ラムサール条約保護湿地に広がる田んぼ(宮城)の生物多様性を守る有機米の頒布会を販売 |
2013年1月10日 |
天然記念物マガンの観察会も2/16開催
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有機食材宅配のパイオニア・大地を守る会は、蕪栗(かぶくり)米生産組合(宮城県大崎市)(以下生産組合)の有機栽培米の頒布会を1月21日より販売します。生産組合がある蕪栗沼は、湿地の生態系を守るための国際条約「ラムサール条約」に「蕪栗沼・周辺水田」と登録され、日本最大規模のマガンの越冬地である特性に配慮し、えさ場となっている周辺水田も含めた形で登録になった非常にまれな例です。生産組合ではその生態系を守るために、一般的には稲刈りが終わると水を抜いて田んぼを乾かすところ、冬の間もずっと水を張ったままにする「ふゆみずたんぼ」を行っています。水を張ったままにすることで田んぼに生物が残り、冬に飛来するマガンの貴重なえさ場になります。
今回の頒布会は、生産組合の有機米を2~6月にかけて2kgずつ全6回お届けします。この米は単品でも販売していますが、貴重な取り組みを継続的に支えるファンを増やしたいと考え、頒布会を企画しました。米の販売に加えて、2月16日には蕪栗沼でのマガンの観察会を開催予定。蕪栗沼に毎年10万羽以上訪れるマガンたちが田んぼから飛び立つ光景は圧巻です。生産組合の取り組みとともに、ぜひ取材をご検討ください。
ふゆみずたんぼの周りを飛ぶマガン。マガンの糞は稲の肥料となる。
●生物多様性を守るとともに、有機栽培の味方でもある「ふゆみずたんぼ」
ふゆみずたんぼは湿地を住みかとする生きものの生物多様性を守るとともに、農薬や化学肥料に頼らない有機栽培の味方でもあります。ふゆみずたんぼには下記のような利点があるといわれています。
① 余計な化学肥料をいれずにすみます : ふゆみずたんぼにはイトミミズから渡り鳥まで多くの生き物が暮らしています。鳥の糞、オタマジャクシや小魚の死骸は肥料になり、イトミミズなどの小さな生き物が土をかき回す動きが畑を耕すトラクターの役割を担い、微生物豊富で肥えた土ができます。
② 雑草を抑える効果があります : イトミミズの糞が大量にあると田んぼの表面にトロトロ層と言われる膜が形成され、そこに雑草の種がつかまって発芽できなくなります。
③ 害虫を駆除目的とする殺虫剤を使わずにすみます : ふゆみずたんぼにすると生き物が豊かにバランスよく増えます。稲にとっての「害虫」ウンカやカメムシも、カエルやクモのエサになります。害虫・益虫という分類は自然界にはなく、みな生態系に必要な存在です。
●環境保全型農業を実施 <蕪栗米生産組合>
▼ソーラーパネルや魚が水田を行き来するための魚道を設置
生産組合が取り組むふゆみずたんぼは、水路から田んぼに水を引き上げる必要があります。元々は軽油燃料で揚水していましたが、コスト面と環境への負荷を考えて、ソーラーパネルを2010年に設置しました。
また、現在多くの田んぼではコンクリートで落差の水路が作られていますが、魚は登れません。それに加えて、農薬の使用により魚が住みにくくなっています。生産組合では、水田と排水路のあいだにゆるやかな魚道を作り、ドジョウ、メダカ、ナマズなどが往来しやすくしています。魚が田んぼを動き回ると水が濁るので、日光が奥まで届きにくくなり、発芽したばかりの雑草は育ちにくくなります。このように、太陽や生き物の力を借りた環境保全型の農業を実践しています。
▼おいしさの理由は独自のたい肥と、生産者ごとの食味検査
生産組合では、土の良し悪しがお米の品質に直結すると考え、有機肥料を自前のたい肥製造プラントで生産しています。たい肥、鶏・牛・豚糞などのほか、きのこ廃オガ、カキ・ホタテ殻などを原材料としています。きのこ廃オガは地元の農家から、カキ殻は松島町のカキを使用するなど、できるだけ地元の未利用資源を活用しています。また、生産者ごとの食味検査やこまめな栽培記録管理を行い、安定しておいしいお米を作れるよう努めています。
上:田んぼに水を送るための電気は
ソーラーパネルで発電。
下:魚が水田と排水路を行き来するための
「魚道」。
【ラムサール条約保護湿地・蕪栗沼とは】
蕪栗沼は宮城県の北上川水系にある面積約150haの湿地です。天然記念物の渡り鳥であるマガンの国内有数の越冬地であり、毎年10万羽以上が飛来します。オオヒシクイやオジロワシなどの天然記念物、オオタカやチュウヒなどの絶滅危惧種など200種以上もの鳥類が観察されています。環境教育やグリーンツーリズムで蕪栗沼が活用され、農業従事者の間でも渡り鳥と共生する農法がはじまっています。2005年に水田としては初めてラムサール条約に登録されました。
マガン観察会
蕪栗米生産組合の生産者と、マガンが飛来する光景を観察できます。ぜひ取材をご検討ください。
・日時:2月16日(土)14:00~16:00 ※消費者20名前後が参加予定
・場所:宮城県大崎市(JR東北新幹線古川駅前ロータリー集合)
●商品概要
・商品名:頒布会有機ひとめぼれ、頒布会有機ササニシキ
・販売:2013年1月21日~1月25日 ※会員制宅配限定
・量目、価格:白米2kg 1,328円、七分2kg 1,328円、
玄米2kg 1,128円(両種ともに)
・お届け:2~6月まで4週に1回お届け
蕪栗米生産組合のみなさん
下記のようなことが取材できます
- 生産者へのインタビュー
- マガン観察会へのご参加
- 商品サンプルのご提供、米の試食会実施
※この他、ご要望に応じて対応させていただきますので、ご相談ください。
株式会社 大地を守る会とは
自然環境と調和した、生命を大切にする社会の実現をめざし、1975年に設立のソーシャルビジネス(社会的企業)。安全・安心とおいしさにこだわった農・畜・水産物、加工食品、雑貨等をお届けする宅配サービス他を運営しています。現在、利用者数は約15万1千人、生産者会員は全国に2,500人(2012年9月末現在)
取材に関するお問い合わせ(取材ご希望の場合は、下記までご一報下さい)
株式会社大地を守る会 事業戦略部 広報・国際課(担当:栗本、宇田川)
- 連絡先
- 〒261‐8554 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3
幕張テクノガーデンD棟21階 - TEL
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