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三番瀬ってどこにあるの?どんなところ?
まずは「三番瀬」がどんな場所なのか、陶さんに聞いてみましょう。「三番瀬は東京湾深部にある、関東に残された数少ない“干潟”です。東京湾の海岸は広大な干潟だったのですが、船の航路を作るなどの目的で江戸時代から埋め立てが進み、今ではとても貴重な場所です。」“干潟”とは、砂、砂泥、泥などで作られた遠浅の海岸で、満潮の時には海面下になるけれど、干潮の時には干出する場所のことです。 三番瀬は、東西に5700m、南北に4000m広がる、面積約1,800ha(東京ドーム約380個分)の干潟と浅海域で、大潮時には140haが干出します。 この場所、もともとは江戸川が運んできた土砂が作ったもの。私たちが使った生活排水などの汚れた水が、川から海へと最終的に流れ着く場所です。 さてここで陶さん、ペットボトルに入ったお米のとぎ汁を取り出し、三番瀬特産のアサリが入った水槽にドボドボッ、と投入。水は見事に真っ白に濁ってしまいました。
「お米を食べるたびに、こうやって海にとぎ汁を流しているということです」お米大好きな方を責めてるわけでは決してありません。この後すごいことが起こるんです!
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驚くほど多くの生物で循環する干潟の生態系
さて干潟に話を戻しましょう。 「開けた場所に降り注ぐ太陽光」「潮の干満で供給される酸素」「栄養たっぷりの海水」が揃い、多くの生き物が生息する干潟。中でも三番瀬はその生物多様性から、環境省の「日本の重要湿地」のひとつに選定されています。これまでに魚類101種、鳥類89種、底生生物155種、プランクトン302種、合計647種が確認されているとか。 そんな干潟でビーチコーミング(生き物の観察・収集)する「生き物観察会」一行。当日は潮の状態が良くなかったので、見所が限られましたが、まずは小さな汐だまりへ。陶さんが小さな穴を見つけては掘り返すと、砂の色が少し違うことに気づきます。「黒い砂の表面と穴の部分だけ、茶色になっていますよね。これは砂に含まれる鉄分が、空気に当たる場所だけ酸化しているから。三番瀬にはゴカイやコメツキガニなどが群生して、沖の砂泥にはそれこそ無数の穴が開いています。そこから酸素が入ることで、多くの生き物に有毒な硫化水素を作る嫌気性バクテリアの増殖を抑えているんです」植物性プランクトン、藻類や海藻。それらを食べる底生生物、アサリやホンビノスなどの二枚貝、小さなカニやエビ、ゴカイやフナムシ。それらを食べる肉食の貝類や、海面が上がる満潮時に干潟にやってくる魚たち。それらを目当てに渡り鳥を含めた多くの野鳥も訪れます。 多くの生き物がいいバランスで生活する干潟には、独自の生態系が完成し、循環しているんですね。
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生物の力だけで成り立つ、干潟の浄化システム
ところで「太陽光」「酸素」と並べて「栄養たっぷりの海水」とサラっと書いてしまいましたが、この栄養源は人間の出す生活排水――例の「米のとぎ汁」です。 あれからかれこれ1時間、水槽の水がどうなったかといえば……なんとすっかり透明に。アサリが「汚水」の栄養を取り込み、浄化してしまったんです。これはアサリに限らず、干潟の生態系の中にある底生生物全般が持つ浄化能力だとか。確かに三番瀬の海水は、東京湾のイメージとは程遠いきれいさです。「70年代くらいの生活排水には有害な化学物質も含まれていましたが、化学洗剤を石鹸に変えるなど、消費者も“海に流すもの”を意識し始め、生活排水は純粋な栄養分のみになりつつあります。結果として様々な生き物が生きる干潟という環境が守られ、こうした自然の浄化システムが機能しています。人間も貝を食べることで海の浄化に役立っていると思うと、自然の営みの中にいる感じがしますよね」化石燃料がなくなれば機能しない汚水処理場とは異なり、純粋に生物の力だけで浄化できる干潟は、持続性も抜群です。改めて知った自然のすごい能力。東京湾に残る数少ない干潟、大切に守っていかなければいけませんね。(取材・文)渥美志保 大地宅配の「江戸前」商品はこちらから 大地宅配の、環境に優しい石けんなど、ホーム&キッチン用品はこちらから 大地宅配の、石けんの歴史はこちら
陶武利さん プロフィール
