2014年2月28日

「行ってきました!大雪の釜石」―大地を守る会 Meets NEXTKAMAISHI

大地を守る会では3.11東日本大震災以降、被災生産者を中心にさまざまな形で復興に向けた
支援活動に取り組んできました。

 

/info/news/2011/0418_2802.html

 

この3月で丸3年を迎えます。


一言に復興といっても、いったい何を持って「復興」と定義づければよいのか、

実はこれを書いている私は今もよく分かっていません。


一般的には災害前の元に戻ることを指すのだと思いますが、物理的な回復

(インフラ整備や最低限の街機能構築)では済まない、根本的な組み直しが必要ではないか

というのが今の私の考えです。


誤解を恐れずに言えば、「根本的な組み直し」ができるチャンスであるといえます。

 

新しい街、地域、コミュニティの創造を東北から生み出す最大のチャンスではないのかと。


わば東北モデルです。

 

ご存じのとおり、第一次産業、里山集落は高齢化、過疎化という問題を抱えています。

これは東北地方に限ったことではなく、まんべんなく全国中に発生している事態です。

 

そして、その解決は一地域に任せておけばよいということではなく、みんなが抱える共通の

問題であって、私たち一人一人、みんなで解決しなければならないことです。

 

なぜならば、都市と地方という関係のいびつ性が生んでしまった現代の歪は、

その地方の衰退にとどまるだけでなく、都市の衰退にも影響を及ぼすからです。

 

そのことはいずれ国家が衰退するということです。

というより、すでにこの国は衰退に大きく傾斜しているのではないでしょうか。

 

木材が重要な資源であるはずが、遠い昔に自由化してから、海外の安い木材に押され、

林業は崩壊に直面しています。

 

農業も同じです。いまや農業人口の実に半数が70歳以上。あと5年、10年もすれば、

農業もいよいよ崩壊の危機にさらされるでしょう。

 

漁業もそうですね。

 

一方で、都市生活者は自分が食べているものがいったいどこの誰が作ったものかも分からない、

ということが多くありませんか?

 

自分の命を他人に預けている割には、そこへの関心が薄く、大量生産・大量流通による

近くて便利でキレイなものに傾きがちです。

 

できあいのそうざいを家族そろっておふくろの味よろしくおいしそうに頬張るCMのような生活では、

その先にある農業者や漁業者の顔を知ることはできないでしょう。

 

安ければそれでよいではないか!といった、大企業が掲げるような論理を自分で展開し、

自分自身が崩壊に手を貸しているという現実があるのです。

 

 

 

「東北モデル」と一言では括れないと思いますが、ヒントになるようなことに出会えました。

 

昨年11月に東松島を訪問した際に、「HOPE東松島」の案内で被災地の現状と復興に向けた

取り組みを伺いました。


ツアーの様子はこちら

/blog/report/cat107/cat268/

HOPE東松島はこちら

http://hm-hope.org/

 

その他、奥会津地方や南相馬市などで、街づくりのために活動されている中間法人や

非営利NPOの人たちと会ってきましたが、共通しているのは皆さん活気があって若くてそして、

外からの移住者が多いということです。

 

         東松島にて。

東松島.jpg 

あの震災を境に(多くはボランティアで訪れたことがきっかけとなって)、都市を抜け出して、

Uターン、Iターン、Jターンした方が結構多いのです。

 

彼らは自らの視点で街の復興のため、行政や農業者・漁業者・林業者の中に入り、

市民と行政、市民と農業者などをつないで、まさに新しいコミュニティ、地域おこし、

経済おこしを行っています。また、「つなぐ」そこには、お年寄りから子どもたちも参加できる

仕組み作りがありました。街づくりの会議に将来、その街を担う子どもたちにも参加してもらう

方法を取り入れるなど、耳に新しいことばかりでした。

 

 

         福島ヒューマンツアーでのワークショップ。

福島ヒューマンツアー.jpg

ここに大きなヒントが隠されているように思えるのです。

 

復興とは元に戻ることにとどまらず、新しい価値に基づいたりコミュニティづくり、林業や農業、

漁業など、作り手が復興の主体となった街づくりのことを指すのではないでしょうか。

定義できませんが、指すとすれば今後はその視点がベースにあるべきかなと。

 

 

 

では、今回行ったツアーについてです。

大地を守る会では、28日・9日の一泊二日で、復興に燃える熱い街・釜石を訪れ、

街おこしのために奔走する若者たちに会うツアーを企画しました。

 

実は大地を守る会のこのようなツアーで、大地を守る会に出荷している生産者ではない方々を

訪ねるのは今回が初めてでした。

 

=======次回に続く・・・・・======

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