戦国時代の名将・真田幸村が、大阪の陣で「真田丸」を作り戦う姿までを題材としたテレビドラマが人気です。
その真田家に仕えていた家来をご先祖に持つ、大地を守る会の生産者・金井繁行さん(群馬県)は、幸村の兄、真田信之の正室にあたる「小松姫」の名を冠としたお米を作っています。その名は、『有機 真田のコシヒカリ小松姫』。
今から400年以上前、真田家の領地であった群馬県沼田は、台地の上に城下町と周囲の農地が広がっていて、利根川、片品川といった水量豊富な川から水を水田に引くことが出来ず、領民が困っていました。
里山から流れてくるわずかな沢水と天雨に頼った米作りは、日照りが続くと不作になり、水不足に悩む領民の様子に心を痛めた小松姫は、雪を抱いた武尊山などから流れてくる雪解け水を、沼田の台地に引くための用水路を作ってはどうかと、信之に進言。
この提案を受け入れた信之は、水路の建設を進め、後に大小約100本の真田用水を作り上げたのです。この用水路のおかげで沼田の石高は、2万7千石から6万4千石(一説には9万石)となりました。
これらの用水路は、開削以来約400年経過した今日でも地元で大切に管理され、お米を始め、野菜、果樹など様々な農産物を生産するための、重要な農業インフラとして多くの稔りをもたらしてくれています。
『有機真田のコシヒカリ小松姫』は、そんな小松姫の想い、信之の決断に感謝して付けた名前だといいます。
2千メートル級の山々に囲まれた沼田は、台風の被害が少なく、昼夜の大きい寒暖差はうまみを生み、おいしい米作りに適した環境がそろっています。さらに、金井さんは、自家製発酵肥料、もみ殻燻炭、地域の畜産農家との提携による循環型農業を行い、“環境に負荷をかけない稲作り”をモットーとした「有機栽培」でお米を作っています。
収穫したお米は、稲穂のままはざ掛けにして吊るす昔ながらの天日干し。1日で仕上げる機械乾燥が主流の中、金井さんが天日干しにかける時間は1週間かけています。稲を逆さまにして風と太陽の光で乾燥させることで、稲穂の栄養分や甘みが米に降りてくるといわれます。じっくり乾燥させたお米は格別の味わいで、「食味分析鑑定コンクール国際大会」で金賞を受賞するほど。
この秋注目のお米『有機真田のコシヒカリ小松姫』を食べながら、ドラマを観れば2度おいしい。ぜひ、お試しください。