<12>大地を守る会のこと: 2012年2月アーカイブ

2012年2月 1日

NEWS 大地を守る2012年2月号 やまけんの大地を守るうんまいもん探訪




 世界中どこでも、その国でもっともたくさん穫れる農産物からお酒が造られます。
イギリスでは麦からビールやウイスキー、フランス・イタリアではブドウからワインができます。
そして日本はコメの国、だから日本酒はコメから造られるわけです。
 いっとき、日本酒ブームが来て透明な酒が流行りました。

無色透明で、呑んでも水のように端麗で甘い香りがする新しいタイプの酒がブームを生み出しました。
この透明さは磨き抜いたコメと酵母、そして炭濾過という技法でもたらされていました。
活性炭が匂いを吸着してくれることは有名ですが、酒の匂いや雑味消しにも使われていたのです。
けれども透明感を追求するあまり、肝心要の味や特徴的な香りまで消してしまう酒も多いことが問題でした。
 時代は変わり、いまは個性のある酒が人気を呼ぶようになり、強い炭濾過を施した透明な酒ばかりではありません。私は大地を守る会の「種蒔人」というお酒が大好きです。
これを白い磁器の猪口に注いでみると、ほのかに琥珀色でしょう?
また、素晴らしい料理酒として有名な「蔵の素」の色は、ほとんど褐色と言っていい。
これが本来のお酒の色だと思うのです。
 こうした色つきのお酒は旨みが濃いので、料理に合わせて呑むのが吉。
それも、舌が麻痺してしまうような「冷や」で飲むよりも、圧倒的に「お燗」の方が美味しい。
お酒で冬の夜長を楽しみましょう!

山本 謙治(やまもと けんじ)




NEWS 大地を守る2012年2月号 くらすことつながること


  寒い季節がおとずれると「どうしようかな」と思います。それは、味噌づくり。今年は「どの豆を使い、どの麹にしようか」と、そんなことを考えはじめるのです。
味噌を仕込んでいる人は周りに多く、何人もから「味見」と称する自家製味噌をいただきます。
おなじ豆、おなじ麹を使っても、その人、その家で味はずいぶんちがいます。しっかりした味噌、やわらかな風味の味噌、塩が強い味噌。その人の手とその家の空気が、それぞれの味噌をつくり出すのを感じます。
 味噌づくりをはじめるまでは、家での味噌作りを「むずかしい」と思いこんでいました。でも、友人に教わったところ、とても簡単。
1 日か半日の作業で、半年後にはおいしい味噌ができるのです。
前日の夜、豆をたっぷりの水に浸けます。この作業をわすれないようにするため、いつも、豆を目につくところに置き、メモ書きしておきます。翌朝、目が覚めると、ふっくら膨らんだ豆がまっていてくれます。
豆を圧力鍋で煮て、つぶして、塩と麹と混ぜる。空気をなるべく抜くようにして、保存容器へ。作業を確認しながら、話しながら、味噌づくりを進めます。
仕込んだ味噌は、しばらくしたら「天地返し」を。これは、上と下の味噌を入れ替える作業。でも、うちではしません。それでも、おいしい味噌ができるのです。麹の力はすばらしい。
仕込んだ味噌は、半年後から食べられますが、わたしは、1 年、寝かせてからいただきます。みずみずしい味噌は自家製ならでは。
 こうして、その家らしい味噌ができ上がっていくのです。

いままで、味噌づくりは、友人と夫との3人での作業でしていました。わが家の味噌づくりは、すべて手作業。豆をつぶすときにフードフロセッサーを使う方法もありますが、手のほうが作業が早いのです。つぶす作業を手早くするには、男性の力があると助かります。
 でも、今回は様子がちがいます。
3.11 を受け、それぞれの生き方、在り方を見つめ直しはじめた人もいると思います。わが家もそう。しばらく、夫と別々に暮らすことになりました。夫はすでに自分用の味噌を仕込み終わったところ。わたしの味噌づくりは、これからです。どこで、どんなふうに味噌を仕込むんだろう。
自家製味噌は、麹が生きています。発酵がつづいています。食べるなら、ぜひ、生きている味噌を。
 


廣瀬 裕子(ひろせ ゆうこ)
作家。日々の暮らしがその人を育むという思いを言葉に乗せている。著書に『できることからはじめています』、『まいにちのなかにオーガニック』など。3.11 を受け5 年後10 年後のこどもたちが健やかに育つ会を立ち上げた。
http://y-hirose.com/





NEWS 大地を守る2012年2月号 今月の数字 vol.53

約1000万円

経済産業省庁舎が原発の電力を使わない電気を購入して、削減した電力料金

 みなさんは、ある一定以上の契約電力であれば、原発の電気を使わない選択ができることをご存知ですか?
 日本では段階的な電力自由化により、現在ではおもに50kW 以上の契約電力であれば、東京電力や関西電力などの大手電力会社以外の、原発を持たずに電力を供給する会社「PPS(特定規模電気事業者)」から電気を購入することができます。
残念ながら、自由化の対象には個人宅やコンビニなどの小規模の電力需要家は入っていません。
しかし、すでに多くの学校や自治体、官公庁の庁舎などはこのPPS から電力を購入しているのです。
 PPSから購入する最大のメリットは、原発の電力ではないということはもちろんですが、電力料金が安くなる場合が多いということです。なんと原子力発電所を管轄する経済産業省では、PPSと契約することにより年間約1000万円もの電気料金を削減しています。
自治体でも、立川市の積極的な取り組みが知られています。
しかし、PPSの電力全体のシェアは全国でわずか約3%程度。PPSの市場拡大=原発を使わない市場の拡大とも言えます。
この動きは今後も注視していきたいですね。

 PPSについてもっと知りたい方は下記ホームページをご覧ください。
http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/genjo/seido.pdf
 PDF の12 ページにタイトルの内容があります。

(原発とめよう会・藤岡玲子)



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