<02>生産者に会いに行こう!: 2013年9月アーカイブ

2013年9月30日

ヤマキの手作り味噌同窓会

日時:2013年9月22日(日)
場所:ヤマキ醸造(埼玉県神川町)
参加人数:15名
主催:ヤマキ醸造

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味噌や醤油でお世話になっているヤマキ醸造の外観。
この写真ではちょっとわかりにくいですが、左手奥の工場の屋根には太陽光パネルが設置
されています。

この企画は、毎年1月、2月に開催している「手作り味噌教室」の中から生まれたものです。
せっかくみんなそれぞれのお味噌を仕込んだのだから、半年ちょっとしてから、どんな味に
仕上がっているか?食べ比べてみたいよね、と。
ヤマキ醸造で味噌教室の講師を務める森田和彦さんからも、ぜひそういう場を企画したいとの
申し出がありました。
参加者はそれぞれが仕込んだ味噌を持ち寄って集まりました。


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この写真のふたつの味噌は、いずれも2月17日に手作り味噌教室にて仕込んだもの。
でも、この7ヶ月ちょっとの間、寝かせていた場所、容器等、いろいろな違いがあるのは
もちろん。そのため、色合い、風味も異なる様子。まさにそれぞれの「手前味噌」。


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参加者はそれぞれの味噌の味見をしながら、「こんなところに置いていました」「いつ頃こうしてみた」「次はこんな風にしてみようかしら」などと情報交換しました。


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森田さん(右)にも味を見ていただきました。
「みんなうまく仕込まれています。 容器から取り出した味噌は冷蔵庫に入れてください。
でも、全部を移さなくてもかまいません。さらに熟成させれば風味も変化して楽しめますよ。
例えば、涼しくなると活躍する菌もいて、乳酸、酸味が増すことで、塩味がまるくなる、とか」
とのこと。
なおその際、重石ははずしてかまいませんが、表面にラップはして空気には接しないように
することは必要です。


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この日は地元の料理研究家・大石陽子さんが昼食を用意してくださいました。
味噌も、そのままではなく、ネギや胡麻やキノコ類などを下ごしらえしたうえで混ぜると、
それぞれ風味のある混ぜ味噌になります。この日も3種類用意してくださり、
温野菜やおにぎりに乗せて味わいました。


無事、味噌の同窓会が終了した後は、ヤマキさんが企画実行している「畑の樂校」の現場を
見学しました。

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この日はサツマイモの試し掘り。味噌の同窓会に連れて来られた子どもたちも、興味津々。
「畑の樂校」に通っている子たちはさすがに手慣れていて、積極的に土や植物に触れている
のを、ちょっと後ろから見守っている感じでした。

ヤマキさん、また来年の味噌作り教室、よろしくお願いいたします。
奥の深い発酵食品の世界を、まずは手前味噌作りから、みんなで味わってまいりましょう。

                                            (交流局担当事務局)











2013年9月28日

9/7に「鶏肉の飼料について学ぼう!」おこないました

まほろばライブファームの伊藤幸蔵さんを講師に招いて、肉鶏生産の国産飼料やアニマルウェルフェア、こだわりについてお話をうかがいました。

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最初は、大地を守る会の勉強会のために、ブラジルから帰国したばかりのオルター・トレード・ジャパンの印鑰(いんやく)智哉さんから遺伝子組み換えの状況をご報告いただきました。
ブラジルの遺伝子組み換え大豆は、1998年には消費者運動により一旦は栽培禁止を勝ち取るも、
2005年には栽培が認可されてしまいました。

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その後、農薬体制があるGM大豆の栽培面積が急増し、あわせて、農薬の空中散布がひろがりました。
そして、ガンや白血病、先天性の欠損症、流産などの健康被害をもたらしています。
さらに、農薬耐性を身につけたスーパー雑草の出現により、第2世代の遺伝子組み換え大豆が2014年からはじまります。これは、農薬耐性にくわえてBtという殺虫効果を組み込んだ大豆です。これは、この大豆や歯や茎を食べると害虫が死んでしまうという特性を持ったものです。餌や食料として食べるのも、近隣への健康被害にも大きな影響を与えそうです。
今、ブラジルでは「ブラジル非遺伝子組み換え穀物生産者組合(Abrange)」が結成され、非遺伝子組み換えの大豆栽培に取組んでいます。
彼らは、「まだまだ私たちには充分な非遺伝子組み換え大豆の供給力がある」と言っています。豆腐や納豆、そして、畜産飼料として大豆とは切っても切れない日本の食生活。このような海外の生産者とも連携を強めていきたいと思います。

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伊藤幸蔵さんからは、世界の遺伝子組み換え作物の作付状況の説明がありました。なんと、大豆では全世界の81%が遺伝子組み換え大豆になっています。養鶏で大きく依存しているアメリカのトウモロコシも88%が遺伝子組み換えです。

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そこで、米沢郷グループでは、地域で連携して、飼料米の作付を拡大してきました。大地を守る会も構成メンバーとなっている「置賜畜飼料米生産利用協議会」では、2008年5haだった飼料米の作付を72haまで拡大してきました。
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米沢郷グループ全体では、年々飼料米の配合比を高め、約7%が地域で生産したお米を活用しています。
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大地を守る会で販売している「「コメから育てたTHAT'S国産鶏」は、その中でも最も先進的な取り組みで、飼料米を約60%、それ以外の餌もしょうゆ粕、鮭の食べられないところなどを有効利用して、99%が国産飼料で育てられたものです。トウモロコシを主体として育てた鶏肉と食べ比べると、さわやかな甘みが感じられます。まだ、年間で販売するまでは数量がありませんが、継続して応援していきたいと思います。
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米沢郷では、アニマルウェルフェアを意識した飼い方を心がけており、一般では坪あたり55~60羽が飼われているところ、37~45羽としっかり羽を広げて運動できるスペースを確保し、健康に育てています。
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もちろん、健康に育てることで抗生物質を使用することなく育てています。しかし、日本全体をみると786トンもの動物医薬品が販売され、うち、肉養鶏では年間61トンが使用されています。

参加された会員の方も、ニワトリの飼い方、薬、餌の問題と普段では聞くことのできない、養鶏の実際に驚き、まほろばライブファームの取組みにあらためて感心されていました。
これからも、食べることで応援していきたいものです。




2013年9月 8日

第31回 久慈市山形べこツアー報告(2日目&3日目)

2013年7月13日(土)~15日(日)に開催された「久慈市べこツアー」の2日目と3日目の報告を以下(少々間が空いてしまったこともありますが、写真を中心に簡潔に記します)。

7月14日(日) 2日目
この日は、久慈市の海岸部へ。山形町での宿舎(平庭山荘)からバスで玉の脇漁港へ。そこからは船に。

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船上からの風景。この写真ではわからないが、海から山に向かって冷たい風が吹いている様子が雲の流れ等から明らかだった。いわゆる「やませ」である。
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船は小袖漁港へ到着。テレビドラマ「あまちゃん」で一躍有名になった所。今回のべこツアーで海岸部を訪ねるかどうかは検討対象となったが、久慈市ということ、この機会に「震災・津波」の被害を受けた現場を訪ねて、復興の様子をじかに見ることの意味をこめての選択となった。もちろん、道路や沿岸部が、安全に行き来でき、漁業も復活しつつある段階にはなっていたことも当然ある。
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このような記念碑も。
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「あまちゃん」にちなんでの観光案内とともに避難マップも掲示されていた。この掲示板のすぐ後ろは震災・津波のときは大きく被害を受けた。
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小袖漁港から再度玉の脇漁港にバスで戻り、ウニの殻むき体験。なお、2010年のツアーでもここは訪問しているが、建屋はもちろん津波の被害で全損してしまったものを再建した。
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自分でむいたウニをたっぷりいただく。
なお、ここでは漁業関係者から、震災・津波のときの様子をじかにお聞きした。あれから2年と4カ月。なんとかこうして漁業を再開できるようにまではなったが、まだまだ復興の途中である。
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バスで山形町の内間木(うちまぎ)地区へ戻る。ここでは、プログラムをいくつかに分けて、子どもたちもいっしょにたっぷり山での遊びを体験。大人は土地の方々ともゆったり交流。
魚つかみの様子。
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大人も夢中。
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ツリーイング。ロープを使って、安全に木登り。こうしたプログラムはこのツアーのためだけではなく、現地ではいろんな地域からも参加者を募って実施している。木に接し、林業の一端を垣間見る、そして山で楽しめる遊びとして、とても有効な機会となっている。今年はやらなかったが、シャワークライミング(ちゃんとした装備をしての沢くだり)やカヌー&カヤックなども、可能な環境。
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木工体験。道具はそろっているので、指導を受けながら工作。
写真にはないが、洞窟体験もできた。いずれのプログラムも、現地の専門の方々がインストラクターとして、ていねいに導いてくださった。
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なお、2日目の晩は、参加者は各家族ごと、グループごとに分かれ、生産者をはじめとする山形町の皆さんのお宅に民泊させていただいた。これもべこツアーの最大の特徴。




7月15日(月) 3日目(最終日)
バッタリー村訪問。これは「木藤古(きとうご)集落」の別名。バッタリーとは、昔から山形町に伝わる精穀・製粉のためのきねの役割をする木製機械で、沢のわずかな水力を巧みに利用する。木藤古集落には、様々な施設が開設されている。
写真、帽子をかぶって白いシャツが木藤古村長。
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木の皮をはいで何かを作ろう、という木工体験。女の子がかぶっている帽子は既に作られていたものだが、村長から「この帽子をかぶったら村民だ!」と言われて、みんな交替にかぶってみた。
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豆腐作りも体験。
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やぎとも触れあう。
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バッタリー村憲章。今回とても紹介しきれないが、こうしたコンセプトのもと、炭焼き体験窯・ふるさと荘(囲炉裏や石臼あり)・ふれあい結いの森・等々、さまざまな施設・試みがなされており、べこツアーのみならずいろんな人々が訪ねに来る場となっている。以前訪ねたときは、岩手大学の学生が研究対象として調査にも入っていたりしたことも。バッタリー村は、都市農村交流の事例として、実にユニークな活動を展開していると言える。
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昼食にいただいたべこ汁。豆腐は作ったばかりのもの。
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「生き生き創作館」と呼ばれている茅葺の家の前で集合写真。
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いよいよお別れ。短くんも見送ってくれた。また来年!
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今年のべこツアーは3日間、好天にも恵まれ、事故もなく無事開催できた。生産者の皆様をはじめとし、山形町のいろんな方々のおもてなしがあってこそのこのツアー。加えて、久慈市沿岸部の皆様とも今回は接することができ、多くの感動を得た内容となった。なにしろ31回も、毎年休むことなく続いているというだけでも特筆に値する。来年もまた交流を深め、新たなる出会いとなるよう、ツアーは続く。
                                         (報告:交流局 担当事務局)






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