- 違法伐採 【いほうばっさい】
現在、世界規模で森林が急速に失われている。その中で、無秩序な違法伐採による木材も少なくない。国によっては伐採の過半数が違法であるというNGOの調査結果も。日本では合法木材を推奨しているが、世界では違法伐採がなくなっていない。森林の減少は、地球温暖化・生物多様性減少など環境問題に繋がる。一方で、日本の木材自給率は約27%(平成21年)。豊富な森林資源を持ちながら、輸入される外国産材等の影響により、日本の人工林には手が入らず、荒廃が懸念されている。
- ウレタン樹脂 【うれたんじゅし】
一般的には、耐摩耗性がよく、汚れや傷つき防止のために、ほとんどの合板フローリングの表面に塗布されている。木材との相性が良いため、無垢材の仕上げとして使われることもある。調湿性能はまったくない。大地を守る会の自然住宅で使う無垢材のフローリングには、ウレタン樹脂は塗布されておらず、無塗装か植物由来の自然素材のワックスで仕上げている。
- 塩ビクロス(ビニルクロス) 【えんびくろす】
塩ビ(=ポリ塩化ビニル)を主原料としたクロス(壁紙)のこと。現在、一般で使われるほとんどの壁紙がこれ。塩化ビニルは本来固い原料であり、柔らかくするために発がん性の疑われる可塑剤という薬剤のほか、難燃材・発泡材・溶剤・防かび剤・充填剤なども添加して作られる。また、最終的に壁全面に合成接着剤を塗って貼るため、これらが化学物質として揮発し、シックハウスの原因となる危険性が大きい。さらに、塩ビ製品は火災や焼却処分時時に猛毒のダイオキシン発生の危険性がある。大地を守る会の自然住宅では使用していない。
- 大壁 【おおかべ】
構造材の柱や梁などを家の室内側に見せず、壁や天井の内側で納める工法のこと。構造材が表面に現れないため、意匠的にはシンプルでモダンな感じとなる。ただし梁などを部分的に見せることは設計上、問題ない。



- 化学合成接着剤 【かがくごうせいせっちゃくざい】
現在、合板類など住宅部材の工業生産化にともない、化学合成樹脂のフェノール系、エポキシ系、酢酸ビニル系の接着剤が、構造材、下地材、造作材、仕上材などあらゆる箇所に使用されている。これらの化学合成接着剤は、ホルムアルデヒドなどの化学物質を揮発させ、シックハウス症状やアレルギーの主たる要因の一つとされる。大地を守る会としては、F☆☆☆☆の表示があっても化学合成接着剤は基本的に使用せず、でんぷん糊、ニカワ、米糊など自然素材の接着剤を使用している。
- 化学物質過敏症 【かがくぶっしつかびんしょう】
大気汚染や食品の残留農薬、添加物などのほか住宅建材から揮発する化学物質により、身体の対応力の限界を超え、その後は極微量の化学物質に曝露するだけで過剰なほど敏感となり、アレルギーに似た様々な身体症状や精神的な不調を引き起こすこと。その主たる要因として、新築やリフォーム時のシックハウス症候群がきっかけとなる事も少なくない。2009年10月1日より、病名として登録される事を厚生労働省が決めた。
- 可塑剤 【かそざい】
ある材料に柔軟性を与えたり、加工をしやすくしたりするために添加する物質。主に、「塩ビ」を中心としたプラスチックを柔らかくするために用いられ、そのほとんどが酸とアルコールから合成される化合物(一般にエステルといわれるもの)。発がん性が疑われるものも少なくない。
- グラスウール 【ぐらすうーる】
原料はガラス。それを短い繊維状にし、化学合成樹脂で固めた断熱材。安価で断熱性もあり建築用断熱材として広く用いられているが、化学物質に頼った材料であること、また調湿性がまったくなく壁の中の湿気を吸放湿できず結露発生リスクの高い材料であるため、大地を守る会の自然住宅では使用していない。いったん水に濡れると断熱性能・吸音性能が著しく低下する。また、グラスウール自体は微細なガラス繊維のため空気中を浮遊しやすく、一般的に袋に入れ施工するが、その袋も含め黒カビを発生させる危険性がある。


