2012年12月アーカイブ

2012年12月26日

白神こだま酵母で作ります はじめてのパン作り講座を開催しました

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12月6日(木)、サラ秋田白神・津田さんを講師に、「はじめてのパン作り」講座が
開催されました。
サラ秋田白神といえば、おなじみ白神こだま酵母に、白神こだま酵母から誕生した
おいしいパンがおなじみですね。
こちらは講座のようす。

早朝、スタッフが会場に到着後、一番最初に行ったのが、
やかんでお湯をわかす作業。
酵母に元気に働いてもらうには、あたたかさと湿度が大切だからです。


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講座時間は片付けの時間も含めて、10:30〜14:30。
講座時間が限られているからといっても、
もちろん発酵力の強さばかりを求めた「化学イースト」は使いません。
この限られた時間に、自然の酵母だけで、パン教室を開催できるのは、
白神こだま酵母があってこそです。

白神こだま酵母は世界自然遺産に指定された白神山地から発見された自然界の酵母。
1年の約半分を雪で覆われる豪雪地帯という環境を生き続けた生命力の強い酵母は、
種起こしが不要で、発酵力が強く、仕込みから短時間で焼き上がるという特性があるのです。


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生地の材料は、国産小麦粉、砂糖、塩、水と白神こだま酵母だけ。
白神こだま酵母はトレハロースが通常の酵母の4〜5倍の酵母。
植物の乾燥や傷みを抑えたり、うまみを引き出すトレハロースが多いことで、
少ない砂糖で自然の甘さになり、油脂や添加物を使わなくても、しっとりやわらかくパンが焼き上がる
まさに奇跡のような酵母です。

大地を守る会では、白神こだま酵母を、ほぼ隔週でご紹介しています。
白神こだま酵母 
ウェブストアでのご紹介はこちら→

白神こだま酵母小袋タイプ 
ウェブストアでのご紹介はこちら→





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講座でチャレンジしたのは、ピザパンとプチパン。
「湿度と温度という酵母が好む環境を準備することで、基本的にパン作りは酵母にお任せ」と津田さん。
ただ一工程だけ、材料をよく混ぜ合わせながら生地をまとめていく作業だけは、
作り手ががんばる必要があります。これはけっこう体力が必要。
講座では、音楽を2曲を流し、テンポ良く、参加者たちが、生地をこねていました。
2曲のうち1曲は、ZARDの「負けないで」!!



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生地がこね上がったら、容器の中に入れ、生地が膨らむのを待ちます。一次発酵です。
講座では、その間、津田さんから、白神こだま酵母についてのお話を伺いました。



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生地はスケッパーを使い、二つに分割。ベンチタイムを経て、成形です。
一つはそのままめん棒でひらたくして、ピザ台に。
そのピザ台の上に、
大地を守る会のタマネギやトマト、ピーマンなどの野菜のほかに、
マッシュルーム、ソーセージや、ツナ缶、ホールコーンを
お好みに合わせてトッピング。オーブンへ。


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一方プチパン生地も成形し、2次発酵させてから、パンの上部に切れ目を入れて、
オーブンにいれます。



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焼き上がりがこちら。講座では、昼食にピザを皆さんでいただきました。
自分で作った焼きたてのピザは、きっと格別でしょう。会場から「おいしい!」という言葉が
あちこちできかれました!!

もちろん、大地を守る会の皆さんは、白神こだま酵母で作ったパンのおいしさを気軽に味わうことができます。
カタログ『ツチオーネ』は、毎週、白神こだま酵母で作ったサラ秋田白神のパンをご紹介しています。
奇跡といえる自然の酵母•白神こだま酵母だからこそできる「引き算のパン作り」が
サラ秋田白神にはあります。
神こだま酵母自身が作り出す味や香りが、パンのおいしさを引き立て、
一般に流通しているパンのように油脂や卵を使わなくても、
やわらかく香り豊かなパンを焼くことができるからです。

ちなみに大地を守る会で毎週ご紹介しているサラ秋田白神の商品はこちらです。

大地を守る会で毎週取り扱いのパン:

サラの白神(ソフトフランス) 1コ
ウェブストアでのご紹介はこちら→

サラのふぞろいプチパン 10コ
ウェブストアでのご紹介はこちら→




※その他、週によって、パンのバリエーションを広げて、ご注文をお待ちしています。

ぜひ、ご賞味ください。

ちなみに、今回のイベントには大地を守る会の商品開発担当者も出席。
今回、イベントに参加したみなさんが作ったピザをヒントに、
これを多くの方に手軽に楽しんでいただけるようにと、
サラ秋田白神と相談し、現在"ピザ台"を開発中なのです。
3月ごろにはご注文いただけるかもしれません・・・。

こちらもぜひお楽しみに!!










2012年12月20日

ご家庭で使い終わった食用油を回収しています。

大地を守る会では、原発に頼らない社会の実現のために、ライフスタイルの転換を提案する

「スイッチ!電力」宣言しています。

代替エネルギー推進の提案として、使用済食用油を回収してディーゼル燃料化します。

使い終わった油の回収にご協力ください!
 
なお、ディーゼル燃料化した油は、大地を守る会生産者がトラクターなどの農機具の燃料として

使用し、野菜を栽培します。


ちなみにこのひと月で、会員のみなさんから208リットルの廃食油を回収しました。

廃食油を回収・精製している㈱ユーズさんによると、冬は揚げ物をする機会が増えるので、

回収量も増えるとのこと。

ごちそうが増えるこの季節、体重を考えると油の量が気になりますが、使った油はぜひ

回収にご協力くださいませ!


【回収詳細】※会員制宅配をご利用の方向けのサービスです

●回収するもの

・使用済、もしくは未開封の食用油


●回収容器

・使用済ペットボトル(容器の大きさは最大2リットルまで)

・未開封のものであれば油が入っていた容器
 (缶、ペットボトルはOK。ビンは割れる可能性があるので不可)

※油がもれないようにしっかり封をし、透明なビニール袋に入れてしばってください。

※配送1回につき、2リットルまで回収します。


●回収方法

・配送員に対面する場合:配送員に手渡し

・ご不在の場合:ハッポウ箱(なければコンテナ)に入れる


【ご注意】

・油は食用でサラダオイル、菜種油、ごま油、オリーブオイルなど、 ご家庭で使われる液状の油に

 限ります。

※企業、カフェ、レストランなどは対象外です。

※石油系のオイルなど食用以外の油は絶対に入れないでください。

・揚カスは入っていてもかまいません。

・賞味期限切れの油でもOKです。

・大地を守る会の商品でなくてもOKです。

・天ぷら油は揮発性はなく、危険物ではありません。

・容器が破損していたり、極端に汚れていたりするなど、 回収条件にあわない場合は、

 回収をお断りする場合があります。



冬は人が集まる機会も多く、揚げ物が多く作られるそうです。

大地を守る会
宇田川
 



2012年12月13日

脱原発世界会議2

 
 
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大地を守る会も賛同している脱原発世界会議
今年は、郡山と日比谷で開催されます。
 
パレードほかさまざまな企画が行われます。
どうぞご参加ください。

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12月15~16日(土・日)、東京【日比谷】と福島【郡山】にて「Nuclear Free Now」を開催します。

「Nuclear Free Now」は、『脱原発世界会議2』や、
 
 
各イベントやデモが同時に行われる国際イベントです。


2012年12月12日

「食品への放射線照射はいらない!!」政府との意見交換会


~黒塗りの報告書~放射能に付きまとう影・・・

2012年12月6日 13時30分~15時30分
参議院議員会館


大地を守る会の顧問でもある里見宏さん(健康情報研究センター)(公衆衛生)は、放射線を照射

した餌をたべさせた動物に異常が出た経験をされ、それをきっかけに、市民の反対に協力されて

こられました。現在は照射食品反対連絡会の世話人をされておられます。この日も、進行の久保田

裕子さん(国学院大学教授)とともに、深い議論を展開されていました。


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(意見交換会の様子)



福島第一原子力発電所事故があり、多くの市民のあいだでは脱原発への流れがありますが、

原子力村や産業界にはまだまだ原子力依存べったりがあるのが現実です。放射線照射食品は

原子力産業と表裏一体ですので、今でも強力です。


ほとんど表面には出てきていませんが、ここ数年来、水面下、放射線照射食品に「安全」のお墨付き

をあたえようと、「原子力委員会」、「スパイス協会」、「厚生労働省」、「食品安全委員会」、が動いて

いました。現実はきっと、「原子力委員会」がほかのすべてを動かしてきたたのでしょうが。


放射線照射食品については、世界的に議論になっている化学物質は、アルキルシクロブタノン類です。

2002年のフランスのグループの報告によると、放射線照射によって食品中に生じるアルキル

シクロブタノンが、発ガン物質存在下において、その発ガン効果を促進する作用があることを

報告しています。


放射線照射によってアルキルシクロブタノンが発生することは確実です。ですから問題は、この

アルキルシクロブタノンに、毒性(発ガン促進作用、もしくは発がん性など)があるかどうかです。

2009年、食品安全委員会は、大阪府立大学の古田雅一教授を代表として、アルキルシクロブタノン

の安全性評価の研究を委託しました。総額は、3年間で、3千900万円です。


その結果が、2012年7月20日に食品安全委員会の放射線照射食品の専門委員たちに提出

され、説明されています。そしてすでに、食品安全委員会として、古田雅一教授の結果に

対する評価報告書もできあがっています。


ということで、放射線照射食品反対の市民の立場を理解してこられた、大河原雅子議員に

お願いして、食品安全委員会から、古田雅一教授の結果をとりよせてもらいました。

なんと、その報告書は、おどろくべきことに、ほぼ、黒塗りだったのです。





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(黒塗りの結果報告書)


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(食品安全委員会の古田雅一教授の結果に対する評価報告)


この黒塗りの報告書に驚かされ、照射食品反対連絡会の市民は、衆議院選挙、都知事選挙

などで世の中の多くの人々はそちらに目がいってしまっているのはわかっていたのですが、

とりあえず、集まることにしたのです。


この日の意見交換会に出ていた食品安全委員会からの出席者(官僚)の方の説明は、「論文」に

なってからということのみでした。「食品安全委員会は国際的な評価をしたと言われたいので、

論文になったものを評価したという実績にしたい。なので、論文になったあと、公表する」


この言い訳、一般の人には通用しても、事情を知る人にはちょっと通じません。

この官僚の方は、生物論文の査読や出版の現実を知らないのでしょうね。今、論文はメールで

やりとりされます。高等数学などの超難解なものは除きますが、生物論文で、その論文の

レベルと雑誌のレベルが適当なら、順調なら数週間~数ヶ月でアクセプト(受理)されます。


「食品安全委員会の評価」を見ると、古田雅一教授の結果は、日本の名だたる科学者で構成され

ているであろう専門委員が、感覚的ですが、「良」、と評価してるようです。そうだとしたら、まあ、

NatureとかScieceとかの超一流は無理としても、そこそこの雑誌ならば、すぐに(数ヶ月以内)に

掲載されることでしょう。


普通、7月20日に結果を出しているのなら、科学者であれば、その時点で仮に本文を書いていな

かったとしても、1ヶ月もあれば書ける。ということは、遅くとももう今頃はアクセプトされてないと。


それで論文になってないとしたら、それは、古田雅一教授が、今もって本文を書いてないということ

でしょう。それなら、それは、「怠慢」。3千900百万円もらって怠慢は許されないでしょう。


もしくは、結果を、専門委員と古田雅一教授で、・・・してるとか。あとで、都合よく・・・したものが

公表されるとか。これは、想像なので、あってはならないことですが。


この黒塗り現象、東京電力福島第一原子力発電所事故報告書のときもありましたよね。


もう一つの直感的な理解としての理屈。「委託研究」。「学術研究」とは違いそう。

何をいってるかというと、文部科学省などから、「科学研究費」としてお金をもらって研究をする

場合、「新規」の研究を狙ってやることがほとんど。わかりやい例で、iPS細胞のようなものが

あります。つまり、論文にせずに、勝手に公開したりすると、国家的な損失となります。ですから、

「科学研究費」の場合は、論文にする前に公開したりできない、っていう理屈はありえる

(厳密な法的解釈は抜きで)。

しかし、直感的に、今回のような委託研究は違うと感じます。アルキルシクロブタノンについては、

フランスの結果が先に出ています。その結果が、白か黒かを確かめるための研究です。それが

どちらにでようが、それが特許とか、ノーベル賞とか、名誉とか、ほとんど関係しそうにない。

というより、世界中で、誰かが先に、実験として、争ってそうにもない? というか、実際、フランス人

が先にやってるし。あの、食品安全委員会の官僚の人は、本当は何の言い訳を言いに来たの

でしょうか? 


里見宏さん、科学者ですから、この辺の裏話、全部わかって、つっこんでましたが、官僚の人、科学者

でないので、「食品安全委員会は科学的にやります」と、非科学的な回答に終始していました。

残念ながら。



誘導放射能の問題

今回の意見交換会で、もう一つの課題が、里見宏さんから、提出されました。それが誘導放射能です。

専門的な話しになるのですが、簡単にいうと、放射線照射食品レベルの高レベルの放射線を照射

すると、食品そのものの中に、放射性物質ができるということです。

これは、まだ、確実には証明されていませんし、里見宏さんも、確実だとは言ってはいません。

危険性を指摘しています。

しかし、これが本当のことだとすると、非常に怖いことです。

学校給食を考える会副会長の野田克己さんは、「もし仮に、誘導放射能が現実にあるとすると、

今、出回っている照射じゃがいもは汚染じゃがいもということになります。そのことについての

ご意見をお聞かせください」と、厚生労働省につめよっていました。

今後の課題ですが、重要課題です。



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「ちばてつや」さんが協力

里見宏さんは、「あしたのジョー」で有名な、ちばてつやさんのご近所さん。そのご縁で照射食品反対

連絡会のチラシを書いていただいています。照射のターゲットとしてとして狙われるている、肉、

香辛料(スパイス協会)や、オーストラリアで実際にあった、照射ペットフードを食べたネコで起こった

神経マヒなどが描かれています。


放射性照射食品は、元々が、原子力発電所でできるコバルトをもとにした技術。つまり、原子力発電

由来技術。そして、それでできる食品にもいくつかの危険性が潜んでいます。


12月6日は、大地を守る会の吉田和生事務局長も積極的に発言し、議論を展開しました。


放射線照射食品は、遺伝子組み換え食品ほどにはなじみが薄いのですが、アメリカでは生肉など

にも実施されており、TPP(環太平洋経済連携協定)といったことになれば、すぐにでも大きく一般化

するかもしれません。みなさん、ぜひ、今後はニュースや新聞など、注視してください。




2012年12月11日

「もっこす」な生産者さんに会ってきました! 〜九州地区生産者会議レポート〜

みなさん、はじめまして! 消費者会員の安西直美と申します。今年の6月、CSR運営委員に着任しました。大地歴8年、千葉県在住2児の母です。

 

CSR運営委員のお仕事は、毎月開催される委員会や、生産者会議への出席などがあります。生産者会議は、作物・業種・地域やテーマ毎など多岐にわたり、それぞれ定期的に勉強会を行っています。

今回私が参加したのは、熊本県宇城市で開催された九州地区生産者会議。お米・野菜・柑橘・海苔など約90名ほどの生産者さんが参加する1泊2日の勉強会です。

 

そこで、「もっこす」な生産者さんに会ってきました!

みなさん「もっこす」という言葉を聞いたことがありますか?「もっこす」とは、頑固一徹(がんこいってつ)で無骨(ぶこつ)な人物・性格を指した熊本の方言です。

 

初日は、2つの講演会が行われました。

はじめは、熊本における有機農業の先駆者となった「温森(ぬくもり)の里」代表 寺尾勇さんから『命を守る農業』についてです。アフリカでの実体験を交え、命を守ることは命をかけること、人生における目的は幸せを追求すること、とお話しくださったのが印象的でした。

 

次の講演は、2001年から自然エネルギーの普及活動に積極的に取り組んでいる「NPO九州・自然エネルギー推進ネットワーク」代表の小坂正則さん。『自然エネルギーと農業』がテーマです。

 

現在九州では、太陽光はじめ、水力、地熱、木質バイオマス、メタンガス、風力、など土地に合った、自然エネルギーの発電所が随所に設置されています。中でも、焼酎粕からのバイオエネルギーで飼料製造、などというのは九州ならでは。

 

他にも、電力自由化における海外の事例、自然エネルギーの今後の展望などをお話しいただきました。エネルギーの地産地消で地域にお金を回すことについては、経済成長がなくとも会社は成り立つことや、幸せの定義ということについても言及され、私たちがこれからどう生きるか、しっかり考え選ぶときなのだと思いました。

生産者の皆さんも熱心に耳を傾け、質疑応答も活発な意見交換が行われました。

 

懇親会では、生産者さんからの近況報告を交え、楽しく美味しい九州の夜はゆっくりと更けていきました。


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*ブレス(柑橘類生産者)の皆さん

翌日の圃場見学では、まず、今回受け入れをしてくださった「肥後あゆみの会」澤村さんの、木質バイオマスボイラーを導入したハウスの訪問です。ハウスの中は、熊本県産の杉の間伐材を燃やしたクリーンな暖房で15度前後に保たれていました。

九州 澤村さん.jpg               *木質バイオマスボイラーの説明をする澤村さん

九州 チップ.jpg                 *熊本産杉の間伐材をチップにしたもの
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*木質チップ燃焼の様子

澤村さんによると、木質バイオマスボイラーに日々かかるコストは重油ボイラー使用の際と同じくらいとのこと。ただ、機械導入の初期費用はその5倍、県の補助は半分程度なのだとか。

 

「じゃあ、導入するメリットはなに?」「それは、誇りです」。などのやり取りがありつつも、限りある資源と持続可能な資源、これからの時代にどちらを選んでいくか、ということが大事なのだと思いました。いま私たちが何を選んでいくのかということが将来につながっていくのです。目の前の事がらにとらわれることなく、ずっと先の未来に想いを馳せることが大切です。

何をするにも、成功するか失敗に終わるか、最初は誰にもわかりません。それでも始めた人がいる、という事実は将来にとても大事な意味をもたらすことでしょう。

 

さらには、木質バイオマスボイラーを導入し、ハウス内にCO2を循環させ再利用する仕組みを創った結果、作物の成育がよくなったことを実感されているそうです。採れたお野菜も、きっとシアワセなお味なのではと想像してみました。

九州 ハウス.jpg       *ハウスから出ている煙突、その後ろにあるのは木質チップのタンク。

        自動でハウス内の機械に供給されます

澤村さんのもうひとつの圃場は海寄りの干拓地。土地がら、土壌の塩分を除去するのは難しいのだそうです。そこで作られているのが「塩トマト」。試行錯誤の甲斐あり、みなさんもご存知のブランドに育ちました。味が凝縮され、土壌の塩分やミネラル分の作用で味がギュッと凝縮された「塩トマト」は、糖度が通常のトマトの2倍ほど。高価格で取引されています。

害中対策には、小さな虫も通さない目の細か〜いネットをハウス内に設置するなど農薬に頼らない工夫が施されていました。

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次に訪れたのは、不知火海に臨む中村さんの柑橘類の圃場です。

今年、温州みかんなどはカメムシが大量発生。しかし、農薬は使えません。その対策として7月中旬ころ、摘果した青いみかんを半分に切って瓶の中で黒砂糖と一緒に漬け込んだ液体を散布したところ、3回ほどで、ようやくカメムシの被害は少なくなったそうです。


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*葉のグリーンと「みかん色」のコントラストが美しい

また、パール柑(別名:土佐文旦)は、木の根を切ってしまうというカミキリムシの発生に悩まされましたが、こちらも自然農薬(ボーベリア菌)を使って何とか乗りこえたということです。

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*中村さんの「パール柑」 すくすくと育っています!

産地を訪問したり、直接お話をうかがうと、これまで知り得なかった生産者さんの情熱や努力を垣間みることができます。そして、わたしたちの食卓に上がる食べものに対する想像力や、感謝の気持ちは膨らんでいきます。今回の会議の冒頭に、受入生産者の澤村さんから「有機農業は楽しい。ラクではないけれど、夢や目標を持つことができる。」という言葉を聞くことができたことも、とても頼もしく嬉しく思いました。

 

生産者の皆さん、いつもありがとうございます。皆さんが「もっこす」でいてくれるお陰でわたしたち消費者は、安心安全かつ「シアワセ美味しい」食べものをいただくことができるのです。そして、わたしたちはその生産物を適正な価格で買い支えたいと思っています。これからも「顔の見える関係」を大切に、末永くお付き合いをよろしくお願いいたします!

 

 

【追記(消費者の皆さんへ)】

毎年2月下旬に行われる「だいちのわ 大地を守る東京集会」は、全国の大地を守る会の生産者さんと一堂に会することができるとても貴重な機会ですよ〜。



2012年12月 3日

NEWS 大地を守る2012年12月号 若手生産者特集

                           この春に大学を卒業して就農したばかりの23歳。



日本の農家の数は減少を続けています。

農林水産省の調べによると、2010年の総農家数は、252万8千戸で、5年前に比べて32万戸

(11.2%)減少※しました。また、農業就業人口の65歳以上が1.6%※を占め、高齢化が進んでいま

す。そのような状況のなかでも、若い世代が農業を仕事として選びがんばっている姿があります。

若き就農者が育てた作物を食べることは、就農者の生活を支えて自立を応援し、日本の食を支える

ことにつながります。大地を守る会は、消費者の皆さんとともに就農者を応援していきたいと考えてい

ます。いま、未来の日本の食の担い手たちが、どんな気持ちで農業に携わり、どんな未来を描いてい

るのか、率直な気持ちをお聞きしてきました。

※出典:農林水産省「2010年農林業センサス」


僕たちが答えました!

人の若手生産者へインタビュー!

黒瀬 友基さん       内田 健夫さん         小田々 仁徳さん



千葉畑の会 内田 健夫さん  23歳
  花嫁募集中!です。

PROFILE

千葉県八街市にある千葉畑の会は、大地を守る会のスイカの食味会でも

おなじみ。秋・冬は落花生や生姜、大根、ニンジンなど、夏はスイカやレタ

ス、かぼちゃなどを栽培しています。2012年春に東京農業大学を卒業した

ばかりの若き三代目です。


               祖父や両親のすごさを実感しています。


生育から販売までの過程を楽しんでいます

 うちは祖父の代から続く農家です。自分には兄弟がいないこともあって、漠然とですが、将来は家

業を継ぐのだろうなと思っていたので、自然と農大に入学しました。就活の時期になっても、自分は農

家を継ぐと決めていたので就職活動をしませんでした。卒業式の翌日から就農すると言ったら友だち

に結構驚かれましたね(笑)。農大でも農家の子どもって、結構少ないんですよ。たぶん自分の学科

の1〜2割ぐらいだったと思います。

 大学では植物病理学研究室に在籍していました。近頃は、化学合成農薬ではなくて微生物を使っ

た農薬が注目されています。研究室では、そういった時代の流れに沿って、微生物を活用した農薬

の開発や植物の病気の研究などをしていました。ただ、大学では理論分野がほとんどで実技が少な

かったこともあり、いま仕事をしているとわからないことも多いです。そんなときは、一緒に働いている

両親や近隣の農家の人に相談にのってもらっています。

まだ就農して間もないですが、農業はなかなか簡単にいかないものですね。この前もニンジンの種を

蒔いたんですが、強い雨にたたかれて発芽しなかったり...。

天候に左右されて思うようにいかないことも多いです。

その反面、自分が育てた野菜を販売する段階まで携われることはやりがいですし、その過程を楽しん

でいます。

求められる農業を追求していきます

 家の手伝いとしてやっていたときは、単純に作業を覚えるだけでした。いまは、どういう作物をどれく

らいの量つくるかといったことを意識して、経営をしていかなければと思っています。

 安全・安心な野菜をつくることは、当然のことです。ただ、おいしさに特化した品種のなかには、農

薬を使わないと収穫量が確保できないものもあったりするんです。安全・安心とおいしさを両立させて

いくのはとても難しいことなんですね。でも自分はこれからも農薬や化学肥料に頼らずに「求められる

農業」に挑戦していきたいです。


 例えば、若い人のなかには、皮をむいたり調理をしたりするのが面倒だからと野菜を食べない人も

多いようですが、そんな人たちにも野菜を食べるきっかけをもってもらえるように手軽に食べられる加

工品をつくることも考えています。インターネットの活用など新しいことも取り入れながら、これからの

農業を作っていきたいです。


みんなに愛された祖父・賢次さん

健夫さんの祖父・賢次さんが亡くなってはや4年。この写真は亡くなる

ちょうど1年前の商品カタログ「プロセス(現・ツチオーネ)」に掲載された

ものです。「内田のとっつぁん」という愛称で親しまれていた賢次さん。

「この人からスイカ作りを取り上げたら何が残るんだろう」とまで言われて

ました。そんな賢次さんのことを大地を守る会の農産担当たちは「スイカ

の精」と呼んでいたとか。賢次さんは、夏の人気イベント「スイカの食味会」

などを通じ、スタッフはもちろん、多くの消費者をいつもこの笑顔で迎え

入れてくれました。




大地と自然の恵み  小田々 仁徳さん 28歳

PROFILE

大地と自然の恵みは、過疎が進む高知県香美市にあり、生姜やオクラ、ニラ、青ネギ、ミニトマト、子

などを栽培しています。仁徳さんは、グループの代表者・小田々 智徳さんの息子です。就農4年目。


生命の力を感じる瞬間に素直に感動します

「大地と自然の恵み」は、高齢化で耕作ができなくなった農家の畑を借り受けて、有機野菜を栽培し

ています。

20〜30代の若いスタッフを採用して地域を元気にしようと、父やスタッフのみんなと一緒にがんばって

います。農業には小さな頃から興味があったんですが一旦、ふつうの企業に就職したんです。

でも、社会人になってから、ますます農業への想いが強くなって、4年ほど前に農家を継ごうと決めま

した。以前の会社では週休2日だったんですが、農家はそんなわけにはいきません。時間を惜しんで

農作業をすることもありますし、自分が自由にできる時間が限られるのは、大変なことの一つではあ

りますね。でも、野菜の種を蒔いて芽が出たときは素直に感動します。生命の力を感じるんですよ。

 日本にはファストフードが普及していて自分も食べることがありますが、最近は、妻のつくる料理が

いちばんおいしいと思うようになりました。農家をやっているとそういうことに改めて気付かされます。

これからの日本の農業を守っていきたいです

 TPPが結ばれると、農作物の価格を下げないと売れなくなってしまうのではないかと心配です。そう

ならないためにも、農作業や知識をしっかりと身に付けることで、日本の農業を守っていきたいです。

いまは、大地を守る会などを通じてたくさんの県外の人たちに野菜や果物を食べてもらっています

が、これからは、地産地消にも積極的に取り組んでいきたいですね。






ライスロッヂ大潟 黒瀬 友基さん 35歳

PROFILE

ライスロッヂ大潟は、湖を干拓して45年ほど前にできた秋田県大潟村にあります。有機農業でお米

(あきたこまち)をつくっている農家の二代目で、両親と妻、3人の子どもと共に暮らす7人家族です。



父と格闘しながら農業の奥深さを学んでいます

 大学を卒業して、そのまま東京でサラリーマンをやっていたのですが「農家を継いでほしい」という

父の強い気持ちがありまして、6年前に地元に戻って農業を始めました。正直、以前は作物を育てる

ことにそれほど興味がなかったんです。でも、いざやってみると農業はとても奥が深い。いろいろと新

しい発見がありますし、いまはとても楽しんで農業をやっています。いちばん大変なのは、父とのやりと

りですね(笑)。

もちろん農家としての経験や栽培技術は信頼していますし、学ぶことも多いのですが、「もっと言い方

を考えてくれたらいいのに」と思うことがあります。

息子には、つい言い方がきつくなってしまうのかもしれませんね。

感謝の言葉が何よりの原動力です

消費者の方々には、もっと「食」について興味や関心をもって、安全・安心なもを選んでもらいたいと思

っています。でも、そのためには生産者側が、安全・心な食品についてしっかりと考えて、消費者の

方々に対して能動的にコミュニケーションをとっていくことが大切です。お客さんから「おいしい」とか

「安心し食べられるお米をありがとう」といった言葉をもらったときがいちばん嬉しいので、そういった言葉

をもらえるように努力を続けたいです。

 大地を守る会の会員さんのように、食や農業について関心が高い人たちのお陰で、私たちは有機

農業を続けることができているんだと思います。ときには厳しいご意見をもらうこともあります。でも、そ

ういったことも含めて、農産物への感想や質問をもらうと、消費者の方とつながっていると感じられる

んです。

それが手間のかかる有機農業を続けようという原動力になっています。





友基さんの父・正さんは滋賀県出身で、1975年に大潟村に入植。
米の販売自由化以前から消費者に直接販売する産直運動の先駆者
として有名な方です。



大地を守る会の震災復興支援

生産者に会いに行こう 商品を知ろう! 料理を楽しもう! 知って学ぼう! みんなで話そう!

海外とつながろう! 安心な食べもの 食べて守る生物多様性! 農業のこと 環境のこと 大地を守る会のこと 「NEWS大地を守る」PDF版 大地を守るメディア取材 大地を守る Deli