<07>海外とつながろう!: 2014年12月アーカイブ

2014年12月30日

ムハマド・ユヌスさんと北京で対談! 中国出張報告

大地を守る会は、中国のNGO「北京富平学校」と提携して、中国で安全な食べ物を宅配する会社「富平創源」を2012年に設立、2013年より業務が開始されました。主に天津の自社農場で生産された野菜を中心に、4kgの野菜セットを北京の消費者に宅配しています。

これは中国の食の不安を解消し、中国の生産者と消費者の信頼を回復するための運動であり事業であり、日本に中国の食品を輸出するためのものではありません。大地を守る会は、「富平創源」の求めに応じて、40年近くの経験を伝えるため、年に数回農産と物流の専門家を現地に派遣しアドバイスを行っています。

2014年12月中旬、社長の藤田と物流担当の猪狩とともに北京を訪問しました。


生産者集会.JPG

まずは、「富平創源」主催の「生態信頼農業生産者互助交流会」に参加。
これまで中国各地で食の安全にこだわってきた生産者やNGOのメンバーを集めて、経験を共有し、これからどのように連携していけるかを話し合う場です。

「富平創源」では、有機農業という言葉ではなく、「生態信頼農業」という言葉をキーワードにしています。大地を守る会の生産基準をもとにつくられた生産基準に沿ってまず野菜を作り、運び、食べてもらい、作る人と食べる人の「信頼」を回復させようというものです。これから扱う品目を増やすためにも、同じ志を持った者たちとの連携が必要です。

もともとの農民ではなく、都市部から農村部へ新規就農した若者たちが多い集会でした。日本では知られていない中国の新しい動きではないでしょうか。日本とは異なる農業事情でも思いは同じです。


董事会.JPG

「富平創源」の董事会の様子です。董事会とは日本でいうと取締役会のようなものですが、出資者へこの一年の業績報告と来年度の事業計画報告をします。

すでに中国でも有機農産物や有機食品は一般的ですが、それが本物かどうかという点で信頼がされていません。そこに「信頼」を付加していこうという新しい事業なので、試行錯誤の1年でした。
予定していた利益は出ませんでしたが、新しい事業計画の下、頑張っていこうと全員で意思を確認しました。


北京大学セミナー.JPG

北京大学で行われたムハマド・ユヌスさんとの対談会に当社社長藤田和芳(右から二人目)が招かれました。ユヌスさんは、バングラディシュの農村で少額融資を始め、貧困問題の新しい解決策を提案した方です。壇上では藤田も大地を守る会の経験をアピール。グラミン銀行に触発された「互恵のためのアジア民衆基金」も紹介しました。


藤田&ユヌス.JPG

ユヌスさんと藤田。あわただしい中での意見交換でした。ユヌスさんはノーベル平和賞を受賞され、今や有名人ですが気軽に学生の質問にも答えていました。



野菜パック.JPG

ところ変わって、「富平創源」の野菜の加工場です。物流のコンサルタント開始です。野菜を一つずつ検品して丁寧にラッピングしていました。日本ではしないような包装もありますが、中国では高級食材としては一般的です。担当の猪狩が衛生状態の向上、作業効率向上などをアドバイス。


配送車.JPG

次は、新しい配送センターを訪問。これが配送車です。北京では規制が厳しく、大型車両が市内中心部に入れません。そこでこのような小型の車両で宅配を行います。訪問時すでに気温は零下なので商品が凍らないように注意する必要がありますが、暑い夏よりは楽なようです。今年の夏はなんとか保冷対策ができましたが、さらに高レベルの配送を目指してアドバイスを行いました。



物流コンサル1.JPG

「富平創源」のスタッフに物流の基礎を伝えています。


物流コンサル2.JPG

説明中の猪狩。「富平創源」のスタッフにもわかりやすい説明です。日本と中国ではビジネス環境や人の意識が異なるので、スタッフが理解できてもなかなか教えた通りにはいかないのが難しいところ。しかし確実に進化はしているので2015年はよりよい宅配サービスが提供できるでしょう。

以上、中国事業の一部をご紹介致しました。

(中国プロジェクト 豊島)




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