2014年8月27日

イベント「綿から糸を作りましょう」を開催しました

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夏休みに入ってまもない2014年7月23日(水)小学校1年~6年生を対象とした
イベント:綿から糸を作りましょう を開催しました。
写真は、枝に実った綿花。ほんのり茶色。

2013年10月に開催した大人向けの講座のようすついてはこちらをご参考ください。



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会場には、小学生のお子さんと保護者のみなさん50名が集まりました。



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愛知県岡崎市からお越しの講師のファナビス・稲垣光威さん。
講座の始まりは、岡崎について、日本のなかの地理的な位置と産業について、学びます。

会場は品川区大井町のきゅりあん。品川と岡崎は、ともに東海道でつながっています。
そんなつながりを感じながら、講座は始まりました。

明治時代までは、繊維産業が盛んだった岡崎。
しかし今では、岡崎で木綿の生産をしている工場はわずかになりました。
明治時代になると、岡崎だけではなく、日本中で綿や絹の生産は少なくなりました。

現在、「繊維」といっても、かつて日本で生産が活発だった綿や絹だけではありません。

「みなさんの服についているタグをみてください。みなさんの服は何でできていますか?」と稲垣さん。
ふだん着ている上着も、そのタグを見ることは、子どもたちにとってめずらしいことなのでしょう。
Tシャツの脇の下をひっくりかえして、まじまじとタグを見つめる子どもたち。
しばらくすると、会場から、「綿!」「レーヨン!」「ポリウレタン!」「シルク!」「コットン!」「麻!」と
子どもたちの声がひびきます。

私たちがきている衣類は、植物(綿・麻)、動物(シルク(絹)、羊毛)、
鉱物(レーヨン・ポリウレタンなど石油由来)の3つに分類できることを知りました。

「では、どの国でできたと書いてありますか?」と稲垣さん。
子どもたちからは、「バングラディシュ」「中国」「タイ」の国名があがりました。

残念ながら、会場から「日本!」の声はきこえませんでしたが、タグに「日本製」と書いてあったも、
綿花から国産である衣類は、ほとんど流通していないようです。

人間に必要な「衣」「食」「住」のなかの「衣」はほとんど日本で作られていないのです。


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こちらは繊維の当てっこクイズのようすです。
各テーブル数枚の布の端切れが配られ、みんなで何の繊維か、当てるのです。
「これは綿!」という子どもの声のあとに、「大当たり!」と稲垣さん。

しかし、なかには"ひっかけ問題"もあって、なかなか難しい問題も...。
例えば、絹にそっくりな、石油由来の衣類「レーヨン」。
レーヨンは、漢字で、「人絹(じんけん)」と書くぐらい、絹にそっくりです。
そのほかにも、ウールにそっくりな同じく石油由来の「アクリル」などもありました。



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いよいよ、糸紡ぎの実習の開始です。
子どもたちは、綿花を一つづつ手でつみます。
摘み取ったら、席にもどって、ワタとタネをわけていきます。


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こちらが、ひとつの綿の実から手でタネをわけたもの。
タネはワタにからみつくように付いています。


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手で分けるのが大変なタネも道具を使うとスムーズに進みます。
こちらは、昔から日本に伝わる「綿くり機」とよばれるもの。
ワタからきれいにタネが外れてゆきます。



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より分けたワタは、弓のような道具でほぐしてから、いよいよ
自分の手の指で、ひっぱって、ねじることにより、糸にしてゆきます。

綿も、羊毛も、麻も、石油由来の繊維も、すべて、「ひっぱって、ねじる」作業の繰り返しから
糸になってゆくのですね。

もしすべての工程を手作業を行い、
糸から、一枚の衣類ができあがることを考えると、その工程は、
気の遠くなるような作業に思えてきます。

一枚の服には、どれくらいの糸がつかわれているのだろう...。
この作業を知ることで、
毎日の生活でなにげなく着用している服への感じ方が変わるだろうと思いました。



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ワタと分けられたタネは、おうちに持ち帰ります。綿のタネの植えどきは、5月。
綿花が実るのは、秋。
写真は、今年の秋にタネをまいた綿の苗です。


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講座のしめくくりは、子どもたちみんながお待ちかね! がら紡機での糸作りです。
ハンドルを回すだけで、同時に数本の糸が同時にうまれるがら紡機。
こちらは明治初頭に、臥雲辰到(がうんときむね)という人が作った誕生した画期的な機械のミニチュアです。
糸を手で紡いだあとにだけに、その機械の威力のすごさを子どもたちも実感したことでしょう。

大地を守る会では、こちらのがら紡機で作ったふきん「三河布史(ぶし)」を
『ツチオーネ』でだいたい4週に1回のタイミングでご紹介しています。

今週8月25日~配布の『ツチオーネ』137号でご紹介予定です。
ぜひ、お手に取り、明治の技のぬくもりを感じてみてください。



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