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【NEWS大地を守る8月号】<今、見つめ直す食の在り方>食の力で社会は動かせるか

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“有機野菜がない”時から、激動の時代を生きてきた藤田和芳。コロナ禍にも見舞われ、未だ食の課題が山積する中、私たちはそれらにどう向き合ったらよいのでしょうか。

混沌とした状況が続くコロナ禍。今、私たちの暮らしが問い直されています。大地を守る会を創業し、45年にわたり歩み続けるオイシックス・ラ・大地の会長・藤田和芳とともに、食の在り方、ひいては生き方について見つめます。

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心と体で模索する日々

きゅうりと山くらげの和え物、とうもろこしのサラダ、チンゲン菜と長ねぎ、ゴマサバの甘酢炒め……。夏を感じる食卓を前に語るのは、藤田和芳、73 歳。「有機野菜」という言葉が日本で生まれる前に大地を守る会を創業し、安心・安全な食材の宅配を行ってきました。

「それぞれが今の立場でできることをやり、嘘をつかないで、堂々と生きればいい。食べ物ではまず、誰が作っているのかを知り、おいしいと思ったらおいしいと伝えることだけでも大切」
藤田が毎日食べるのは、大地を守る会の生産者の食材を使った朝食。「朝食の写真とともに使っている食材と生産者名を、ツイッターで配信もしています」
「藤田くんはもともと野菜が好きだから、魚や肉とかもしっかり入れないとね」とは、自身も仕事をしていた時からずっと朝食作りを担当する藤田の妻・真理さん。


藤田が食の仕事を始めたのは、幼少期の記憶と学生時代の強烈な体験、そしてある先生との出会いからです。「私は岩手県奥州で農家の次男として生まれました。農繁期に学校が休みになる『農繁休校』があって、味噌や醤油、納豆は自家製で、食べ物は基本、自給自足。農業は生活の一部でした。でも当時は、東京や遠くにあるものへの憧れがありましたね」。そう穏やかに話す藤田ですが、大学進学で上京後、学生運動に身を投じることになりました。「あの頃はベトナム反戦運動や沖縄返還など、世界と日本、国家と自分というふうに、どう生きるべきかと考える時期でしたね。また、イギリスの経済学者エルンスト・フリードリヒ・シューマッハー著『スモール イズ ビューティフル』や日本の小説家・有吉佐和子著『複合汚染』なども読んで、公害・環境問題に興味がありました。食料の輸入が増え、地元の岩手でも農耕用の牛の代わりに耕運機が登場し、農薬も多用するようになって、前は飲めた谷川の水は『もう飲むな』と言われるようになりました。憧れていた近代社会は効率重視で、他の者を蹴落としてでも金とモノを手に入れる風潮があり、本能的に『これは違う』と感じました」

大学を卒業後、出版社で働いていた藤田は、ある病院の先生と出会います。その先生のところには、農家が体調不良を訴えて来ていました。「農薬を使わないでと簡単に言われるけれど、市場では不格好な野菜は買ってくれない。私も妻や子どもがいるのに、どう養えというのか」という農家の言葉に、「農薬を使わない野菜を農家から買って売ろう」と藤田は思ったのでした。「学生運動のように『反対』することで社会を変えられると思っていましたが、○○するなと反対するだけではだめだと思ったんです」

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生産者と消費者の声を聞く

まず藤田は東京の団地で青空市を開きました。これに、「子どもに安全なものを食べさせたい」「生産者や国内の第一次産業を応援したい」という消費者が集まりました。大地を守る会の始まりです。生産と消費のバランスをとる難しさから、当時の生産者・消費者とともに経験した苦労は数知れず。それでもどちらの人数も増えていきました。そして、消費者がグループを作り、事前にまとめた注文を受けて商品を定期的に届けするという「共同購入」を開始。後に女性の社会進出が進み、買い物に行く時間がなかなかとれない状況をみて、「個別宅配」という現在の形になりました。「命にかかわる食、社会活動でもあるそれは、生産者と消費者の両方の声を聞くことが大切です」と藤田は話します。

大地を守る会の始まり、青空市。
共同購入を始めた頃は、「頑固な八百屋」と書かれたトラックで野菜を消費者に届けていました。時には生産者も一緒に乗車。この日は玉ねぎの生産者・大作幸一さん(左)。
宅配以外にイベントの企画や参加も実施。このポスターは1988年の「いのちの祭りシンポジウム」のもの。農協や労働組合、有機農業団体、市民団体などによって開催され、藤田も登壇しました。
生活スタイルの変化とともに個別宅配へ。
法改正や経済方針などで食の状況が変わる中、私たちに必要なこととは何か。
大地を守る会の創業当時からの生産者・金井正さん、修一さん親子(北海道江別市)。
きゅうりやトマトなど夏野菜の生産者といえば、福島わかば会 (福島県) 。
昔ながらのブルームきゅうりを50年育て続ける鈴木正幸さん、栄子さんご夫婦 。
有機JAS認証は一つの目安ですが、有機農業で大切なのは生産者と消費者の信頼。
江戸時代からの農法「踏込温床」で野菜を育てる生産者・阿部豊さん(茨城県石岡市)。

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想像力とやさしさと

数名から始まり、今では3万7千名以上の人へ安心・安全な食材をお届けするようになった大地を守る会。安心・安全の食が世の中に広がったかと思う一方、国内で栽培される野菜のうち有機野菜の割合は0.35%(※1)、国内食糧自給率も37%(※2)と依然と低いのが現状です。そこにこの春から、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっています。

生産者・消費者の数が増え、個別宅配になり、同じく数が増えた商品を仕分け、配送する人も欠かせない存在です。
大地を守る会の食材にはすべて、生産者名と産地名が記されています。


「これまで私たちは、災害や不況など社会の変化に合わせて、量や利便性といった物理的な価値より、物事本来の質や豊かさに気付くことができてきました。今回のコロナでも、大きな気付きを得て前進できるはずです。コロナが始まった頃、輸入に頼っていたマスクが日本に入ってきませんでした。食べ物でもこれと同じことが起きていて、牛肉や豚肉などの輸入率が下がり始めています。食べ物は、社会の問題や動きにいつもつながっています。だから私たちは、食を通して、社会の問題やその向こう側にあるさまざまなストーリーを想像することができます。この野菜は誰が、どう作ったのか、どんな想いで作ったのか。想像して食べることが大切です。こうして想像する力を養うことで、食に限らず、世界のありとあらゆる問題や現象も理解することができるようになります。例えば、災害や今回のようなパンデミックで起こり得ること、今アメリカで起きている黒人差別による問題もそうですね。想像力を働かせて、生産者は消費者のことを、消費者は生産者のことを想うことが、分断ではなく、共存への一歩になります」

食を通して身に付けた想像力は、多様性を認め、次の世代へやさしさをつなぐことになると、藤田は言います。食の力で社会を動かせるか。それは、私たち一人一人にかかっています。

※1「有機農業をめぐる我が国の現状について」(農林水産省、2019年)
※2「平成30年度食料自給率について」(農林水産省)


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※該当商品の取り扱いがない場合があります。

大地を守る会編集部

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。