<05>知って学ぼう!: 2014年2月アーカイブ
2014年2月10日
食品添加物入門講座を開催しました
ご報告が遅くなりました。
1月30日(木)日本消費者連盟共催で開催しました、食品添加物入門講座の様子をお伝えします。
午前と午後にそれぞれ講座が開催されました。
午前の講座では、最初に、日本消費者連盟共同代表の山浦康明さんからご挨拶をいただきました。
山浦さんから、国内では、消費者庁による食品表示の基準作りの作業が進んでいること、
また海外に目を向ければ、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の問題があることをお話
いただきました。
TPPについては、食品添加物の基準を含め、食品の安全基準について、
異なる国同士の足並みをそろえるために、一本化することが検討されていること、
一本化のために、食品添加物について甘い基準で各国で同意され、
そのような食品が今後、日本に輸入され、日本にいる我々の食卓に上がる可能性について
説明いただきました。
これからの時代、食品添加物がどのようなものか、これから、どのようにつきあったらよいのかを
知ることは、ますます重要になりそうです。
食品添加物講座のようすです。
講師は、長年、大地を守る会で品質管理の担当を務める南忠篤です。
食品添加物を規定している「食品衛生法」は、
1947年12月24日に成立され、1948年1月1日に施行されました。
現在のように冷蔵庫の性能も優れていない時代に制定された法律は、
時代とともに見直しされてますが、一方で、制定された時代の影響も多く残っているようです。
食品添加物は、2011年現在で1470種類が登録されて、以降も
その種類は増え続けています。
自然界にあるニガリやイカスミなども、食品添加物として登録されています。
講座では、具体的に実際に食品添加物を使っている商品パッケージの表示を見ながら、
どのような理由で食品添加物が使われているかを学びました。
内容のなかからいくつかをご紹介します。
①惣菜「手作りひれカツ」に使われている「着色料(アナトー)」。
これは、揚げムラが目立たなくなると理由で添加され、惣菜のパン粉に使われます。
揚げムラがあるとおいしそうに見えない...という消費者の心理からメーカーは添加物を
使うようです。
②コンビニエンスストアで販売されているおにぎりに使われる「PH調整剤」。
ごはんに添加して、ごはんを酸性に保ち、保存性を向上させる目的で使われます。
③ペットボトルのお茶などに添加される「酸化防止剤(ビタミンC)」。
添加する目的は、主に緑茶など、色味が変わるとおいしそうに見えないものに使われます。
①の「着色料(アナトー)」も同様、消費者にとって、どう見えるかの視点から添加される食品添加物です。
その他、市販の海苔佃煮のように、人の手間をかけることができないために
複数の添加物が使われるものもあります。
海苔佃煮の原料は乾燥海苔を使いますが、乾燥海苔は
そのなかに砂浜の石や他の海藻など異物が入っています。
人が手作業で異物をとる作業をするとコストがかかるため、乾燥海苔を水に長時間つけて、
海苔をひらかせ、異物を取り除きます。水に長時間つけることで、うま味も粘性もなくなるので、
食品添加物を使わざるを得なくなります。
手間をかけるとコストがかかり商品の値段が高くなる、それを避けるために、
食品添加物を複数入れる。食品添加物が商品コストを抑えるために使われる実例です。
一方、大地を守る会でご紹介している遠忠食品の「生のり佃煮」は、
すべて、乾燥海苔の異物をすべて手作業で取っています。
そのため、海苔本来の旨みも、海苔の持つ粘性も残っています。
コストもかかり、市販品より価格も高くなりますが、
ラベル裏の表示の違いは歴然です。
消費者が商品の値段や見た目について、どう感じるのか...そこを意識して、
食品添加物が使われる背景が見えてきました。
消費者の意識こそ、食品添加物の問題を改善する鍵であることを学びました。
2014年2月 5日
【「バナナと日本人」 その後】 セミナーのお知らせ
1982年人類学者である鶴見良行さんが、著書「バナナと日本人」でバナナという食べ物から東南アジアと日本人の関係性を明らかにしてから30年以上経ちました。その後の状況はどうなっているのでしょうか。
バランゴンバナナという在来種のバナナを民衆交易してきた(株)オルター・トレード・ジャパンが、セミナーを開催します。
フェアトレード、海外とのお付き合いの仕方に興味のある方、是非ご参加ください。
申し込みは、直接下記の【お申し込み先】からどうぞ!
以下ATJさんからの情報です。
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セミナー「『バナナと日本人』その後」-私たちはいかにバナナと向き合うのか?
私たち日本人が日常的に消費している多くの食料が海外で生産されています。
産地と私たちの食卓がどうつながっているか、バナナを通じて追求した鶴見良
行著『バナナと日本人』が世に出てから30余年となります。バナナ農園で働く労
働者の人権や健康、産地の環境を傷付けながら、多国籍企業によって日本市場で
安く流通しているフィリピン産バナナの実態を調査した労作です。
一方、日本の消費者がフィリピンの小規模農民の自立を応援し、安全・安心なバ
ナナを手にできる仕組みとしてバランゴンバナナの民衆交易が始まって25年。
今、状況はどうなっているのでしょうか。(株)オルター・トレード・ジャパン
(ATJ)とNPO法人APLA(あぷら)は3年間の予定でフィリピンバナナの調査を始
めます。
http://altertrade.jp/alternatives/balangon_research
2月に実施するミンダナオ島での予備調査結果をもとに、現在のバナナの生産か
ら流通・消費までの全体像はどう描けるのか、また、家族農業の視点からバラン
ゴンバナナの民衆交易の意義を考えるセミナーを開催します。
バナナを通じて私たちにできることは何か、皆で考えたいと思います。是非ご参
加ください。
【プログラム】
・フィリピン・プランテーションバナナと日本におけるバナナの流通・消費
・ミンダナオ島で小規模農民支援、プランテーション問題に取り組むNGO、ドン
ボスコ持続開発財団の活動について
・家族農業の視点からバランゴンバナナの民衆交易を考える、他
【発表者】
○市橋秀夫氏(埼玉大学教養学部教員)
専門はイギリス近現代社会史研究。イギリスのフェアトレード文献の翻訳や、そ
の歴史的変遷の調査などを行なう。2009年以降、バランゴンバナナ生産者の調査
に断続的に関わっている。
○関根佳恵氏(立教大学経済学部教員)
専門は農業経済学。バナナ・ビジネス大手の多国籍企業ドール社の事業について
調査・研究を行う。2013年に国連世界食料安全保障委員会の専門家ハイレベル・
パネルに参加し、報告書『食料保障のための小規模農業への投資』を分担執筆。
【日時】2014年3月16日(日)14:00-17:00(13:30開場)
【会場】立教大学池袋キャンパス8号館8201教室
東京都豊島区西池袋3-34-1
池袋キャンパスへのアクセス
JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/
構内案内図
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/_asset/pdf/img-campusmap_ike.pdf
【参加費】600円(資料代)
【主催】
(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ) http://altertrade.jp/
NPO法人APLA(あぷら) http://www.apla.jp/
【お申し込み先】
参加ご希望の方は、申し込みフォーム(http://altertrade.jp/bananato)から
お申込みください。
できるだけ事前にお申し込みください(当日参加も可能です)。
【お問い合わせ先】
(株)オルター・トレード・ジャパン(ATJ)企画本部政策室 担当:小林
TEL:03-5273-8176 E-Mail:pr@altertrade.co.jp