2012年10月 5日

全国農業後継者会議レポート

9月6日~7日第9回全国農業後継者会議が秋田県の大潟村で開催されました。
消費者運営員の佐藤輝美さんより参加レポートが届きました。
図1.jpg今回は、全国から50人の若手生産者があつまって、「有機農産物の販売・マーケティングを考えよう」というテーマで、大地を守る会、生産者がそれぞれの立場から報告及びパネルディスカッションを行いました。

生産者会議は今まで生産技術にかかわることが殆どで、このような販売のことについての議題は初めてだったので、非常に楽しみにして参加しました。




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まず、やさか共同農場の佐藤大輔さんと、ライスロッジ大潟の黒瀬友基さんから『生産をしながら販売に関わる生産者・生産団体の現状について』~直販と、契約のそれぞれのメリットとデメリット~というお題でお話いただきました。
その後、大地を守る会から宅配部宅配戦略課宅配戦略チームの小林香織さんから「宅配事業のご紹介」として、どのように宅配の事業展開を行っているかなどの説明がありました。次に新市場開拓部EC戦略室長の吉村浩一さんから「大地を守る会のウェブストアについて」と大地を守る会が行っているWeb販売についてご説明いただきました。
さらに、「有機農産物の販売・マーケティングを考えよう」というテーマで大地を守る会社員と生産者の方々によるパネルディスカッションが行われました。ここでは、各々の立から流通させるための工夫や苦労、また、疑問などが沢山出てきました。また、登壇者への質問も活発に行わました。

2日目、大潟村干拓博物館で、八郎潟埋め立て事業と、その後の開拓の歴史について勉強しました。
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この地では江戸時代から干拓が試みられていたようですが、現在の干拓事業は、計画から14年で1966年に完了し、5500haの干拓地ができました。そこに翌年から以後5回に分けて、全国から589人の入植が行われたとのことです。
堤防でぐるりと囲まれた干拓地は、埋立地と異なり、農地や宅地があるところが、その周りのもともとの八郎潟の水面や海抜より低いところにあります。(海抜-7.2m)その排水を南部、北部の2箇所の排水機場で行っており、そこも見学しました。
s-koukei5.jpgその後、黒瀬さんの圃場の見学をしました。圃場に向かう農道の脇や上空には、チュウヒやほかの猛禽類が沢山居て、生態系の豊かさを実感しました。60度田んぼの風景は、おそらく、日本ではここでしか見られない風景なのでは?!と思える景色でした。




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黒瀬さんの田んぼにはヒエが1本もなく、この暑さの中、大変だったろうなぁ~と思いました。

私がここで感じたことは、後継者会議も9回目になり、皆さん、お互い顔見知りも増えてきて、離れていても、いろいろやり取りをしたりしている様子が伺えました。
地域では少数派でも、此処にくれば、仲間が居る、という安心感やつながりが育まれて来ていることを実感しました。
今回の議題は、大地を守る会が生産者からの全ての作物を仕入れ・販売できない以上、避けては通れない大事な議題だったと思いました。生産者は事業者でもあり、自分たちの生産物をいかに販売ツールに乗せ、売るか、という事業主としての視点も必要であるという時代になってきた、ということです。
有機農業を守り、育てるために、流通させることは必要です。そのために、大地を守る会と一緒に何が出来るのか、また、生産、流通の技術を上げたり、耕作放棄地を借りて、耕地面積を広げたり、いままで生産したことのない作物に挑戦してみたり、みなさん、できるところでの取り組みをどんどんされている、と思いました。
ソーシャルメディアの活用もあげられていましたが、私は忙しい生産者の皆さんが、そこまでなかなか新規に取り組むのは大変だろうと感じました。もちろん、そういう方面に明るい方はどんどんやっていらっしゃるのですが、そうでない方も沢山いらっしゃいます。
その部分は、ぜひ、大地を守る会がやってくださるといいのになぁ、と思いました。
全国の生産者がここまで集まっていて、同じ問題を抱えていて、それに一緒に取り組めるツールを持っているのだから、ぜひ、取り組んでいただきたいと思いました。

私は有機農業を応援したい、そのためには、大地を守る会が取り扱えない品でも、余剰品が多くて困っている、有機農業への過渡期の圃場で、品質が大地を守る会への出荷は難しい品が沢山ある、などといったときにそれを買い支えられたらと感じます。
かといって、今の大地を守る会の基準がゆるくなればいいとは思いません。だからこそ、こんなイメージで全国の生産現場の「今」を映し出すことで、消費者と生産者をつなげられたら、と思います。
各写真をクリックしたら、そのもとのFBページに飛んだり、ブログに飛んだりして、さらに生産者のことを知ることができる仕組みです。
私がFace bookをやってみて、このツールは時間と空間を近づけることができると実感します。これでやりとりしている人たちと、実際には会えなくても、非常に親近感を持つことができるし、いろんなやり取りができることが判りました。次に会ったときに、一気に距離が縮まるのです。こういうことが他の多くの消費者と行われると、(もちろん本業に差しさわりのない範囲で)さらに有機農業への理解や、消費行動へとつながると思います。同じ買うなら、知り合いから買いたいですからね。
そのきっかけを一番多く提供できるのが今の大地を守る会だと思いました。以上のことから、これはバーチャルな世界で、大地を守る会の有機農業の全国展開が出来るのではないかと思いました。
そのページのイメージ図を描いてみました!
私のイメージとは違ってもいいから、素敵な方向に進んでくれると良いなぁ~と思いました!

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