<05>知って学ぼう!: 2012年10月アーカイブ
2012年10月16日
10-12月の外部団体イベント予定
2012年10月 3日
スウィーツソーパー・スキンケア講座を開催しました
今回は、スイーツソーパーの基礎化粧品、マッサージ用のオリジナルブレンドオイルなどのほかに、
2012年10月 1日
NEWS 大地を守る2012年10月号 はじめよう ひろげよう キッチンからエネシフト
ご存知ですか?家庭から出る廃食油の行方
1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれています。そのうち、飲食店から出る廃食油の大部分はリサイクルに回されていますが、一方で、家庭から出る廃食油の実に9割は、そのまま捨てられているのです。
これまで大地を守る会は、環境保全と消費者の安全・安心を第一に考えたエネルギー問題への取り組みを進めてきました。
昨年4月11日には、原発に頼らない社会の実現に向けた「スイッチ!電力」宣言を行い、6つのアクション(左図参照)を発表。
そのアクション【3】「大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます」を実現する取り組みの一つとして、昨年の7〜9月に「ゆかいな野菜物語」プロジェクトを実施しました。
このプロジェクトは経済産業省の助成事業で、宅配会員から回収した廃食油をバイオディーゼル( VDF)に精製し、大地を守る会の生産者が農機具の燃料として使用して、野菜を栽培・販売するというものです。3カ月間という限られた期間でしたが、会員の皆さまから回収した廃食油から2,308リットルのVDFを作り、4 .5トンのCO を削減することができました。
「ゆかいな野菜物語」(7月より再開)は、太陽光発電機など特別な機械を必要としない循環型代替エネルギーのプロジェクトです。
もし、捨てている廃食油があれば、資源としての活用を考えてみませんか。次ページからご紹介する「ゆかいな野菜物語」で、手軽にできるエネルギーシフトを、はじめましょう。
※ベジタブル・ディーゼル・フューエルの略。
廃食油を原料とするディーゼルエンジン用の新しい燃料。1993年に㈲染谷商店が世界で初めて開発に成功した。
1 電力についての消費者アンケートを実施します
2 自然エネルギー推進団体等、関連ネットワークと協同します
3 大地を守る会で自然エネルギーの導入をすすめます
4 原発に頼らないための「節電アクション」を募集します
5 消費者の声をいかし、世の中に提言を行います
6 原発のない、日本をつくります
「ゆかいな野菜物語」が再始動!
昨年7〜9月にかけて行われた廃食油をエネルギー活用するプロジェクト「ゆかいな野菜物語」。今年の7月23日からは、継続的な取り組みとして新たにスタートしています。
ネーミングが表すとおり、油(ゆ)が回る(かい)循環型代替エネルギーの実現を目指すこのプロジェクト。キッチンから出た廃食油をVDFに精製して生産者に提供し、そのVDFを燃料としてトラクターなどの農機具を動かします。
そして、栽培された野菜が宅配会員の食卓へと戻ってくる仕組みです。これまで廃食油を回収する生協などはありましたが、野菜の栽培・販売までをサイクルに取り込んだのは、大地を守る会が初めての試みです(大地を守る会調べ)。
廃食油から精製したVDFは、大気汚染の原因となる硫黄酸化物ゼロ、呼吸器官障害の原因といわれる黒煙は軽油の半分以下と、とてもクリーンなエネルギーです。
昨年は運搬費やVDFの価格などが課題になっていました。そこで今年は、株式会社ユーズのご協力のもと、ほぼ軽油と同等価格でVDFを販売。
また、2013年7月末までは、VDFの運搬費を大地を守る会で負担することにしました。
今回は、プロジェクトに参加している生産者の富谷亜喜博さんと、廃食油をVDF化しているTOKYO油田(ユーズ)の染谷ゆみさんにお話を伺いました。
「ゆかいな野菜物語」プロジェクトの廃食油回収にご協力ください。あなたのキッチンから出た廃食油がVDFとして精製され、トラクターなどを動かして野菜作りに役立ちます。
回収方法は、廃食油をペットボトルに入れて食材配送時に大地を守る会へ渡すだけ。ゴミとして廃棄するよりも手間がかかりません。
そして何より、クリーンエネルギーにシフトする確かな一歩となります。持続可能で豊かなライフスタイルの実現を一緒に目指していきましょう。
富谷亜喜博さん
さんぶ野菜ネットワーク 代表理事
千葉県山武市で、小松菜やレタスなどの葉物野菜、スイカなどの果物など、多種多様な農作物を栽培。
昨年から「ゆかいな野菜物語」に参加しています。VDFの存在は以前から知っていましたが、正直、農機具に影響が出ないか不安がありました。
トラクターなどの農機具は10年、20年と長く使うものですから、生産者であれば、誰しも感じることだと思います。ですから、VDFを使い始めた当初は、軽油とVDFを混ぜて使っていました。
ハウスで使うと、軽油とのにおいの違いがよくわかります。ほのかに天ぷらの香りがするんですよ。
環境への優しさを体感する瞬間ですね。徐々にVDFの濃度を上げて繰り返し使ってもトラクターに影響はなく、軽油と変わらないパワーで動かせると実感できたので、今ではVDF100%で使用しています。ただ、トラクターの種類によってはパワーの差を感じるかもしれません。
私は3台のトラクターで試してみましたが、もっとも古いトラクターとの相性がよいと感じました。新しいトラクターは濾過機が繊細だからかもしれませんね。
VDFは、一斗缶かドラム缶での配達が選べます。私は頻繁に耕運するほうではないので、一斗缶で購入しています。そのときどきでVDFが黄色っぽかったり赤みが強かったりと色は異なりますが、使用感に違いはありません。
昨年は、軽油に比べてVDFの価格が高くコスト面に課題がありましたが、今年からは軽油と同等価格で販売されると聞き喜んでいます。軽油と大差ない価格なのであれば、環境に優しい方がいいですよね。
大切なのは、新しい試みをおもしろいと感じて、楽しみながら挑戦する気持ちだと思います。いろんな生産者がVDFを使って情報をみんなで共有できたら、誰もが安心してVDFを使えるようになると思います。
染谷ゆみさん
(株)ユーズ 代表取締役
廃食油を回収し再資源化する事業を展開。1993 年には、世界初となる廃食油の軽油代替燃料の開発に成功。
「廃食油は資源であり、東京は大油田」という発想から、東京の家庭や飲食店から出る廃食油を回収して再資源化しています。
大地を守る会とは、1995年の宅配配送車へのVDF使用以来のお付き合いです。
ソーシャルビジネスの大先輩ですし、一緒にプロジェクトに取り組めて嬉しいですね。
昨年の会員アンケートでは、「油は食用として使い切るから回収に出さない」という意見が7割を占めたと聞いています。会員の皆さんの環境への意識の高さを感じました。私は廃食油を回収している立場ですが、本当は1滴も廃食油が出ない社会が理想的だと考えています。
廃食油を循環できるからといって、どんどん出してほしいわけではないんです。ただ、1年間に出る廃食油の量は、家庭からは10万トン、飲食店からは25〜35万トンといわれ、家庭の廃食油の9割は、残念ながら捨てられているのが実情です。
固めて捨てる、紙に含ませて捨てるといった方法では、新たなゴミを生み出すことになってしまいます。
これまで捨てていた廃食油を資源として捉え、「ゆかいな野菜物語」を通じて、回収に参加してくれる人の輪が広まっていくことを期待しています。
・回収するもの:使用済み、もしくは未開封の食用油(液状の油に限る)。
・回収容器 :使用済みペットボトル(最大2リットルまで)に入れ、ビニール袋に入れてしばる。
・回収方法 :配送員に手渡し、もしくはハッポウ箱・コンテナに入れる。
・回収に出される場合は下記URLを必ずご確認ください。
https://member.daichi.or.jp/news/dispdetail/contentscd/9/year/0/no/688
生産者の皆さんへ
VDFを使ってみませんか?
「ゆかいな野菜物語」では、VDFの価格を120円/リットルにし、2013年7月末まではVDFの送料を大地を守る会が負担します。これは、より多くの生産者にVDFを使ってほしいという思いからです。
ご興味のある方、ご質問は下記連絡先までお問合せください。
お問合せはこちら:03-6661-1610(株)ユーズ(担当/河合)
いろいろなところではじめています、エネシフト。
野菜残渣をエネルギーに変える「ベジィエナジー」
日々の宅配業務でどうしても出てしまうもの。それは、傷んで商品にならない野菜や、土で汚れた外葉などの野菜ゴミ(残渣)です。この残渣をエネルギーに転換するプロジェクトが「ベジィエナジー ~もったいナイをエネルギーに~」です。バイオエネルギー事業で実績のあるバイオエナジー社にご協力いただき、昨年の11 月14 日から継続して取り組んでいます。
自然界に存在する微生物が残渣を約30日かけて分解し、バイオガスを発生させます。
このガスで、ガスエンジン発電機を動かして発電したり、精製・熱量調整・腐臭などの加工をして都市ガスにしています。
除染しつつエネルギーを生む「グリーンオイルプロジェクト」
有機栽培による米・麦・大豆の輪作を実践してきた稲葉光國さんが代表を務める栃木県上三川町のNPO法人 民間稲作研究所は、放射能の除染からエネルギー自給までを循環サイクルで実現していく「グリーンオイルプロジェクト」を開始しています。この「グリーンオイルプロジェクト」は、大豆・ひまわり・なたねを育てることで除染を行いながら、圧搾した油から出た廃油をSVO化し、トラクターの燃料としたり、搾油後の残渣をメタン発酵させ、各種の燃料として利用していくことを目指しています。
大地を守る会は、このグリーンオイルプロジェクトについても、どう関わっていけるのか、検討していきます。
※ストレート・ベジタブル・オイルの略。植物油(廃食油)をそのまま燃やしてしまう燃料のこと。
NEWS 大地を守る2012年10月号 やまけんの大地を守るうんまいもん探訪
さやあかねジャガイモは男爵とメークインばかりじゃない
新じゃがのシーズンは1 年に2 回。春先に出てくる九州地方の新じゃがと、これからの季節に出てくる北海道の新じゃがだ。北海道では雪が溶けてから種芋を植えるのでこの時期に掘り始めるのである。
縦に長い日本の端と端だから、北海道と九州では得意な品種も違う。ジャガイモは品種によって味や肉質が全く違うから、いろんな品種を楽しむのが吉だ。ちなみに、定番の「男爵いも」「メークイン」は日本に導入されてから約100年経っている。近年定着した「キタアカリ」だって1987年の品種だから古い! 実はジャガイモは新しい品種が少なくとも年に5 種は開発されているのだが、なかなか新品種が根付かない特殊なマーケットだ。売る側にすれば、知名度のある定番品種は労せずとも売れる。一方、新品種は売れるかどうかわからない。
だから安全パイの定番品種を並べるばかりで、新品種が根付かないわけだ。
けれども、最近の品種は定番品種の欠点を補ったものが多い。例えば男爵いもはごつごつして皮を剥きにくいけれど、新品種のほとんどがツルンとした表面で、皮を剥きやすい。味の面でも様々で、栗のような香りのする「インカのめざめ」や、バターなどと合わせるとおいしい「シンシア」など、目的別に選べるようになってきた。
写真は十勝で無肥料・無農薬で栽培された「さやあかね」。無肥料とは思えないほどに立派で、新じゃがの状態でも香りが強くおいしい。こんな新しい品種が拡がるかどうかは、食べ手の皆さんにかかっている。ぜひ食べたことのないジャガイモ品種にも手を伸ばしていただきたい。
山本 謙治(やまもと けんじ)
1971年、愛媛県に生まれ、埼玉県で育つ。農産品・食品などのコンサルタント会社(株)グッドテーブルズ・代表取締役社長。
『日本の食力? 国産農産物がおいしい理由』ほか。ブログ「やまけんの出張食い倒れ日記(www.yamaken.org)」が人気。
NEWS 大地を守る2012年10月号 今月の数字
NEWS 大地を守る2012年10月号 くらすことつながること
自分でできることは、なるべく自分でいま、窓から山が見えます。毎朝、聞こえてくるのは、鳥の声。
晴 れた日には、湖面に山が映ります。この夏、あたらしい場へ移り住みました。移り住んだのは、四国の山のほうです。水がいい地域で、水道の水でも「おいし い」と感じられます。空気があまく、1日のうちに何度も深く深く息をします。暮らす場所は変わりましたが、日々することは、どこにいてもそう変わりませ ん。きちんと作られたものを選び、食べ、仕事をして、人とつながり、あとはできることをしていく。そのくり返し。そんななか、ひとつ、積極的に「やろう」 と思っていることがあります。それはセルフケア。いままでもしていましたが、いままで以上に。これからは、できることは「なるべく自分で」が、いいと思う のです。
たとえば、ヘナを使っての髪のカラーリング。いままでお店に行っていましたが、自分ですることにしました。ヘナはカラーリングだけでな く、デトックス効果もあると言われています。頭にこもった熱を逃がしてくれるそう。また、余ったヘナで足湯もできます。日ごろ、頭は使ってばかりでなかな かケアできない部分。月に1 度、自分の体と向き合う時間にしようと思います。ほかには、朝、起きたら白湯を飲む、オイルマッサージをする、足をあたためるなど、ちいさな習慣もつづけ ています。最初は、手間がかかる、と思うようなことも、習慣にすると、1日の流れのなかにうまく組みこめます。
きちんとしたものを食べることと、セルフケアは、どちらも「自分で」という気持ちから。ときどき何かに、だれかに手伝ってもらいながら、教えてもらいながら、工夫して、できることはやっていこう。
なんと言っても、そのために、あたらしい場に来たのですから。
廣瀬 裕子(ひろせ ゆうこ)
作家。日々の暮らしがその人を育むという思いを言葉に乗せている。著書に『できることからはじめています』、『まいにちのなかにオーガニック』など。3.11を受け「5年後10年後のこどもたちが健やかに育つ会」を立ち上げた。
NEWS 大地を守る2012年10月号 平和の象徴オリーブの苗木をパレスチナに送ろう。 スマイルオリーブ基金が始まります
大地を守る会で取り扱う「オリーブオイル(パレスチナ自治区産)」は、イスラエルによる占領化が進むパレスチナ自治区で生産されています。パレスチナと言えば、時折ニュースで聞く紛争地を想像される方も多いでしょう。
詳しくは『ツチオーネ』142 号5ページ、23ページをご覧ください。植えたオリーブの苗木は、3 ~ 4年で実を付けます。
直接支援ご希望の方は以下の方法で!
上記のプログラムと合わせて注文週142(10月8日~12日注文週)から145(10月29日~ 11月2日注文週)で、一口500 円から支援金を募ります。