用

されるもの」となっているものです。略称として「一般飲食物添加物」と呼ばれています。

この一群も、政府が添加物としてお墨付きを与えた一群の物質です。一般飲食物添加物には

企業よりの抜け道があり、省庁からの「通知」によって、任意(好き勝手にではないでしょうが)に

追加できます。この中に、最近の「健康食品ブーム」で有名になった物質が、たくさん入っています。

L-カルニチン、コエンザイムQ10、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イコサペント酸(EPA)などです。

まだ指定添加物として「安全性審査」を経て加わるものは、最低限のラインにあるとしても、

「一般飲食物添加物」として「通知」によって、任意に追加されていくのは、問題がありそうです。


一般飲食物添加物のリスト→URL

通知で非医薬品とされた品目(4ページのアルブミン以下のもの)→URL




bunrui.jpg


































実際の表示について

添加物を法律の問題で考えても、実際的ではないですよね。現実に世の中にある商品の表示に

ある添加物を見てきましょう。写真は、ごく一般的にスーパーなどで販売されている

「インスタントラーメン」の表示です。(当然ですが、商品名などはわからないようにしています)


ramen.jpg











































写真を書き出すと、


めん(小麦粉、食塩、植物性たん白、還元水飴)、肉エキス(豚、鶏)、マー油(豚脂・大豆油・

ニンニク・その他)、食塩、粉末しょうゆ、香辛料、種類(ブドウ糖・砂糖・乳糖)、

動物油脂(豚脂・ゴマ油)、澱粉、たん白加水分解物、野菜粉末、ローストガーリック、

酵母エキス、魚介エキス、調味料(アミノ酸等)、かんすい、酸味料、クチナシ色素、

pH調整剤、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)

※原材料の一部にエビ、ゼラチン及び乳成分を含む


表示ですが、あるときから、「原材料」と「添加物」の区別がなくなりました。以前は、別々に表示

されていたのですが、ある都合(添加物を特別視して欲しくない)により、不明瞭になりました。

なので、ここでは「原材料」と「添加物」に分けてみます。また、それぞれの添加物が「図1」の

何に該当するかを分類してみました。


原材料

めん(小麦粉、食塩、植物性たんぱく、還元水飴)、肉エキス(豚、鶏)、マー油(豚脂・

大豆油・ニンニク・その他)、食塩、粉末しょうゆ、香辛料、種類(ブドウ糖・砂糖・乳糖)、

動物油脂(豚脂・ゴマ油)、澱粉、野菜粉末、ローストガーリック、魚介エキス、

酵母エキス、たん白加水分解物
 

添加物

調味料(アミノ酸等)→ 既存添加物

かんすい → 指定添加物

酸味料 → 既存添加物

クチナシ色素 → 既存添加物

pH調整剤 → 指定添加物

カラメル色素 → 既存添加物

酸化防止剤(ビタミンE) → 既存添加物


とこんな感じになります。さてここで、またまたわからない点があります。「たん白加水分解物」や

「酵母エキス」です。これらは、添加物ではないのでしょうか? たん白加水分解物には、

塩酸を使って加水分解するものもあります。しかしこれらは、食品衛生法では添加物に

指定されておらず、「食品」扱いになっています。


さていよいよ添加物のほうです。調味料(アミノ酸等)となっていますが、これは一体なんなのか?

実はここに、一つ、表示のトリックがあります。図2で示しているように、「添加物の省略表記」と

いうものがあります。調味料は、「一括名」として表示できるのです。調味料(アミノ酸等)に分類され

ている郡には、数十種類の化合物があり、それらのうちどれが、何種類入っていても、一つの表示で

OKなのです。これってかなり、「丁寧じゃない」、ですよね。一括名には、調味料のほかにも

全部で14類があり、それらは何種類入っていようが、何が入っていようが、一つの代表名で

表示されます。


今回のラーメンの例には、この一括名が、「調味料」、「かんすい」、「酸味料」、「pH調整剤」の

四類入っています。表示は四つですが、何種類入っているのか、何が入っているかは不明です。

実は、これらの物質の中には、特定の病気や特殊なアレルギーなどに関係しているものもある

と言われていて、そういう人たちは食べられないのです。

この一括名以外にも、図2のような「簡略名」表記もあり、何が入っているのかが不明な場合があり、

上記と同様の問題が発生しています。


一括名一覧→URL

簡略名一覧→URLURL



syouryaku.jpg

































これらの要望(指摘)に対し、事業者側は、「スペースがない」、「コストがかかる」と言って

反対しています。スペースがないということは、現実にそれほど多くの添加物が入っている

ということでしょうか? EUでは、スペースの問題については、記号表記、で対応しています。

すべての記号について知る必要はなくても、かかりつけ医から、「あなたはE512は食べちゃ駄目」

とか注意を受ければ、それを避けることができる仕組みです。(E512は架空のものです)

また、内容がわからずとも、記号がたくさん入っている商品は、ちょっとやめておこう、とかいった

ことにつながります。


添加物の問題はこれらだけではない

食品表示を考える市民ネットワークとしては、「簡略名」や「一括名」の表記については、可能な

範囲で物質名を表示していくよう求めています。食べる側としては、入っているものの物が

わからないと、安心して食べられません。


こらら以外にも、「栄養強化の目的で使用されるもの、加工助剤及びキャリーオーバーについては、

表示が免除」という抜け道があり、これも大きな問題して残っています。


また、表示で最近特に流行しているのが、「糖質ゼロ」、「ゼロカロリー」、「ダイエット○○」といった

強調表示。あたかもこれらの商品が健康に良いかのように、消費者は誘導されてしまっては

いないでしょうか?

これらの商品は、確かに糖質やカロリーはゼロかもしれませんが、その分、人口甘味料など

多くの添加物が入っている可能性もあり、逆に身体に負荷をかけてはいないでしょうか。


あと、「保存料不使用」、「合成着色料不使用」などの表示。たしかに、表示のような物質は

使っていないのだろうけど、実は、保存料の役割をする添加物はほかにもあるし、「合成」じゃ

ない着色料は使ってあったりする。


優良誤認を招きかねないこれらの表示も問題ありといえるでしょう。


また、添加物は、年々、その登録物質が増えています。日本(+輸入品)での添加物の使用

実態(どの物質がどの程度使用されているか)は、なかなかつかめません。日本は今、景気が

いいとはいえません。長いあいだのデフレ圧力で、多くの企業が価格抑制に必死になっています。

そのような環境にあって、本物の代用品として、多くの添加物が使用される背景は整っています。

まずは、きちんと表示すること、消費者の「知る権利」を求めていくことが必須です。




2012年10月26日

秋晴れのバーベキュー大会


10/20(土)、こどもの国(神奈川県)において

今年の春、5月20日に第一回を企画した「バーベキュー」大会。定員を大幅に超える応募がありました

ので、この秋、10/20と11/10の2回、開催することになりました。今回は、10/20の様子をお伝えします。

この日は、涼しい空気が気持ちいい晴天になり、申し込まれたほぼ全家族(24)の方が参加され、

総勢で150名を超える規模となりまた。


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(写真:会場の様子)


会場は、10人で一つの木のテーブルが配置され、家族単位で、ゆったりとくつろげます。

今回の企画は、大地を守る会を代表する、二つの産地のお肉を食べるもの。一つが、山形村の

短角牛。もう一つが、仙台黒豚会の豚肉です。この日のために、それぞれの産地から、生産者の

方も、自分たちが丹精こめてつくったお肉を食べていただける消費者に会いに来場されました。


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(写真:生産者の方々 左から職員の中井、仙台黒豚会の久保至勇(よしゆき)さん、
山形村の大畑勝美さん、石羽根忠志さん、柳久保一幸さん)


みなさんに提供したお肉は、短角牛と黒豚会の豚肉の半分ずつ。大人:300g、子ども:150g。
ボリューム満点だったと思います。


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(写真:この日のお肉。左が短角牛、右が仙台黒豚会の豚肉


一つのテーブルには、網とアルミ板が用意されていて、焼肉のほかにも、アルミ板では、焼きソバ

や焼きうどんを楽しまれている家族もいました。お肉に加えて、大地を守る会からは、たまねぎ、

にんじん、キャベツ、ピーマン、きのこ類も用意しました。


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(写真:奥が網、手前がアルミ板


バーベキューが始まると、みなさん、ご家族で食事を楽しまれました。その輪の中に、生産者の方々

が入っていかれ、震災後の山形村や仙台の様子、牛や豚の飼育について、消費者の方と

お話されました。


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(写真:右が久保さん。左が遅れて登場の仙台黒豚会の小原文夫さん


仙台黒豚会の小原文夫さんは、広い「こどもの国」の園内で迷子になり、遅れての登場でしたが、

到着するやいなや、かなりのマシンガントークで、消費者の方を笑わせていました。


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(写真:消費者会員の方とお話しされる小原さん



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(写真:久保さん


今回来場された久保至勇(よしゆき)さんは、お父さんが長年、仙台黒豚会を支えて来られました。

昨年の震災で、久保さんのところも被害をうけ、それをきっかけに、息子さんが家業に参加され

ました。お父さんとしても、こころ強いことでしょう。


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(写真:山形村の大畑さん


山形村の短角牛も、仙台黒豚会の豚肉も、すべて高感度の器機で放射線量を計測し、不検出と

なっていますが、震災以降、やはり、販売には苦労しています。どちらも大地を守る会が「顔の見える

関係」を築いてきた大切な産地。これからも、関係を大切にし、「食べて応援」していきたいと思います。


山形村短角牛のマスコット、「たんくん」も登場し、子どもたちの大人気になっていました。


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2012年10月16日

10-12月の外部団体イベント予定


みなさま、こんにちは。食欲の秋、勉強の秋、運動(社会運動?)の秋になりました。

10-12月の外部団体のイベント予定をお知らせいたします。


 主催:NPO法人 JFSA
 日時:2012年10月19日(金)、20日(土)、21日(日)
 場所:千葉県千葉市中央区都町3-14-10(JFSA事務所)
 内容
   JFSAの倉庫前で「市」を開催!古着はもちろん、
   雑貨、新品寝具、エスニック衣類などの販売
   10月21日(日)は、お餅つき大会、
   古着の仕分け体験、JFSA活動紹介など。
 問い合わせ、申込:NPO法人JFSA事務局
  業務時間:10:30~19:00(木曜定休)
  電話/FAX:043-234-1206
  E-mail : jfsaアットf3.dion.ne.jp


 参加費:各回800円。(4回全部申込で2800円)
 問い合わせ、申込:日本消費者連盟

 2012年10月25日(木) 13:00~17:00
 第1回「いま食の世界で何がおきているのか?」
 講師:天笠啓祐さん
 場所:飯田橋セントラルプラザ16階A教室

 2012年11月19日(月) 13:30~16:00
 第2回「狙われる食の放射線照射」
 講師:里見宏さん
 場所:飯田橋セントラルプラザ16階A教室

 2012年12月14日(金) 13:30~16:00
 第3回「食品添加物」
 講師:渡辺雄二さん
 場所:飯田橋セントラルプラザ16階A教室

 2013年1月19日(土) 午後
 第4回:詳細や場所は未定


 2012年11月6日(火)、12月4日(火)、19時~20時
 首相官邸前


○BSE規制緩和反対院内学習会
 主催:食の安全監視市民委員会、日本消費者連盟
 日時:2012年11月7日(水) 14:30~16:00
 場所:参議院議員会館109会議室
 問い合わせ、申込:日本消費者連盟


○学校給食ニュース編集責任者「牧下圭貴さんと学ぶ連続講座」のお誘い
 ~ 10年後の子どもたちにできること ~
 主催:全国学校給食を考える会
 日時:2012年12月15日(土) 10時~12時30分
 場所:大地を守る会 六本木会議室
    東京都港区六本木6-8-15第2五月ビル3階
    地下鉄日比谷線・大江戸線「六本木」出口3より徒歩5分
 参加費:500円(資料代含む)
 問い合わせ、申込 : 全国学校給食を考える会
 (参加ご希望の方は、必ず事前にご連絡ください)


○江戸前ESDふくしまワークショップ《福島の海と魚を知ろう》
 @東京海洋大学品川キャンパス
 主催:東京海洋大学 江戸前ESD協議会
 日時:2012年11月18日(日) 9時30分開場、10時~15時(予定)
 場所:東京海洋大学(品川キャンパス)白鷹館 2階 多目的ルーム-1
 参加費:無料
 定員:30名(18歳以上)(必ずご本人様がお申し込みください。)
 お申込みは、FAX/電子メールでお願いします。
 (必ず返信いたしますので、ご確認ください。)
 電子メール:kawabeアットkaiyodai.ac.jp
 FAX: 03-5463-0574
 お問い合わせは 電話 03-5463-0574(川辺)まで。



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2012年10月 5日

全国農業後継者会議レポート

9月6日~7日第9回全国農業後継者会議が秋田県の大潟村で開催されました。
消費者運営員の佐藤輝美さんより参加レポートが届きました。
図1.jpg今回は、全国から50人の若手生産者があつまって、「有機農産物の販売・マーケティングを考えよう」というテーマで、大地を守る会、生産者がそれぞれの立場から報告及びパネルディスカッションを行いました。

生産者会議は今まで生産技術にかかわることが殆どで、このような販売のことについての議題は初めてだったので、非常に楽しみにして参加しました。




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まず、やさか共同農場の佐藤大輔さんと、ライスロッジ大潟の黒瀬友基さんから『生産をしながら販売に関わる生産者・生産団体の現状について』~直販と、契約のそれぞれのメリットとデメリット~というお題でお話いただきました。
その後、大地を守る会から宅配部宅配戦略課宅配戦略チームの小林香織さんから「宅配事業のご紹介」として、どのように宅配の事業展開を行っているかなどの説明がありました。次に新市場開拓部EC戦略室長の吉村浩一さんから「大地を守る会のウェブストアについて」と大地を守る会が行っているWeb販売についてご説明いただきました。
さらに、「有機農産物の販売・マーケティングを考えよう」というテーマで大地を守る会社員と生産者の方々によるパネルディスカッションが行われました。ここでは、各々の立から流通させるための工夫や苦労、また、疑問などが沢山出てきました。また、登壇者への質問も活発に行わました。

2日目、大潟村干拓博物館で、八郎潟埋め立て事業と、その後の開拓の歴史について勉強しました。
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この地では江戸時代から干拓が試みられていたようですが、現在の干拓事業は、計画から14年で1966年に完了し、5500haの干拓地ができました。そこに翌年から以後5回に分けて、全国から589人の入植が行われたとのことです。
堤防でぐるりと囲まれた干拓地は、埋立地と異なり、農地や宅地があるところが、その周りのもともとの八郎潟の水面や海抜より低いところにあります。(海抜-7.2m)その排水を南部、北部の2箇所の排水機場で行っており、そこも見学しました。
s-koukei5.jpgその後、黒瀬さんの圃場の見学をしました。圃場に向かう農道の脇や上空には、チュウヒやほかの猛禽類が沢山居て、生態系の豊かさを実感しました。60度田んぼの風景は、おそらく、日本ではここでしか見られない風景なのでは?!と思える景色でした。




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黒瀬さんの田んぼにはヒエが1本もなく、この暑さの中、大変だったろうなぁ~と思いました。

私がここで感じたことは、後継者会議も9回目になり、皆さん、お互い顔見知りも増えてきて、離れていても、いろいろやり取りをしたりしている様子が伺えました。
地域では少数派でも、此処にくれば、仲間が居る、という安心感やつながりが育まれて来ていることを実感しました。
今回の議題は、大地を守る会が生産者からの全ての作物を仕入れ・販売できない以上、避けては通れない大事な議題だったと思いました。生産者は事業者でもあり、自分たちの生産物をいかに販売ツールに乗せ、売るか、という事業主としての視点も必要であるという時代になってきた、ということです。
有機農業を守り、育てるために、流通させることは必要です。そのために、大地を守る会と一緒に何が出来るのか、また、生産、流通の技術を上げたり、耕作放棄地を借りて、耕地面積を広げたり、いままで生産したことのない作物に挑戦してみたり、みなさん、できるところでの取り組みをどんどんされている、と思いました。
ソーシャルメディアの活用もあげられていましたが、私は忙しい生産者の皆さんが、そこまでなかなか新規に取り組むのは大変だろうと感じました。もちろん、そういう方面に明るい方はどんどんやっていらっしゃるのですが、そうでない方も沢山いらっしゃいます。
その部分は、ぜひ、大地を守る会がやってくださるといいのになぁ、と思いました。
全国の生産者がここまで集まっていて、同じ問題を抱えていて、それに一緒に取り組めるツールを持っているのだから、ぜひ、取り組んでいただきたいと思いました。

私は有機農業を応援したい、そのためには、大地を守る会が取り扱えない品でも、余剰品が多くて困っている、有機農業への過渡期の圃場で、品質が大地を守る会への出荷は難しい品が沢山ある、などといったときにそれを買い支えられたらと感じます。
かといって、今の大地を守る会の基準がゆるくなればいいとは思いません。だからこそ、こんなイメージで全国の生産現場の「今」を映し出すことで、消費者と生産者をつなげられたら、と思います。
各写真をクリックしたら、そのもとのFBページに飛んだり、ブログに飛んだりして、さらに生産者のことを知ることができる仕組みです。
私がFace bookをやってみて、このツールは時間と空間を近づけることができると実感します。これでやりとりしている人たちと、実際には会えなくても、非常に親近感を持つことができるし、いろんなやり取りができることが判りました。次に会ったときに、一気に距離が縮まるのです。こういうことが他の多くの消費者と行われると、(もちろん本業に差しさわりのない範囲で)さらに有機農業への理解や、消費行動へとつながると思います。同じ買うなら、知り合いから買いたいですからね。
そのきっかけを一番多く提供できるのが今の大地を守る会だと思いました。以上のことから、これはバーチャルな世界で、大地を守る会の有機農業の全国展開が出来るのではないかと思いました。
そのページのイメージ図を描いてみました!
私のイメージとは違ってもいいから、素敵な方向に進んでくれると良いなぁ~と思いました!

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2012年10月 4日

10.13さようなら原発集会in日比谷

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0/13(土)13:30~ 日比谷野外音楽堂にて、


「さようなら原発1000万人アクション」の集会とパレードが行われます。

当日は大地を守る会のメンバーも、のぼり旗を持って参加します。
(ステージに向かって左側の前の方)
みなさんも、ぜひご参加ください。




















*詳しくは、以下をご覧ください。
http://sayonara-nukes.heteml.jp/nn/wp-content/uploads/2012/09/20121013%EF%BD%86.pdf

 

引き続き「さようなら原発1000万人署名」のご協力お願いいたします。

「さようなら原発1000万人署名」
1000万人署名もあと200万筆弱に迫り(※注)、
次の国会(臨時国会)開会中に第二次提出行動が行われます。
(※注:9月21日の集計で、8,015,807筆)

10月15日を目安に集約しています。

まだ署名されていない方がおられましたら、
ぜひ、ご協力をお願いします。

【署名用紙の提出方法】
以下のURLから署名用紙を印刷し、ご署名をお願いします。

宅配の注文書ケースに入れてご提出いただけば、
大地を守る会で取りまとめて、1000万人署名事務局へ送ります。
http://sayonara-nukes.heteml.jp/nn/wp-content/uploads/2012/05/120601syomei.pdf

なお、10月15日以降もご提出いただけます。
(署名は1000万筆達成まで継続します)

※「さようなら原発1000万人署名」は、以下を求める署名です。
1.原発の新規計画の中止と既存原発の計画的な廃炉
2.高速増殖炉「もんじゅ」および核燃料再処理工場の運転中止
3.自然エネルギーを中心に据えたエネルギー政策への転換



2012年10月 3日

スウィーツソーパー・スキンケア講座を開催しました

10月3日(水)大地を守る会・六本木会議室で、
福岡県芦屋町からパルセイユの金井誠一さんにお越しいただき、
パルセイユからお届けしている基礎化粧品・スウィーツソーパー・スキンケア講座を開催しました。


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講座のようす。参加者の皆さんは、基礎化粧品のテスターをお試しになりながら、
お話をおききになりました。
会場は、基礎化粧品に配合された精油の香りがほんのりひろがり、心地よい空間に♪




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左が、パルセイユの金井さん、右はケイミー・オフィスの喜多さんです。
喜多さんは、東京にある企画会社の方。
大地を守る会の基礎化粧品を良く知る、オーガニック化粧品に精通するお人なのです。

今回、まず、喜多さんから、商品として、カタログに掲載されるまでに、
大地を守る会で取り扱う化粧品が、どれだけ厳しい基準で審査され、製造されるか、
詳細なお話をいただきました。
「メーカー側が大地を守る会に提出する書類だけで30枚、ハードルを越えに越え、
やっとひとつの商品が生まれるのです。
原材料が植物などの天然由来であることが明らかで、
防腐や成分抽出も石油由来でないことが求められる。
自然界のなかにあるもので、防腐や乳化などを、
試行錯誤しながら作りだしていきます。
大地を守る会の化粧品は『種類が少ないなあ』という印象ですが(笑)、そういう背景があるのです」
と喜多さん。

実際にその後の金井さんのお話から、大地を守る会でご紹介できる基準の化粧品が、
生産者の努力と熱意と誠意のたまものであることが伝わってきました。


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こちらは、福岡のパルセイユの手作り化粧品工房。

この講座で、スウィーツソーパーシリーズでは、
表示義務が生じない、原材料に添加される石油由来原料を避けるため、
化粧品の原材料から手作りすることや、
化粧品の乳化や防腐効果については、原材料の分量や配合のタイミングなど、
試行錯誤をくりかえし、一つひとつ乗り越えてきたことがわかりました。

「そのために全て、大量生産が出来ないので、手作りなのです。
素材の配合を何回も試して、科学的根拠というよりも、偶然にできたイメージがあります。
また、配合割合だけではなく、配合する順番も大切です。
おもしろいもので、料理と同じなのです。素材を配合する順番を変えることで、
うまくまとまるということもあります」と金井さん。

金井さんは、化粧品の防腐効果のために、ローズマリーを使用しています。
自然に自生するローズマリーは、殺菌ではなく、制菌作用のみ。
もちろん合成された化学物質ではないので、持続性はなく、そのままのローズマリーでは、
2~3週間が限度。
金井さんは5~6年前にそのローズマリーの濃縮に成功し、数年の制菌作用を実現しました。
「殺菌」ではなく、「制菌」作用のローズマリーなので、化粧品の加工は無菌状態から始めます。
そして、会員のお宅には、製造して、できるだけ早くお届けできるよう心がけています。

石油由来原料や合成界面活性剤に頼らない化粧品作りは、工夫と知恵の結晶なのですね。



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さて、講座では国際エステティシャンの資格をお持ちの金井さんからハンドマッサージを
ご指導いただきました。
使うのは、スウィーツソーパー オリジナルブレンドオイルです。
参加者が2人一組になり、お互いに施術しあいました。


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スウィーツソーパー オリジナルブレンドオイルは、
金井さんご自身が選び抜いたオイルをブレンドしたマッサージオイルです。
ビタミンEを豊富に含む国産の米ぬかを圧搾し、低温ろ過した油をベースに、
浸透性の高いホホバ油、アルガン油をブレンドするという逸品です。



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金井さんに実際に施術を受ける方も。
会場のみなさんの本当に気持ちよさそうな表情が印象的でした。
エステの技法で普段知らず知らずに硬くなっている身体をほぐし、
リンパ線を流してあげることで身体も表情も柔らかくなったようです。



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最後は、肩甲骨のまわりの筋肉をほぐす体操をおこないました。

石油由来原料や合成界面活性剤に頼らない化粧品作りには、失敗をくりかえしても、
前向きにチャレンジを続けて、乗り越えてきた人の努力がありました。
その努力は、使う人の顔が見える距離で、化粧品を作っているからこそ、
その人のために「本当に安全で、必要な化粧品であってほしい」という
作り手のぶれない信念に支えられているようです。





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こちらの講座でご紹介した、手作りのパルセイユの化粧品は、
今週、みなさまにお届けしたチラシでご紹介しています。
ご注文は10月8日(月)~12日(金)まで。

今回は、スイーツソーパーの基礎化粧品、マッサージ用のオリジナルブレンドオイルなどのほかに、
新発売のシャンプー、リンスもご紹介しています。

どうぞ、ご利用ください。




2012年10月 1日

NEWS 大地を守る2012年10月号 はじめよう ひろげよう キッチンからエネシフト

ご存知ですか?家庭から出る廃食油の行方

 1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれています。そのうち、飲食店から出る廃食油の大部分はリサイクルに回されていますが、一方で、家庭から出る廃食油の実に9割は、そのまま捨てられているのです。
 これまで大地を守る会は、環境保全と消費者の安全・安心を第一に考えたエネルギー問題への取り組みを進めてきました。
 昨年4月11日には、原発に頼らない社会の実現に向けた「スイッチ!電力」宣言を行い、6つのアクション(左図参照)を発表。
そのアクション【3】「大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます」を実現する取り組みの一つとして、昨年の7〜9月に「ゆかいな野菜物語」プロジェクトを実施しました。
このプロジェクトは経済産業省の助成事業で、宅配会員から回収した廃食油をバイオディーゼル( VDF)に精製し、大地を守る会の生産者が農機具の燃料として使用して、野菜を栽培・販売するというものです。3カ月間という限られた期間でしたが、会員の皆さまから回収した廃食油から2,308リットルのVDFを作り、4 .5トンのCO を削減することができました。
「ゆかいな野菜物語」(7月より再開)は、太陽光発電機など特別な機械を必要としない循環型代替エネルギーのプロジェクトです。
もし、捨てている廃食油があれば、資源としての活用を考えてみませんか。次ページからご紹介する「ゆかいな野菜物語」で、手軽にできるエネルギーシフトを、はじめましょう。

※ベジタブル・ディーゼル・フューエルの略。
廃食油を原料とするディーゼルエンジン用の新しい燃料。1993年に㈲染谷商店が世界で初めて開発に成功した。

スイッチ!電力 6つのアクション

1 電力についての消費者アンケートを実施します

2 自然エネルギー推進団体等、関連ネットワークと協同します

3 大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます

4 原発に頼らないための「節電アクション」を募集します

5 消費者の声をいかし、世の中に提言を行います

6 原発のない、日本をつくります

 

「ゆかいな野菜物語」が再始動!

 昨年7〜9月にかけて行われた廃食油をエネルギー活用するプロジェクト「ゆかいな野菜物語」。今年の7月23日からは、継続的な取り組みとして新たにスタートしています。
 ネーミングが表すとおり、油(ゆ)が回る(かい)循環型代替エネルギーの実現を目指すこのプロジェクト。キッチンから出た廃食油をVDFに精製して生産者に提供し、そのVDFを燃料としてトラクターなどの農機具を動かします。
そして、栽培された野菜が宅配会員の食卓へと戻ってくる仕組みです。これまで廃食油を回収する生協などはありましたが、野菜の栽培・販売までをサイクルに取り込んだのは、大地を守る会が初めての試みです(大地を守る会調べ)。
 廃食油から精製したVDFは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物ゼロ、呼吸器官障害の原因といわれる黒煙は軽油の半分以下と、とてもクリーンなエネルギーです。
 昨年は運搬費やVDFの価格などが課題になっていました。そこで今年は、株式会社ユーズのご協力のもと、ほぼ軽油と同等価格でVDFを販売。
また、2013年7月末までは、VDFの運搬費を大地を守る会で負担することにしました。
 今回は、プロジェクトに参加している生産者の富谷亜喜博さんと、廃食油をVDF化しているTOKYO油田(ユーズ)の染谷ゆみさんにお話を伺いました。

家庭から出る廃食油の回収にご協力ください

「ゆかいな野菜物語」プロジェクトの廃食油回収にご協力ください。あなたのキッチンから出た廃食油がVDFとして精製され、トラクターなどを動かして野菜作りに役立ちます。
回収方法は、廃食油をペットボトルに入れて食材配送時に大地を守る会へ渡すだけ。ゴミとして廃棄するよりも手間がかかりません。
そして何より、クリーンエネルギーにシフトする確かな一歩となります。持続可能で豊かなライフスタイルの実現を一緒に目指していきましょう。

富谷亜喜博さん
さんぶ野菜ネットワーク 代表理事
千葉県山武市で、小松菜やレタスなどの葉物野菜、スイカなどの果物など、多種多様な農作物を栽培。

 昨年から「ゆかいな野菜物語」に参加しています。VDFの存在は以前から知っていましたが、正直、農機具に影響が出ないか不安がありました。
トラクターなどの農機具は10年、20年と長く使うものですから、生産者であれば、誰しも感じることだと思います。ですから、VDFを使い始めた当初は、軽油とVDFを混ぜて使っていました。
 ハウスで使うと、軽油とのにおいの違いがよくわかります。ほのかに天ぷらの香りがするんですよ。
環境への優しさを体感する瞬間ですね。徐々にVDFの濃度を上げて繰り返し使ってもトラクターに影響はなく、軽油と変わらないパワーで動かせると実感できたので、今ではVDF100%で使用しています。ただ、トラクターの種類によってはパワーの差を感じるかもしれません。
私は3台のトラクターで試してみましたが、もっとも古いトラクターとの相性がよいと感じました。新しいトラクターは濾過機が繊細だからかもしれませんね。
 VDFは、一斗缶かドラム缶での配達が選べます。私は頻繁に耕運するほうではないので、一斗缶で購入しています。そのときどきでVDFが黄色っぽかったり赤みが強かったりと色は異なりますが、使用感に違いはありません。
 昨年は、軽油に比べてVDFの価格が高くコスト面に課題がありましたが、今年からは軽油と同等価格で販売されると聞き喜んでいます。軽油と大差ない価格なのであれば、環境に優しい方がいいですよね。
大切なのは、新しい試みをおもしろいと感じて、楽しみながら挑戦する気持ちだと思います。いろんな生産者がVDFを使って情報をみんなで共有できたら、誰もが安心してVDFを使えるようになると思います。

染谷ゆみさん
(株)ユーズ 代表取締役
廃食油を回収し再資源化する事業を展開。1993 年には、世界初となる廃食油の軽油代替燃料の開発に成功。

「廃食油は大切な資源。回収の広まりを期待します」
「廃食油は資源であり、東京は大油田」という発想から、東京の家庭や飲食店から出る廃食油を回収して再資源化しています。
 大地を守る会とは、1995年の宅配配送車へのVDF使用以来のお付き合いです。
ソーシャルビジネスの大先輩ですし、一緒にプロジェクトに取り組めて嬉しいですね。
 昨年の会員アンケートでは、「油は食用として使い切るから回収に出さない」という意見が7割を占めたと聞いています。会員の皆さんの環境への意識の高さを感じました。私は廃食油を回収している立場ですが、本当は1滴も廃食油が出ない社会が理想的だと考えています。
廃食油を循環できるからといって、どんどん出してほしいわけではないんです。ただ、1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれ、家庭の廃食油の9割は、残念ながら捨てられているのが実情です。
固めて捨てる、紙に含ませて捨てるといった方法では、新たなゴミを生み出すことになってしまいます。
 これまで捨てていた廃食油を資源として捉え、「ゆかいな野菜物語」を通じて、回収に参加してくれる人の輪が広まっていくことを期待しています。

 

・回収するもの:使用済み、もしくは未開封の食用油(液状の油に限る)。

・回収容器 :使用済みペットボトル(最大2リットルまで)に入れ、ビニール袋に入れてしばる。

・回収方法 :配送員に手渡し、もしくはハッポウ箱・コンテナに入れる。

・回収に出される場合は下記URLを必ずご確認ください。
https://member.daichi.or.jp/news/dispdetail/contentscd/9/year/0/no/688

 

生産者の皆さんへ

VDFを使ってみませんか?

 「ゆかいな野菜物語」では、VDFの価格を120円/リットルにし、2013年7月末まではVDFの送料を大地を守る会が負担します。これは、より多くの生産者にVDFを使ってほしいという思いからです。
ご興味のある方、ご質問は下記連絡先までお問合せください。

お問合せはこちら:03-6661-1610(株)ユーズ(担当/河合)

 

 

いろいろなところではじめています、エネシフト。

野菜残渣をエネルギーに変える「ベジィエナジー」

 日々の宅配業務でどうしても出てしまうもの。それは、傷んで商品にならない野菜や、土で汚れた外葉などの野菜ゴミ(残渣)です。この残渣をエネルギーに転換するプロジェクトが「ベジィエナジー ~もったいナイをエネルギーに~」です。バイオエネルギー事業で実績のあるバイオエナジー社にご協力いただき、昨年の11 月14 日から継続して取り組んでいます。
 自然界に存在する微生物が残渣を約30日かけて分解し、バイオガスを発生させます。
このガスで、ガスエンジン発電機を動かして発電したり、精製・熱量調整・腐臭などの加工をして都市ガスにしています。

除染しつつエネルギーを生む「グリーンオイルプロジェクト」

 有機栽培による米・麦・大豆の輪作を実践してきた稲葉光國さんが代表を務める栃木県上三川町のNPO法人 民間稲作研究所は、放射能の除染からエネルギー自給までを循環サイクルで実現していく「グリーンオイルプロジェクト」を開始しています。この「グリーンオイルプロジェクト」は、大豆・ひまわり・なたねを育てることで除染を行いながら、圧搾した油から出た廃油をSVO化し、トラクターの燃料としたり、搾油後の残渣をメタン発酵させ、各種の燃料として利用していくことを目指しています。
 大地を守る会は、このグリーンオイルプロジェクトについても、どう関わっていけるのか、検討していきます。

※ストレート・ベジタブル・オイルの略。植物油(廃食油)をそのまま燃やしてしまう燃料のこと。



NEWS 大地を守る2012年10月号 やまけんの大地を守るうんまいもん探訪

さやあかね
ジャガイモは男爵とメークインばかりじゃない
 

 新じゃがのシーズンは1 年に2 回。春先に出てくる九州地方の新じゃがと、これからの季節に出てくる北海道の新じゃがだ。北海道では雪が溶けてから種芋を植えるのでこの時期に掘り始めるのである。

 縦に長い日本の端と端だから、北海道と九州では得意な品種も違う。ジャガイモは品種によって味や肉質が全く違うから、いろんな品種を楽しむのが吉だ。ちなみに、定番の「男爵いも」「メークイン」は日本に導入されてから約100年経っている。近年定着した「キタアカリ」だって1987年の品種だから古い! 実はジャガイモは新しい品種が少なくとも年に5 種は開発されているのだが、なかなか新品種が根付かない特殊なマーケットだ。売る側にすれば、知名度のある定番品種は労せずとも売れる。一方、新品種は売れるかどうかわからない。
だから安全パイの定番品種を並べるばかりで、新品種が根付かないわけだ。
 けれども、最近の品種は定番品種の欠点を補ったものが多い。例えば男爵いもはごつごつして皮を剥きにくいけれど、新品種のほとんどがツルンとした表面で、皮を剥きやすい。味の面でも様々で、栗のような香りのする「インカのめざめ」や、バターなどと合わせるとおいしい「シンシア」など、目的別に選べるようになってきた。
 写真は十勝で無肥料・無農薬で栽培された「さやあかね」。無肥料とは思えないほどに立派で、新じゃがの状態でも香りが強くおいしい。こんな新しい品種が拡がるかどうかは、食べ手の皆さんにかかっている。ぜひ食べたことのないジャガイモ品種にも手を伸ばしていただきたい。


山本 謙治(やまもと けんじ)
1971年、愛媛県に生まれ、埼玉県で育つ。農産品・食品などのコンサルタント会社(株)グッドテーブルズ・代表取締役社長。
『日本の食力? 国産農産物がおいしい理由』ほか。ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記(www.yamaken.org)」が人気。





NEWS 大地を守る2012年10月号 今月の数字

26.6% →  2011年の日本の木材自給率

 戦後、木材の輸入自由化とともに下がり続けた日本の木材自給率。2000 年には20%を割り込み(18.2%)、8割が外国産材という木材輸入大国になりました。しかし、ここ数年、木材自給率は上昇傾向にあります(07 年22.6%、08 年24.0%、09 年27.8%、10 年26.0%)。世界経済の低迷の影響で木材の総需要量が減少した中で、相対的に国産材の自給率が上がったというのが実情ですが、国産材の生産が堅調であることも確かです。
 では、自給率が上がって山が活気づいているかと言えば、そうとも言えません。
その要因の一つに木材価格の低迷があげられます。需要は旺盛なものの木材価格が低いため、伐採後の山に再び木を植えて育てる費用を賄えず、結果、伐採後に放置される山が増えています。このままの状況が続けば、ハゲ山がどんどん増えていき、国土の7 割が森林の"世界有数の森林国"とは呼ばれなくなる日がくるかもしれません。木材は畑の野菜とは違い、植えてから数十年にわたる手入れを経てはじめて製品となります。急に必要となっても、すぐに収穫できるものではありません。「木材の自給率が上がった!」だけでは素直に喜べないのが現在の日本の木材事情なのです。
  (森と木の住まいづくりフォーラム・秋山 進)


NEWS 大地を守る2012年10月号 くらすことつながること

自分でできることは、なるべく自分で

 いま、窓から山が見えます。毎朝、聞こえてくるのは、鳥の声。
晴 れた日には、湖面に山が映ります。この夏、あたらしい場へ移り住みました。移り住んだのは、四国の山のほうです。水がいい地域で、水道の水でも「おいし い」と感じられます。空気があまく、1日のうちに何度も深く深く息をします。暮らす場所は変わりましたが、日々することは、どこにいてもそう変わりませ ん。きちんと作られたものを選び、食べ、仕事をして、人とつながり、あとはできることをしていく。そのくり返し。そんななか、ひとつ、積極的に「やろう」 と思っていることがあります。それはセルフケア。いままでもしていましたが、いままで以上に。これからは、できることは「なるべく自分で」が、いいと思う のです。
 たとえば、ヘナを使っての髪のカラーリング。いままでお店に行っていましたが、自分ですることにしました。ヘナはカラーリングだけでな く、デトックス効果もあると言われています。頭にこもった熱を逃がしてくれるそう。また、余ったヘナで足湯もできます。日ごろ、頭は使ってばかりでなかな かケアできない部分。月に1 度、自分の体と向き合う時間にしようと思います。ほかには、朝、起きたら白湯を飲む、オイルマッサージをする、足をあたためるなど、ちいさな習慣もつづけ ています。最初は、手間がかかる、と思うようなことも、習慣にすると、1日の流れのなかにうまく組みこめます。
 きちんとしたものを食べることと、セルフケアは、どちらも「自分で」という気持ちから。ときどき何かに、だれかに手伝ってもらいながら、教えてもらいながら、工夫して、できることはやっていこう。
なんと言っても、そのために、あたらしい場に来たのですから。


廣瀬 裕子(ひろせ ゆうこ)
作家。日々の暮らしがその人を育むという思いを言葉に乗せている。著書に『できることからはじめています』、『まいにちのなかにオーガニック』など。3.11を受け「5年後10年後のこどもたちが健やかに育つ会」を立ち上げた。

NEWS 大地を守る2012年10月号 平和の象徴オリーブの苗木をパレスチナに送ろう。 スマイルオリーブ基金が始まります

大地を守る会で取り扱う「オリーブオイル(パレスチナ自治区産)」は、イスラエルによる占領化が進むパレスチナ自治区で生産されています。
このたび、私たちはパレスチナの農民を応援し、彼らの命ともいえるオリーブの木を守るためにオリーブの苗木を送るプログラムをスタートさせます。
その支援の仕組みについてご紹介します。
乾燥したパレスチナの丘に広がるオリーブ畑。イスラエル軍は計画的に重機を使いこの畑を破壊しますが、
もちろん事前にパレスチナ側は知らされることはありません。

壊され続けるオリーブの畑
 パレスチナと言えば、時折ニュースで聞く紛争地を想像される方も多いでしょう。
遠い国のニュースなので、なかなか実感がわかないかもしれません。私たちが宅配で取り扱っているオリーブオイルの一つは、そのパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)というところで作られています。大地を守る会のポリシーは顔の見える関係。
日本の農家のようにすぐに会いに行くことはできませんが、年に一度は顔を合わせるように努めています。 
元々「パレスチナ」は、地中海東岸部の一帯を指す土地の名称でした。しかし、この地にユダヤ人国家を作ろうとするシオニズム運動によって多くのユダヤ人が流入した結果、ユダヤ人の土地(現イスラエル)とパレスチナ人の土地(現パレスチナ自治区)へと分割され、1948 年にイスラエルの建国が宣言されました。その土地に暮らしていたパレスチナ人は追い出されて難民となり、パレスチナ自治区や隣国へ移り住むことを余儀なくされたのです。
 建国以降もイスラエルは、国際的に認められたパレスチナ自治区との境界線(グリーンライン)を越え、違法にユダヤ人入植地を拡大しています。さらに、その入植者を守ることを名目に、パレスチナ自治区内に入り込む形で分離壁の建設まで進められています。
このように、イスラエルは自分たちの領地拡大を既成事実化するためにパレスチナ自治区に侵略し、そこに暮らす普通の人々のオリーブ畑を破壊して土地を奪い、資源を制限するなど、彼らの生活を大きく脅かしているのです。















オリーブオイルはパレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区で生産されています。
生産者団体UAWCの協力の下、オリーブの植樹も同地域で予定しています。


オリーブオイルの販売額の一部で苗木を購入
 数千年前からオリーブを栽培していたと言われるパレスチナ人にとって、オリーブとは生活の糧であると同時に、先祖代々受け継がれてきた文化であり、誇りです。
また、彼らがオリーブを植え続けることは、イスラエルから自分たちの土地を守ることにもつながります。そこで私たちは、より具体的な連帯の形として、パレスチナにオリーブの苗木を送る基金をつくることにしました。
1本のオリーブオイルの販売額から大地を守る会が8円、販売元の株式会社オルター・トレード・ジャパン(ATJ)も8円、消費者会員の皆さんにも8円を負担していただくことにして、合計24円を基金として貯めさせていただきます。
名付けて「スマイルオリーブ基金~パレスチナに平和の苗木を送ろう~」。
現在、オリーブオイル1本1,780円の販売価格が1,788円となり実質値上げとなりますがご理解いただき、ご支援をいただければ幸いです。
 この基金は商品カタログ『ツチオーネ』142 号にて、2012 年10月8日(月)ご注文分から開始となります。
オリーブの苗木は1 本あたり約280円。12本のオリーブオイルが売れれば1 本の苗木を送ることができます。142 号では、注文番号1565にてご注文いただけます。
詳しくは『ツチオーネ』142 号5ページ、23ページをご覧ください。植えたオリーブの苗木は、3 ~ 4年で実を付けます。
今後の生育状況を、ぜひ楽しみにしていてください。状況については、随時お知らせいたします。
※苗木の価格はレートや現地の市況により変動します。

直接支援ご希望の方は以下の方法で!
 上記のプログラムと合わせて注文週142(10月8日~12日注文週)から145(10月29日~ 11月2日注文週)で、一口500 円から支援金を募ります。
直接支援をご希望の方はこちらからご支援ください。商品名「スマイルオリーブ基金(注文書番号1847)」で承ります。最初の植樹は年内から開始予定です。





大地を守る会の震災復興支援

生産者に会いに行こう 商品を知ろう! 料理を楽しもう! 知って学ぼう! みんなで話そう!

海外とつながろう! 安心な食べもの 食べて守る生物多様性! 農業のこと 環境のこと 大地を守る会のこと 「NEWS大地を守る」PDF版 大地を守るメディア取材 大地を守る Deli