<05>知って学ぼう!: 2012年4月アーカイブ

2012年4月20日

日本の手仕事を守ること

会員のみなさんと大地を守る会・宅配の魅力をテーマについてお話しする時、
よくお聞きするのが、「雑貨が魅力!」というご意見。
野菜・肉・魚・加工品はもちろんなんです。
食材以外に、雑貨も魅力的♪
きっと、その理由は大地を守る会の雑貨品が、
人と環境に気持ちがいい商品ラインナップを考慮して、
選ばれているということがあるでしょう
それから、まだあります。
日本の地域で受け継がれてきた「手仕事」と、
カタログで出会うことができるのです!!

大地を守る会の活動は多岐にわたりますが、そのなかの使命のひとつが
「もの作りの技術や知恵を未来につなげる」こと。
天然素材や自然の風合いを生かし、地域の文化・伝統技術の継承を大切に考え、
国内の生産者を応援する...そのことも大地を守る会の大切なとりくみです。

手仕事を、大地を守る会にご紹介してくださっている一つに、もやい工芸があります。
先日4月17日、そのもやい工芸のお店で、手仕事品についての勉強会として、
「手仕事ものがたり」と題したイベントが開催されました。
その様子についてご紹介します。


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鎌倉のもやい工芸のお店。楓の若葉(右上)が迎えてくれました。


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木戸の向こうにお店があります。


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たくさんの陶器や籠など、手仕事の数々!!
日本全国の手仕事の現場を、歩き、見て、選び続けた
久野恵一さんが、長い時間をかけて、選び抜いたものばかりです。


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店内からお庭の方向。


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この方が、久野恵一さん。

久野さんのお話は日本の手仕事を残したいとの想いに溢れていました。

本物の手仕事を購入する場を増やすことで、作り手が経済的にしっかりと自立できるように
なる。そのことは、技術の継承者を得ることにつながり、手仕事の文化を守ることになると
久野さん。
そして、それは、まさに大地を守る会もめざすこと。大地を守る会の
カタログを通して出会う手仕事の向こうには、そんな大切な意味があるのです。


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講座のようす。皆さん、真剣に久野さんのお話に耳を傾けていらっしゃいました。

講座の最後に、久野さんは岩手県久慈市の良質な手仕事について、紹介しました。
久慈市といえば、大地を守る会の看板でもある「山形村・短角牛」の産地があるところ。
飼育法や飼料にこだわり、安全でおいしい短角牛。その短角牛のいる久慈は一方で
手仕事が盛んな地域です。
「食が本物であれば、本物の器に盛ろうとする。
だから、健康な食文化のある場には健全な手仕事があるのですね。」と久野さん。
生産者が 手間をかけて 丹精込めて作くられた食材は
お料理すれば、それなりの器に盛りたくなるということですね。

大地を守る会の食への取り組みは、日本の手仕事への応援にも繋がっている。
そんなうれしい循環を知った時間でした。

久野さんが選んだ日本の手仕事は、順次、『ツチオ―ネ』でご紹介しています。

今週配布の『ツチオ―ネ』119号で、「あけび蔓篭と沖縄ガラス せんこう入れ」をご紹介しています。

それから、
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こちらは、5月7日~配布の『ツチオ―ネ』121号でご紹介の、「沖縄ガラス 4.5寸浅マカイ」。
ガラスの趣きと美しさは手仕事ならでは。


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5月21日~配布の『ツチオ―ネ』123号で、
「土用干し笊」、「真壁磨き土器 蚊取り線香入れ」をご紹介。
写真は、「土用干し笊」。コシのある皮だけで編んでいる職人仕事です。

『ツチオ―ネ』でお見逃しなく。




2012年4月 2日

news大地を守る4月号 食品と放射能問題 検討共同テーブル続報

「バランスのとれた食事こそ大事な防護」白石久二雄さん学習会

放射能対策特命担当 戎谷徹也

 大地を守る会など4団体で構成する「食品と放射能問題 検討共同テーブル」では、2月17日、元(独)放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター・内部被ばく評価室長の白石久二雄さんをお招きし、「食物摂取による内部被ばく」をテーマに内部学習会を開きました。

 白石久二雄さんは、食品による放射線内部被ばくのリスクについて専門的に研究された日本で唯一の研究者。チェルノブイリ原発事故後、「ウクライナ医科学アカデミー放射線医学研究センター」との共同研究に携わりました。
 ウクライナでは1994年、知識不足によって健康を損ねがちな現地の人々のために、放射線に対する正しい知識と防護のための食事法(食材の選び方や調理法など)を解説した小冊子が、国際赤十字社の支援によって無料で配布されました。白石さんはその冊子を翻訳し、自費出版しました(『チェルノブイリ:放射能と栄養』)。
 それが今、福島原発事故の発生によって注目されるとともに、多くの書物等に援用されています。学習会では、放射線の基礎から始まり、事故前の自然放射性核種と人工放射性核種の被ばく実態、体内の放射能、放射性物質の人体に及ぼす影響、吸入摂取・経口摂取による内部被ばくの計算法などについて解説いただきました。

食品からの内部被ばくを避けるための防護の基本は以下の4 点。
  1. 可能な限り放射性物質の含有量の低いものを摂取する。そのための情報開示が必要。

  2. 調理や加工法により放射性物質を減らす。基本は、洗う(皮を剥く)、煮る(浸す・茹でる)、塩や酢の活用、前処理なしでの油料理は避ける、魚は骨や内臓を避ける、等。

  3. 放射性物質の吸収阻害と排泄促進。カルシウムはじめミネラル類と食物繊維の摂取を推奨。カリウムとペクチンも有効。

  4. 被ばくに対する生体の抵抗力(免疫力)を強化する。バランスのとれた食事によって免疫力を上げることが重要。ビタミン・ミネラル類、抗酸化物質、タンパク質を摂ること、脂を摂り過ぎないこと。海藻類や発酵食品を主とした伝統的和食を見直すこと。

 白石さんは、国の新たな基準については一定評価しつつも、検査機器の徹底した配備、陰膳法の活用など、もっと子どもに対して配慮する必要があると主張されました。「共同テーブル」では、こういった内部学習や専門家へのヒアリングを進めながら、食品における放射性物質に対する規制・基準の"あるべき形"について、検討を重ねています。



news大地を守る4月号 今月の数字

年間 約70兆円→日本の森林が持つ様々な機能を貨幣価値に換算した数値

 2011 年の国際森林年を記念し、森林保護に貢献をしてきた人をたたえる国連森林フォーラムによる「フォレストヒーローズ」に「カキじいさん」の愛称で知られる宮城県気仙沼市のカキ養殖業 畠山重篤氏が選ばれたのは記憶に新しいことです。畠山氏は、漁民による広葉樹の植林活動「森は海の恋人」運動を、20 年以上続けていらっしゃいます。森を育てることで海がとても豊かになりました。

 空気や水をはじめ、気候の安定、土壌保全、エネルギー、文化やレクリエーションなど、わたしたちの暮らしも森に支えられています。

 自然の恵み(生態系サービス)の価値を、何らかのかたちで評価しようという試みがあります。「その生態系が失われたときに、同じサービスを人間が技術的に提供するとしたらどれだけ費用がかかるか」で見る方法です。日本学術会議による試算例では、先に挙げたような森林の持つ様々な機能の合計は年間約70 兆円になると評価しています(※)。さらに、生物多様性保全機能などは貨幣価値として換算することが難しいためこの中には含まれておらず、実際の価値は試算額を大きく上回るだろうということです。目に見えない地球とのつながりや自然の価値について知ること、そして森林を守っていく視点を持つことを必要とされています。
(森と木のすまいづくりフォーラム・安西直美)

※出典:農林水産省「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的機能の評価について(答申)」



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