<05>知って学ぼう!: 2010年8月アーカイブ

2010年8月31日

夏休みに親子で水の授業を開催しました。

ユージこと大北雄二です。

 

夏といえば、水の使用量が急増する時期。

同時に水道料金に頭を悩ませ、水の大切さを感じる方も多いのではないでしょうか。

そんな夏休みの始めの7月29日(木)に、

水のスマートユース(水のスマートな使い方)を、親子で学べる水の授業を開催しました。

 

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参加者のみなさんには6人1組の席に分かれた座ってもらいました。

テーブルごとに「土」、「海」、「川」、「山」と言ったテーブル名が。

そして、サイコロやビーズが置いてあります。

さてどんな授業が始まるのでしょうか? 

 

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水の授業の先生は、水ジャーナリストの橋本淳司さん。

日本のみならず、世界各地の水問題を取材し、水をテーマに執筆活動をされています。

同時に、大学、高校、小中学校などで、水の大切さを伝える「水の授業」を行なっています。

今日は、子ども向けの授業が得意な橋本さんならではの、

ユーモアあふれるワークショップ形式の授業が展開されました。

 

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このワークショップでは、3つのことを学びます。

1つめは「水の循環とは何か」

2つめは「水の循環を変える要素は何か」

3つめは「水の循環を正常に保つ要素は何か」です。

上の図は、水の循環図です。

水は、海から空へ、空から山へ、山から川に流れて、また海へ、という流れを

繰り返しています。

私たちが使っている水道の水はどこからやってきたのでしょうか。

そして風呂場や洗面所、台所で使った水はどこに流れていったのでしょうか。

ちなみに、橋本先生がある大学で授業をした時に、

「僕の家は蛇口から水が出るので、川が汚れても大丈夫です。」

と真面目に答えた大学生がいたという、笑うに笑えないエピソードから

この授業を思いついたそうです。

まずは、この水の循環をゲーム感覚でイメージしてもらいました。

 

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用意したのは、まずサイコロ。

サイコロの面には、テーブル名と同じ

「海」・「川」・「山」・「雲」・「地下水」・「動物」などと書かれています。

そして、ビーズとひも。

 

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サイコロを振って、出た名前の席に移動。その席のビーズをひもに通す。

これを何回か繰り返します。

そしてそれぞれが出た目から水の循環を考えます。

例えば、「山」→「動物」→「川」→「海」と出たら、水はどんな動きがあるのか、

水の気持ちになって考えます。

 

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「山の水を動物が飲んで、おしっこが川に流れて、川から海に流れました。」

子どもたちも一生懸命考えながら、自分なりの答えを出します。

参加した子どもたちの環境意識の高さに驚かされました。

 

水の循環を理解したところで、次のステップへ。

 

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テーブルには水の循環図が描かれた、A2の模造紙が置かれます。

テーブルリーダーが書記となって、

・水の循環に人間がもたらす影響とは何か

その次に

・それらの影響を解決する方法は何か

大人も子供も真剣に話し合って書いていきます。

 

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そしてそれぞれのテーブルで特徴的だった意見を発表します。

ひと口に水の循環図と言っても、私たちは生活の多様な場面で

直接的・間接的に水を使っています。

ですから、それぞれのテーブルの書き方、意見もそれぞれ違ってきます。

そんな多種多様な意見を全員で共有するのが、橋本先生のねらいなのでした。

 

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 「生活排水を減らすために、食器は汚れをふきとってから洗おう。」、「夏の冷房を減らそう。」

という意見を出す班から、

「ダムをやめよう。原発もやめたら冷却水を使わなくてすむ。」との意見まで、

本当に多種多様。

「農業用水で環境を汚さないために、農薬の軽減や、牛や豚のの糞尿を肥料にするなど

循環型農業をめざそう。」という意見もあがっていました。

 

橋本先生からは、水のスマートユースを実践するための考え方を話していただきました。

1.使う水の量を減らす

   ・・・節水型トイレ、節水型農業、食べ残しを減らす。

2.いままで使っていなかった水を使う

    ・・・雨水を、農業や生活用水に活用。

3.水をあまり汚さない

    ・・・お皿の汚れはふき取ってから洗う、食べ残しを減らす。

4.水循環への介在を減らす

    ・・・水源の森を守る、透水性舗装の道路を増やす。

この4つの考え方から今すぐにでも家庭で実践できることはたくさんあるでしょう。

ちなみに我が家では子どものビニールプールで使った水をトイレの流し水に使っています。

 

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最後に、授業のまとめとして、

「水と食べ物とエネルギーは一緒に考える必要があります。」と

橋本先生は話しました。

この3つのバランスがみだれると水循環がくずれるそうです。

食べ物を作るためにはたくさんの水とそれを運ぶためのエネルギーが必要です。

きれいな水を作るためには下水処理などでエネルギーが必要です。

また、高エネルギーは地球温暖化をもたらし、水循環に大きな影響をもたらします。

安全な水を次世代に残すためには、エネルギーの少ない方法を選択することが、

水の循環を守ることにつながるのです。

 

環境問題は知るだけでなく、日々の生活の中で実践してこそ。

楽しく学んだことを活かして、日々の暮らしにどう役立てるかは参加者ひとりひとりへの

夏休みの宿題となりました。

 

大地を守る会 交流局 大北雄二



2010年8月26日

神泉・畑の樂校に行ってきました!

とらちゃんこと虎谷健です。

お盆も過ぎてもまだ残暑が続いておりますが、皆さまどんな夏休みを過ごされましたでしょうか?

お盆の帰省ラッシュの真っただ中でも畑はやる事がいっぱいです!

8/15に「神泉・畑の樂校」の畑の管理に出かけてきました。

 

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8月半ば過ぎの畑の様子です。

手前の大豆が大きく育ち、いつもの場所から写真をとっても全体が見えなくなるほど育っています。

 

 

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花が散って鞘ができています。

まだ豆は育っていません。まだすかすかのぺったんこです。

 

 

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さつまいもです。前回、草に埋もれかけていましたが、さつまいもの方が勢力を増しています!

このまま草に負けずに頑張ってくれ!(...というより負けないでください。)

 

 

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モロヘイヤです。こちらは今が旬とぐんぐん成長しています。

モロヘイヤは葉だけをちぎって食べるのが普通、と思っていたのですが、農家さんから「茎も手で

折れるくらい柔らかい部分は一緒に食べれるよ。」と教えてもらいました。

出荷の時は手で折って収穫しているので、袋に入っている茎はそのまま食べれるということです。

皆さんも茎も一緒に召し上がってみてください。

 

 

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左手はゴマです。花も咲いてきました。ピンク色のかわいい花です。

ゴマの隣に黒いビニルシートが張ってあります。

これは種を植える前に黒いビニルで太陽の熱を集め、地中にある雑草の種や虫などを熱で殺して

しまうためです。2週間ほどしてビニルを外してから種を植えます。

除草剤や殺虫剤を使わない栽培で使われる方法で、完全に駆除することはできませんが、苗が

雑草に負けてしまうことをある程度防ぐことができます。

この方法を使うにはこの一番暑い時期にビニルをかける必要がありますので、その作業も結構

大変です。この場所は白菜やキャベツなどを定植することを考えています。

 

 

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ゴマの花はこんな感じです。かわいい花ですね。

ちなみに、ゴマの茎はきちっと正方形を していて、初めて見た時はちょっと感動しました。

自然界で四角いものってあまり見ません・・・。

 

 

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ナスです。こちらも今が盛り!と鈴なりに実をつけています。

あまり頑張って実をつけてしまうと秋になって株が弱ってしまうので、ちょっと勢いを止めて

やらなくてはなりません。その方が長い期間、収穫を楽しめます。

実を取った後、枝をカットして、スコップでザクザクッと拡がった根っこを切ってやりました。

こうすると一時的に勢いは弱まりますが、しばらくするとまた実が付くようになります。

 

 

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長ネギも順調です!草取りと土よせも行いました。 

 

 

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まだ残暑厳しい夏の真っ盛りですが、秋冬の作物の準備も始まりました。

人参の種まきです。おーい、皆さんおしゃべりに熱中していると、どこに種蒔いたか判らなく

なっちゃいますよ!(笑)

人参はセリ科で水が好き。播種してしばらくは水やりが必要です。

この作業は申し訳ありませんが地元のヤマキさんにお願いしてしまいました!

 

 

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こちらはレタスの種をまいています。

レタスは種を直接畑に落とすのではなく、一度水に浸して冷蔵庫に入れて寒さにあててやります。

こうすると「あれ、寒さが過ぎて暖かくなった!芽、ださなきゃ!」と思うのか、一晩で根が動き出します。

「休眠打破」というそうです。

暑い中、一粒ずつ種を蒔く地道な作業をして頂きました。

 

 

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芽を出してもまだ暑いですから虫たちがまわりにウヨウヨしています。

この時期厄介なのが成虫になりきっていないコオロギです。成虫は肉食ですが、幼虫の間は雑食で

新芽を食べてしまいます。芽を食われないようにネットで防ぎます。

この場所は、太陽熱で雑草の種と虫を殺す黒いビニル張りを2週間以上していた場所です。

栽培は数週間先を見越して作業を行わないと間に合わないことも多いので気を使います。

左隣は落花生です。こちらもだいぶ大きくなりました。もう、草に負ける心配はありませんね!

 

 

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今日も皆さん、半日作業お疲れ様でした!

草とりも行い、秋冬野菜の播種も終わって一息ついた畑の樂校の畑です。

次回の作業は9月。いよいよ「収穫の秋」・「食欲の秋」にむかってまっしぐらでございます。

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年8月23日

鹿、いのししの増加への対策。生産者の取り組みを見てきました!

とらちゃんこと虎谷健です。

鹿やいのししに畑を荒らされて困る、というお話を農家の方によく聞きますが、実際にどのような

場所に出没しているのか、どのような対策をしているのかを見せてもらいに出かけてきました。

 

訪ねたのは群馬県甘楽町の農家さんで、農業被害対策に罠を仕掛けて鹿やいのししを捕獲して

いる方です。

5月に行なった「キウイフルーツの花摘みお手伝い&フランス料理で畑丸ごとクッキング!」企画では

地元食材の一つとして鹿肉といのしし肉を提供していただきました。

通常、狩猟期は11月15日から翌年2月15日までですが、農業被害の大きな地域では町の許可を

受けた狩猟免許所持者が「有害鳥獣駆除」として畑周辺に限り狩猟期以外でも捕獲ができます。

 

 

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罠設置場所は人里離れた山奥かと想像していましたが、意外と人気の多い貯水池の近くでした。

白鳥のボートも浮かんでいます。この山の裏側に集落がありそこの畑が食害にあっているようです。

 

 

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白鳥ボートの浮かぶ貯水池に続く道。この道を横断して獣たちは山と畑を行き来しているそうです。

畑のすぐ脇まで山が迫り、耕作放棄地も点々と広がっていました。このような畑に身を隠しながら

里山に近ずき、日没後に畑に現われて食害を引き起こしているようです。

畑の作物を覚えた動物は里山から離れず食害を繰り返すそうです。

山で餌を探すよりまとまって食物が得られますし、山で得られる餌よりはるかにおいしい作物の味を

覚えたらこの場所を離れがたい事は容易に想像できます。

 

 

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畑に点々と残る足跡。

鹿、いのしし、ハクビシンにタヌキ、テン。・・・時にはクマの足跡も見つかるそうです。

足跡の土の崩れ具合によって新しい足跡かそうではないかを判断し、罠を仕掛けるか否かを判断します。

 

 

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畑の隣に広がる耕作放棄されてしまった畑。悲しいかな、生産地でごくふつうに見られる風景です。

「ここは畑です」と言われないと気がつかないまでに草に覆われており、その先は山に連なっている

ので獣が容易に侵入できそうです。

これではいくら良い作物を作っても片っぱしから獣に食べられてしまうことでしょう。

電気柵などで畑を囲むしか作物を守る方法はなさそうです。

このような風景を見ていると、農業は一部の人が頑張っていても成り立たず、地域が元気でないと

立ち行かない仕事であることを痛感してしまいます。

畑だけでなく水田でも上流の耕作条件が悪い田んぼが放棄されてしまえば雑草の種などが流れて

下流の水田で雑草がはびこってしまう事が想像できます。勢い、除草剤などに頼らざるを得ません。

水田は水路の整備、清掃などで畑以上に地域の力が必要そうです。

 

 

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畑の脇に「くくり罠」が仕掛けれていますが見えません!

鋼鉄製のワイヤーで輪を作っており、獲物が足を置くとバネが外れてワイヤーが足を締めつけ、

捕獲します。

捕獲対象の獣は鹿といのしし。間違ってクマなどがかからないように輪の直径の大きさは厳密に

決められています。

もし、万が一、クマがかかってしまった場合、町に連絡すると獣医さんが来て麻酔をかけ、奥山に

放獣するそうです。

 

 

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罠設置場所近くには警告文が設置されます。

皆さんも山でこのような看板を見かけたら近寄るのはやめましょう!地元の猟師仲間でさえ

仲間の仕掛けた罠の場所が判らない場合は近寄らないそうです。

設置場所はだいたい地元の方しか訪れない場所に設置することが多いそうですが、要注意なのが

夏のこの時期。

クワガタ虫などを探して町の人が「まさか!」と思う様な場所まで足を踏み入れることがあるそうです。

間違って罠にかかってしまえば怪我をすることは必至ですが、罠に獲物がかかっていた場合、

興奮した動物に襲われてしまうこともあります!

鹿は足の蹴る力がものすごく強く、大人でも大けがするほど。

いのししは逃げ場がないと判ると人の足の間に突進し、股に牙を突き上げるそうです。

人間の足の付け根には大きな血管がはしっているので、そこを突き上げられたら失血して死んで

しまいます。

「いのししはクマより怖い。日本で一番の猛獣」と表現する猟師さんもいるほどです。

 

 

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こちらは竹林に残るけもの道です。

「ここだよ。」と指さしてもらわないと判りませんでしたが、確かに獣一頭分の幅で道が続いています。

猟師さん達は傾斜や木のはえ具合を見て、どこに足をつくか想像し罠をしかけます。

 

 

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罠をかける場所が決まりました。

輪っかの下が落とし穴になって、獲物が足を置いて体重がかかると輪が締まり獲物を固定します。

ワイヤーの端は木に固定されており、ワイヤーが締まって遊びができた範囲でしか動けなくなります。

ただ、かかった獲物が暴れて宙ぶらりんになってしまうような不安定な場所には仕掛けません。

かかった後の回収も考慮にいれて罠の場所を決めます。

 

 

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土や枯れ葉をかぶせて設置完了です。

 

以前の獣は、人に気配を察知されないように遠回りをして罠を仕掛ける場所に接近したりした

そうですが、今の獣たちは人慣れしているのか人の臭いをあまり気にしないそうです。

それよりも嗅ぎ慣れている土の臭いに違和感があると警戒するとのこと。

罠を設置するために掘り起こした土は、別の場所に捨て表土と掘り起こした地中の土の臭いが

混ざらないように配慮するそうです。

 

あとは獲物がかかるのを待つだけですが、罠を掛けると毎日見回りをしなくてはいけません。

罠にかかった獲物を放置して死なしてしまうことは一番恥ずかしい事だそうです。

 

生きているうちに回収して放血などを速やかに行わないと、肉に血液が残り、臭いがついてしまい、

食べれなくなります。生きているうちの回収もできるだけ早い方が良いとのこと。

罠から逃れようと暴れる時間が長いほど、体内の糖分を消費してしまうのでおいしくない、ふやけた

肉になってしまうそうです。

また苦しむ時間をなるべく少なくしてあげたい、という気持ちの表われでもあるようです。

 

以前銃猟ハンターさんから聞いた「クリーンキル」という言葉を思い出しました。

これは「当らなくても良いから頭部を狙って一発で仕留めろ」という教えで、獲物が苦しむ時間を

少なくするための配慮です。

頭部を撃ち抜かれた獲物は脳味噌が吹き飛び目玉が飛び出し、狩猟に慣れたハンターでさえ

二目と見たくない状態となるそうですが、獲物にとって一番苦しむ時間が少ない。

撃たれた事さえ気がつかないかもしれません。肉には傷が付いていないので最大限食べてあげる

ことができます。

 

では、罠の場合、どうやって捕獲した獲物を回収するのでしょうか?

相手は動く自由を奪われ、興奮した野生の獣です。

今では町の協力で有害鳥獣の許可を得たハンターに連絡がいき、猟銃でとどめを差してもらうそう

です。

 

ただ、農業被害が始まった当初は猟をする人は誰も居らず猟友会の協力も得られなかった、とのこと。

農業被害を見かねて「これは俺がなんとかせにゃいかん!」と罠免許をとったばかりの頃は、

一人で棍棒一つでとどめをさしたそうです。

(※現在では狩猟法により棍棒や槍の使用は禁止されています。)

「いのししが俺を見つけて突進してくるだろ、ワイヤーが伸び切ったところで足をとられ、ガクッと膝を

折るんだわ、その瞬間に眉間に棍棒を振りおろして仕留めるんだ。」とのことです!

現代人が体験し得ないような野生動物との真剣勝負です。

いくらワイヤーで固定されているといってもワイヤーが外れない保障はありませんし、大きないのししは

ワイヤーをひきちぎってしまうこともあるそうです。

 

仕留めた獲物はすぐに内臓を出して放血して肉に血がとどまらないようにしないと、おいしい肉が

手に入りません。獲物の肉は精肉やミンチ肉、ハムを作って残らず利用するそうです。

 

どうしてそこまでして罠を仕掛け駆除をするのでしょうか?

「丹精込めて育てたじゃがいもが一晩で食い荒されたらそりゃ、くやしいさ。獲ってやろう、という

気にもなるさぁ。でも、どうして俺がこんな殺生までせにゃいかんのだろう、とも思ったが集落で

被害がでてりゃ誰かがやらなきゃいけないことだ、と自分を納得させたんだ。」とのことでした。

 

今では地元の若い農家仲間も猟に関心を持ってくれ仲間が増えているそうです。

仲間が一人でもいると罠の見回りの心強さも段違いだそうです。携帯電話の普及も心強さに

一役買っています。

一人ですると弱気になりがちな獲物の解体も、数人がかりならにぎやかに手早く行なうことができます。

 

得られた肉は地元の家々に配るとみな喜んでくれ、それが嬉しい、とのこと。

農村では野菜はふんだんに手に入りますが、肉はなかなか手に入りませんから貴重な自然の幸

なのですね。

 

春に行なった「畑丸ごとクッキング!」企画では、甘楽町のスタッフのみなさんもフランス料理流の

野生肉の下ごしらえを教わったので、鹿、いのしし料理のレパートリーも増えたそうです。

フランス風のジビエ料理が甘楽町の名物になるかもしれませんね。

 

過剰に狩猟してしまうことは良くありませんが、このような有害鳥獣駆除で得た肉が地元の幸の一つ

になることは良いことだなぁ、と思いました。

お土産に数キロの鹿といのししのお肉を頂きました。冷蔵庫にたっぷりと肉があると「これで我が家

の食はしばらく安泰!」となんとも豊かな気持ちになりました(笑)。

 

皆さんも旅行に出かけられた先で鹿やいのししの料理に出会ったらぜひ試しに食べてみてください。

その料理は農業被害に困っている地元の方が工夫して地元名物に仕上げた成果かもしれません。

 

大地を守る会では、秋の猟解禁に合わせて今年もエゾシカ肉を扱う予定です。

まだ試されていない方はぜひチャレンジして味覚の幅を広げてください!

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年8月13日

食品添加物講座を開催しました!

7月16日(金)に食品添加物講座を開催しました。

講師は大地を守る会・品質保証グループの南忠篤です。

 

 

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昨年の12月に引き続き、人気の講座になりました。

今回は、40名のみなさんにお越しいただきました。

 

今回のテーマは「調味料のなかに入っているものは?」。

そうめんをはじめ、麺類がおいしいこの季節。

同じようにみえる調味料でも、添加物を切り口にすると違いがみえてきます。

 

講座は食品添加物の基本的な考え方を押えたうえで、

大地を守る会の調味料と他社製品のラベルを比較し、説明するという流れで行われました。

醤油、だしつゆ、だしパック、ソース、ドレッシングなどを比較すると見えてくる違い。

 

食品添加物は、豆腐やこんにゃくの凝固剤のようにいれなければ製品自体が

成り立たないものがある一方、本当に食品添加物を入れる必要があるのか、

よくわからないものがあることがわかりました。

 

 

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私が一番印象的に感じたのは、講師の「毎日使う調味料こそ、添加物のないものを使いましょう」と

いう言葉。

添加物に頼らない味覚作りは毎日の食生活に欠かせない調味料から。

そこから添加物のない味に舌が慣れていることが大切なのですね。

調味料選びの大切さを実感した時間でした。

 

大地を守る会 交流局 小木曽隆子



2010年8月11日

「神泉・畑の樂校」企画に行ってきました!

とらちゃんこと虎谷健です。

暑い日が続いておりますが皆さま、体調など崩されておりませんでしょうか。

虎谷は7月中旬から毎週末、枝豆だ!スイカだ!とうもろこしだぁ~!と畑イベントが続いていますが、

ここで夏バテしてのびてしまうわけにはいきません!

うなぎや豚肉、おくらやモロヘイヤといったヌチンたっぷり、ヌルヌル系野菜をガシガシ食べて

がんばっております!

っといっても、実は暑さに体が慣れてきているためか、畑にそよぐ風が町よりもやさしいためか

畑にいることがそれほど苦になりません。

むしろ事務所のある六本木への通勤の方が、ビルやアスファルトからの照り返し、クーラーからの

排気熱、乗用車の排気ガス(場所柄か大型車、外車が多い!体重50~60kg程度の人間を数人

運ぶのに大きなエンジンを積んだ車など必要ないと思うのですが...)などで、四方八方から

あぶられている感じで耐えがたい暑さでございます。

さらに朝の六本木の街は「昨晩の無礼講」の余韻があちらこちらに残っていたりしていて、勤勉意欲が

そがれます。困ったものでございます。

今日は東京を離れ、緑と湧水豊富な神川町に行ってきました!

 

 

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8月上旬の畑の様子です。

3週間前、梅雨明け直後にあれほどきれいに雑草を刈り取ったのにこの有様です。

ここ神川では梅雨明け直後から雷雨を伴う強烈な夕立ちが数日続き、畑はたっぷり水分を含み、

その後の連日の猛暑で雑草もぐんぐん成長をしたようです。

それにしても大豆も大きくなりました!

 

 

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ちなみにこの写真は2週間前「たまなびファーム」の企画で草取りをした時の様子です。

次の写真と比べると大豆の大きさが全然違いますね。たった2週間でこんなに育ちました。

 

 

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さすがにプロの農家さん、雑草がちゃんと抑えられております。

 

 

 

 

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畑の中の様子です。

左はモロヘイヤです。今や夏野菜の定番ですね!

葉をちぎって茹でて酢醤油などで食べるとヌルヌルした食感がいいです!体に良さそう!

右のとうもろこしは今回収穫をし、茎は倒してしまいました。

このとうもろこしは地元の農家さんがずっと種をとっていたもの。粉にして食べるタイプのもので、

実の色は白。あまり甘味も強くありませんが、虫があまりつきません。

細かな世話ができない畑の樂校向きです。

畑に置き過ぎると硬くて粉っぽくて食べにくいですが、少し若めで収穫すれば「にちゃっ」っとした

食感で普通に食べることができます。食べ慣れると結構おいしく感じられます。

 

 

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トマトです。ちょうどタイミングよく真っ赤に熟れていました!

これらはこの日、作業の途中に食べてしまいました!冷えてはいなかったけれど美味しかった!

 

 

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こちらはきゅうり。

遅いタイミングで種を蒔いたので「育たないかな...。」と期待薄で支柱への結びつけもしていなかった

のですが大きくなっていました。大急ぎで支柱に結びつけてあげました。

 

 

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さつまいもです。

「ツルが伸びて雑草を抑えてくれるだろう...。」と草取りをさぼっていたのですが、すごいことになって

いました!ここも急いで草取りをしなくては!

 

 

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草や作物だけではありません!バッタもでかくなりました!

そういえば、きみも3年前に会った時よりたくましく、大きくなったね!

草取りをしているとバッタやキリギリスもたくさん飛び出てきます。

 

   

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水はけのよくない場所から植え替えた長ねぎも無事に成長をしています!

草を刈って土よせをしてあげました。

 

 

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あまりの草の勢いの凄さに「まわれ右して帰りたくなるよね!」などと軽口をたたきながらも、

コツコツと作業開始です!

昼近くなると暑くて作業できなくなるので、ポイントを決めて大急ぎで作業を行いました。

皆さん、暑い中参加してくださってありがとうございます!

草の海の中で黙々と草取りを続けていて「もう、今日は他に誰も来てくれないかなぁ、暑い

もんなぁ...。」などと弱気になっているところに、「遅れてすみません~。」と参加者の方が到着すると

その方が輝いて見えます!

「遅れてすみません、など、とんでもありません!来て下さっただけで感謝でございます!」と

感謝の気持ちがあふれます。

普段、人への感謝の気持ちを忘れがちな私にとってこの企画は「人への感謝」を思い起こさせて

くれる大切な研修の場でもございます(笑)。

 

 

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半日作業を行ってすっきりしました!

土も乾いてきているのでこれからはあまり草の出も少なくなることでしょう...

いや、少なくなると期待したいです!

 

 

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畑の樂校近くを流れる神流川です。

カヌーを浮かべてのんびりするかカバの様に水に浸かってのんびりしたい!

 

次回からはいよいよ秋から収穫を迎えるキャベツや白菜、レタスなどの播種が始まります!

暑い時期に種まきを行うこれらはこまめな管理が必要なのですが果たして上手くいくでしょうか。

草の勢いも気になるところです。

 

大地を守る会 交流局 虎谷健



2010年8月10日

夏休みに学びました! 石けん工場見学会

7月28日(水)に横浜にある太陽油脂株式会社の工場で、小学生親子参加企画・石けん工場

見学会が開催されました。

梅雨明けから続く連日の猛暑のなか、40名の親子が集まりました。

 

 

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会議室に集まって、講師の太陽油脂の長谷川治さんより、石けんとは何かについてお話が

ありました。しっかりとノートを記録する熱心なみなさんの姿が印象的でした。

 

 

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実験を交えて、視覚的にもわかりやすい内容です。

 

 

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お話のあと、参加者は工場見学に出発です。

ガラス窓の向こうでは実際に太陽油脂の石けん製品が作られています。

毎日使う石けん製品が目の前でつくられていく様子を目にする参加者のみなさん。

パッケージを指差し、「おうちで使っている!」と教えてくれるお子さんもいました。

大人の皆さんからは「想像以上に少量づつで作っている」「手作業が多いのに驚いた」という

お声も聞かれました。

 

 

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大手食品会社に納品前の食用油の缶が積み上げられています。

「太陽油脂」のお名前からもわかるように、太陽油脂は天然の油脂を原料とした食用油を取り扱う会社。

その食用油を原料に、パックスナチュロンの製品が生まれるのです。

 

 

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再び会議室に戻り、長谷川さんから石けんと合成洗剤の違いについてお話を伺ったあと、

子どもたちがお待ちかねの石けんキットを使った、オリジナル石けん作り。

袋の上から石けんをしっかりと練り込み、型に入れて成形します。

 

 

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成形した石けんの上に押し花を貼ります。

「きれいだから使いたくない」そんなお子さんの声も。

夏休みの思い出と共に、世界でたった1つの石けんが子どもたちの手のひらのなかで生まれました。

 



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