2014年3月アーカイブ

2014年3月25日

3/15、「おひさまスパークリング乾杯パーティー」開催

3月15日(土)、春を感じる陽気となった東京丸の内。農園カフェ&バル「Daichi & keats」にて、「おひさまスパークリング乾杯パーティー」が行われました。「おひさまスパークリング」は酒蔵の屋根に太陽光パネルを設置し、製造時の電力の一部として利用した発泡性の日本酒です。今回はこのお酒の完成を、作り手と飲み手が一緒にお祝いをするためのパーティーです。主催は「顔の見えるエネルギープランコンペ」事務局(/cp/d-energy/)。57名(スタッフ含む)が集まりました。

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ゲストは大和川酒造店の杜氏・佐藤和典さん。まずはお酒を造る過程に地域の人や消費者が参加できる取り組みについての話から。秋の酒米の収穫、冬の洗米、麹造り、仕込みなど、いわば酒造りの"肝"となる部分に参加できるもので、貴重な体験機会を提供しています。代表の佐藤彌右衛門さんも『生産者と消費者が、田んぼを渡る風や水の色、空の色を共有することで、本当の意味での安全・安心やおいしさを得られると思います。』と語っています。

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「おひさまスパークリング」のグラスが参加者の手元に行き渡ったところで、杜氏から『まずは乾杯をしましょう。話は後でいいから、まずは味わって下さい』との計らい。この瞬間を楽しみに集まった参加者も、待ってましたとばかりにグラスを手に取り、杜氏の発声で乾杯!となりました。一口飲み、その瞬間、歓声と笑顔が広がります。このお酒は発泡性のにごり生酒。ビン内発酵しており、きめ細かな泡がグラスのなかで踊るようです。

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当日の料理は、5種類のお酒にあわせ、たとえば、菜の花と押麦の塩麹ペペロンチーノ、ローストポーク粒マスタード添え、など特別メニューをご用意いただきました。参加者のみなさんも、ひとつひとつ舌鼓を打ちながら、お酒の美味しさに酔いしれていきます。杜氏も参加者の輪の中に入り、初めて会う人同士もうちとけあって、会場は熱気に包まれました。

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最後は、弊社の戎谷より〆の挨拶。『社会に一石を投じるような価値観を、顔の見える関係のなかで再構築し、それを商品として具現化して流通することにこそ大地を守る会の使命がある。「おひさまスパークリング」の完成をこのように多くの方と共に祝福できることは大変にありがたい。』拍手と共に会場は笑顔に包まれ、乾杯パーティーはお開きとなりました。

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この春からも、「自然エネルギー食堂」(仮称)として今回のような企画を連続して行うべく検討中ですのでご注目ください。
今回参加された方々と、大和川酒造店のみなさま、そしてDaichi & keats料理長はじめスタッフに、感謝を申し上げ、このレポートを終わります。ありがとうございました。

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2014年3月20日

小金井桜祭りで会いましょう!

小金井桜祭りに久慈市のみなさんが来られます。

久慈市(旧山形村)の特産品を販売されます。
*短角牛の生産者の方も検討中とのことです。


●日 時:
4月4日(金)12:00~18:00
4月5日(土)10:00~18:00
4月6日(日)10:00~17:00

●会 場:都立小金井公園(江戸東京たてもの園前広場)

●交 通:
※JR中央線
・武蔵小金井駅からバス5分「小金井公園西口」下車すぐ
・東小金井駅北口からCoCoバス7分「たてもの園入口」下車徒歩3分
※西武新宿線
・花小金井駅からバス5分
・小金井公園西口下車すぐ
※車での来場はご遠慮ください

●販売商品(予定)
1.山形村短角牛の牛串(炭火焼き)
2.いか焼き(炭火焼き)
3.ホタテ焼き(炭火焼き)
4.山形村の郷土料理「みみっこもち」
5.海産物加工品
  
●問合先:小金井市観光協会(℡042-316-3980)


2014年3月19日

「行ってきました!大雪の釜石」―大地を守る会 Meets NEXTKAMAISHI

2月8日~9日に開催した釜石ツアー。
東日本大震災から丸3年を迎え、「復興」や震災への思いは、
特に都市部では遠のいてしまっているのではないか。
被災地を巡るなかで、ひしひしと伝わってきた実感です。

正直、今回のツアーも催行できるのかどうか、直前までとても心配でした。
ところが、ふたを開けてみると多くの方が手を挙げてくださいました。
本当にありがとうございます。
かんたんですが、ツアーの様子をご報告します。

前回の第一弾に書いたように、地域おこし、街おこしには若者が活躍しています。
今回の釜石ツアーでも全く同様でした。今回ご案内いただいたのは、「NEXTKAMAISHI」の
構成メンバーの「三陸ひとつなぎ自然学校」「ヤマキイチ商店」さんなどです。
地域が持つ自然や木材資源、漁業資源などに価値を発見し、地域経済を回すために、
プロボノ的にさまざまなプロジェクトをしかけている総勢60名ほどの団体が
「NEXTKAMAISHI」です。

ツアー当日は、関東甲信越東北のあちらこちらで記録的な大雪に見舞われ、
釜石も例外に漏れず、数十センチの積雪でのお出迎えとなりました。
三陸ひとつなぎ自然学校の代表・伊藤聡さんのガイドで、ツアーのスタートです。

三陸のリアス式海岸は、海岸に出るために一度山を越え、隣の海岸に行くために
また一つ山を越えるという独特な地形です。

ここが津波の被害に遭った街なのか?と一瞬錯覚してしまうほど、周りは山に囲まれています。
実はこの豊富な森林資源が、鉄の街釜石を作るに至る重要な役目を果たしたとのことです(後述)。
 

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三陸ひとつなぎ自然学校代表・伊藤聡さん(釜石市出身)

 
津波が起こったときの慟哭を伊藤さんから直接お聞きし、癒えない傷と、しかし未来に向かって
一歩ずつ踏み出ている姿に勇気づけられ、被害の大きかった鵜住居地区で祈りをささげました。

伊藤さん自身、まだ仮設住宅暮らしですが、
釜石の未来のために東奔西走されているバイタリティーに一同感服です。

このツアーは津波震災を肌で感じること、前を向いて動き出した街の姿を体感すること、
そして普通の釜石市を知り、釜石を身近なものにすることを目的の一つに据えていました。
そこで一行は、鉄の街釜石市の原点となっている「橋野高炉跡」に向かいました。

リアス式海岸が遠い海の底から運んできた鉱物の一つが鉄鉱石。
太古から繰り返される隆起運動、それがもたらす地震と津波。
地球の自然現象は人々に恐怖をもたらす半面、生活に必要な物質も運んでくれています。
 

 
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思わぬ雪中行軍?世界遺産登録を目指す橋野高炉跡

 
日本で最古となる洋式高炉に必要だったのは、木炭でした。
豊富な森林資源を活用して大量の木炭で高燃焼を実現させ、純度の高い鉄を作り上げ、
釜石の港から水戸や江戸に運搬したといわれています。
近代化の中で新日鉄釜石が躍動しましたがそれよりもずっと以前から熱い街だったのですね。

その橋野高炉跡入口のそばで自給的暮らしをされている小笠原静子さんを訪ねました。
自分が食べるモノはできるだけ自分で作るをモットーに、手作りの胡桃餡の餅、
各種お漬けものや山菜、沢の水、山葡萄ジュース、干し柿など、
どれもやさしい味がして冷えた体をホッともてなしてくれました。
 

頭巾姿の小笠原静子さん(右奥)


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一行が宿泊したのは「宝来館」という旅館でした。

 
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この旅館は目の前が海岸です。2階と3階の間くらいまで水が上がり、
助かった人々が寒い中3階で身を寄せ合って途方に暮れていたと聞きます。
 
ここの女将さんは、津波で逃げ遅れた人をすくいあげて助け、
自分自身は津波にのまれてしまいました。
みんなが茫然としているなかの第2波で、なんと女将さんは奇跡的に陸に戻ってきて
一命を取り留めたそうです。

一度は失った命、途方に暮れつつも、女将さんは奮起して宝来館を再建することを誓ったのです。
そして見事に今、営業を果たしています。

========次回に続く=========


2014年3月10日

食品添加物入門講座を開催しました

ご報告が遅くなりました。
1月30日(木)日本消費者連盟と共同で開催しました、食品添加物入門講座の
様子をお伝えします。



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午前と午後にそれぞれ講座が開催されました。


午前の講座では、最初に、日本消費者連盟共同代表の山浦康明さんからご挨拶をいただきました。
山浦さんから、国内では、消費者庁による食品表示の基準作りの作業が進んでいること、
また海外に目を向ければ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の問題があることをお話
いただきました。
TPPについては、食品添加物の基準を含め、食品の安全基準について、
異なる国同士の足並みをそろえるために、一本化することが検討されていること、
一本化のために、食品添加物について甘い基準で各国で同意され、
そのような食品が今後、日本に輸入され、日本にいる我々の食卓に上がる可能性について
説明いただきました。
これからの時代、食品添加物がどのようなものか、これから、どのようにつきあったらよいのかを
知ることは、ますます重要になりそうです。


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食品添加物講座のようすです。
講師は、長年、大地を守る会で品質管理の担当を務める南忠篤です。


食品添加物を規定している「食品衛生法」は、
1947年12月24日に成立され、1948年1月1日に施行されました。
現在のように冷蔵庫の性能も優れていない時代に制定された法律は、
時代とともに見直しされてますが、一方で、制定された時代の影響も多く残っているようです。


食品添加物は、2011年現在で1470種類が登録されて、以降も
その種類は増え続けています。
自然界にあるニガリやイカスミなども、食品添加物として登録されています。


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講座では、具体的に実際に食品添加物を使っている商品パッケージの表示を見ながら、
どのような理由で食品添加物が使われているかを学びました。
内容のなかからいくつかをご紹介します。


①惣菜「手作りひれカツ」に使われている「着色料(アナトー)」。
これは、揚げムラが目立たなくなると理由で添加され、惣菜のパン粉に使われます。
揚げムラがあるとおいしそうに見えない...という消費者の心理からメーカーは添加物を
使うようです。


②コンビニエンスストアで販売されているおにぎりに使われる「PH調整剤」。
ごはんに添加して、ごはんを酸性に保ち、保存性を向上させる目的で使われます。


③ペットボトルのお茶などに添加される「酸化防止剤(ビタミンC)」。
添加する目的は、主に緑茶など、色味が変わるとおいしそうに見えないものに使われます。
①の「着色料(アナトー)」も同様、消費者にとって、どう見えるかの視点から添加される食品添加物です。


その他、市販の海苔佃煮のように、人の手間をかけることができないために
複数の添加物が使われるものもあります。
海苔佃煮の原料は乾燥海苔を使いますが、乾燥海苔は
そのなかに砂浜の石や他の海藻など異物が入っています。
人が手作業で異物をとる作業をするとコストがかかるため、乾燥海苔を水に長時間つけて、
海苔をひらかせ、異物を取り除きます。水に長時間つけることで、うま味も粘性もなくなるので、
食品添加物を使わざるを得なくなります。
手間をかけるとコストがかかり商品の値段が高くなる、それを避けるために、
食品添加物を複数入れる。食品添加物が商品コストを抑えるために使われる実例です。


一方、大地を守る会でご紹介している遠忠食品の「生のり佃煮」は、
すべて、乾燥海苔の異物をすべて手作業で取っています。
そのため、海苔本来の旨みも、海苔の持つ粘性も残っています。
コストもかかり、市販品より価格も高くなりますが、
ラベル裏の表示の違いは歴然です。




消費者が商品の値段や見た目について、どう感じるのか...そこを意識して、
食品添加物が使われる背景が見えてきました。


消費者の意識こそ、食品添加物の問題を改善する鍵であることを学びました。




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