フードレポート

~歴史ある木桶文化・醸造文化とみその魅力を知る~

日本の伝統文化「木桶」とは?

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こんにちは。実践料理研究家の岩木みさきです。

ガチみそ連載第2回目、今回のテーマは「日本の伝統〝木桶″とは?」ガチみそに欠かせない木桶についてです。

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そもそも「木桶」とは?

「桶」をご存知でしょうか?桶とは「密閉型ではない木の容器」のことで、おひつ・寿司桶・風呂桶・手桶・湯桶・産湯桶・棺桶など、人生の始まりからその終わりまで、江戸時代には生活に密接に関わり幅広く使用されていました。木桶はのせぶた(=かこい)をのせて使用します。
よく似ていて同じものと思われがちな樽(たる)は「密閉型の木の容器」のことを指し、食料の運搬や貯蔵(熟成)の目的でヨーロッパでもワインの醸造などに使用されています。

木桶の木材には木の一生の中で最も力があるとされる樹齢100年程のものが使用されます。直径50㎝程に育った天然木は目が細かく桶作りに適しており 、その木で作られた桶は約100~150年使用することが出来ます。 一人前の木桶職人になるまでには最低10年かかると言われ、一つの桶が作られるまでに長い時間がかけられているのも価値の一つです。
再利用しても使えるように最初は厚めに作られるため、厚みを半分に削っても構造を保つことが出来ます。寄木で繋いでいき、竹でできた“タガ”で縛ったシンプルな作りで、合わせる板目を削る台を「正直台」と言い職人の正直な気持ちと技術が現れると言われています。

葛飾北斎の富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろくけい)の中にある「尾州不二見原(びしゅうふじみがはら)」にも桶作りの様子が描かれています。

 

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醸造用の桶、「大桶」とは

大桶

大桶が並ぶ様子。圧巻です。

桶屋だからと言って何でも作れるわけではなく、桶の大きさにより職人それぞれの専門があります。

同じ形の桶でも大きさが変われば使用する工具のサイズ、必要な天井の高さやスペースが変わってきます。醸造用の木桶は非常に大きく「大桶(おおおけ)」と呼ばれていますが、現在製造することのできる桶屋さんは大阪にある「藤井製桶所」1社しかありません。

藤井製桶所

藤井製桶所の作業場。ここで大桶を製造しています。


大桶とは高さ1.95メートル、上辺の直径は2.3メートルで 30石(5400リットル)の液体を満たすことができるものとされています。これは酒を仕込むのに標準的な大きさで味噌や醤油の一大産地では50石や100石 という巨大な木桶もあります。

大桶に使用されるのは吉野杉に代表され、大桶用のタガを作るための竹の長さはなんと19mにもなります。今では竹藪を管理できる方 も減っており、長さのある質の良い竹を選ぶのも非常に大変です。

木桶は修理する際に1度バラバラにするのですが、上手な職人が作ったものほど組み外しも組み立てなおしもしやすく、100年前の職人から学ぶことが沢山あるそうです。

藤井製桶所の工具

藤井製桶所で使用されている様々な工具。これはほんの一部です。

 

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なぜ、木桶なのか?

木桶は、材料の確保が難しく、職人による手作業で作るためコストがかったり、使用中の手入れの手間がかかったりと、効率重視の考え方が進むに連れて、だんだんとプラスチックやステンレスに取って代わられるようになりました。
木桶は他の素材に比べて外気の影響を受けにくく、適温適湿に保つことができるため熟成に適した環境を作ってくれます。また、使用する程に菌が住み着き味や風味に個性が生まれます。

 

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生きた桶を未来につなげる

一度途絶えてしまった伝統を復活することはそう簡単なことではありません。

藤井製桶所から木桶を未来につなげようと、学び、情報発信に励んでいる人々がいます。木桶仕込みをしている蔵元の情報をまとめ長野県を拠点に活動している「木桶仕込み保存会」、香川県小豆島の醤油蔵ヤマロク醤油さんが企画運営する「木桶復興プロジェクト」、日本全国各都道府県に1人ずつ桶職人を育てようとしている徳島県の桶屋「司製樽」などの団体には、全国各地の木桶を使用する蔵主や、木桶を守っていこうという想いを持つ人々が全国から集まり、自ら木桶作りに取り組んだり、情報共有、情報発信をしています。

大桶を分解(藤井製桶所)

修理中の大桶。一つひとつの部品の大きさがよくわかります。

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木桶仕込みのみそ“ガチみそ”

「ガチみそ」=蔵元さんの本気(ガチ)な想いが込められた木桶仕込みのみそです。
ガチみそを通して一人でも多くの方に木桶のことを知っていただき、一緒に未来へとつなげていただけたら嬉しいです。


次回より、岩木みさきが実際にみそ蔵巡りをしたレポートをお届け致します。お楽しみに!


【プロフィール】
実践料理研究家 岩木みさき

岩木みさき

岩木みさき

高校時代にひどい肌荒れに悩み、食生活を見直し改善に成功。食に興味を持ち栄養の道へ。
食で健康を伝えるには、病気になった後のことも知っていなくてはと病院栄養士として3年間勤務。2012年より独立。
現在は “日々の中で実践出来ることが健康につながる”と考え、料理初心者でも取り入れられるレシピを中心に、企業や書籍、雑誌などのレシピ考案、料理教室misa-kitchenを主催。日本の伝統“木桶”に着目し、木桶仕込みのみそを「ガチみそ」と名付けイベントや商品開発、レシピ考案に力を注いでいる。

大地を守る会ではガチみそ連載以外にも、大地を守る会主催イベント「野菜好きになるひと工夫料理教室」の講師を務めている。

[HP] http://www.misa-kitchen.jp
[Blog] http://ameblo.jp/misa-kitchen
[Facebook] http://www.facebook.com/migaki.recipe
[Instagram] http://www.instagram.com/misakitchen.i

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。