フードレポート

40周年特別連載vol.9

人々の暮らしに、笑顔を広げるフェアトレード

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大地宅配の商品には、それぞれに選ばれた理由があり、紡がれてきた歴史があります。あるべき姿のおいしい食べ物を、作る人・食べる人と一緒に、未来に残してゆきたい……。
過去と現在、未来をつなぐコラムが「やがて、未来のチカラになる」です。

 

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「国産バナナで島おこし」がフェアトレードの始まり!?

1999年まで、大地を守る会では輸入品をほとんど扱っていませんでした。フェアトレードについて議論が始まったのは、10年以上も前の1986年。全国の市民団体が集まり、船上で有機農業やリサイクルの問題などを話し合った「ばななぼうと」でのことでした。「徳之島の国産バナナの復活で島おこしを」という議論が、途上国で生産されている「バナナ」をめぐる南北問題に発展したのです。問題提起をしたのは、砂糖の相場暴落によって苦しむフィリピン・ネグロス島のサトウキビ生産者を支援していた「日本ネグロス・キャンペーン委員会」。彼らはその後、砂糖やバナナをネグロス島から輸入する民衆貿易会社「オルター・トレード・ジャパン(ATJ)」を立ち上げました。大地を守る会もATJの立ち上げに協力。しかし、私たちは国産のバナナと砂糖の生産者を守るため、その時点では、海外産の農産物の取り扱いを見送ったのです。

 

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顔が見え、支援も見えるフェアトレードで途上国を応援

フェアトレード商品の取り扱いはバナナコーヒーから始まりました。輸入の基準はオーガニックであったり、弱い立場の人たちの生活向上を目的としたり、国産農家と競合しない商品に限定して扱うことを条件に少しずつ門戸を開いていったのです。例えば、コーヒー生産者の一つ、メキシコ南部生産者協同組合では、融資・預金の仕組みを作ったり、女性の自立を支援するなど、社会的な活動も積極的に展開しています。また、オリーブオイル の生産国パレスチナは、イスラエルの統治下、長引く戦闘で荒廃した農地をよみがえらせる取り組みとして、「スマイルオリーブ基金」で支援しています。お買い物を通じて、海外の生産者と支え合うことのできるフェアトレード。私たちの選択が世界の笑顔につながります。

 

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大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。