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映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』―ジェレミー・セイファート監督インタビュー「何を食べるかで世界は変わる。」

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アイスクリームを食べる男の子 しばしば耳にするものの実態がつかみにくい、遺伝子組み換え作物(以下、GMO)をテーマにした映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』。3人の子どもを持ったことで食について考えるようになった一人の父親でもあるジェレミー・セイファート監督は、種が大好きな長男の影響もありGMOに興味を持つようになりました。GMOや食品にどのように向き合い、食の安全を守るためにどのようなことができるのかについて、アメリカから来日したジェレミー・セイファート監督とジェンさんご夫妻にお話を伺いました。  

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巨大バイオ企業が牛耳る「食」の真実を伝えるために

―『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』を作ろうと思ったきっかけは何ですか? ジェレミー 大きく二つの動機がありました。一つめは、2010年にハイチで震災があったときの農民たちの行動です。貧しいはずの農民たちが、支援物資の一つとして送られてきたモンサント社(※)の種を燃やすという抗議行動の記事を見ました。最初は、「なぜそんなことをしたのだろう」という好奇心が大きかったのですが、実際にハイチで人々にインタビューをして刺激を受けました。二つめは、やはりGMOが与える体への影響です。家族のことを思うととても心配でした。そして、巨大バイオ企業が「食」を牛耳っていることを多くの人に伝えて、問題を共有したいと思ったんです。もし、今の企業のやり方が続けば、世界のあらゆるものが遺伝子組み換えになって、食が独占されてしまう。食べ物を選択する機会を失ってしまう。そんな世界を子どもたちに残したくはないですから。 ※世界46カ国に進出している巨大バイオ企業。巨大種子企業でもあり、世界中の種子企業を買収することで遺伝子組み換え市場の90%を占めている。 父親と赤ちゃん 農地

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私たちは、ある種の食べ物の「中毒」になっている

―セイファート一家の食について教えてください。今作を作る前と後では、変化はありましたか? ジェレミー とても大きく変わりました。私の初監督作品『DIVE!』は、廃棄食品について追ったドキュメンタリーでした。ゴミ箱に捨てられた食品を救いだすという内容だったのですが、GMOの実態を知れば知るほど、GMOはゴミ箱へ行くべきものだと感じました。その結果、うちの食卓はほとんどGMOフリーになったんですよ。 ジェン 以前は、価格や味を気にするばかりで、どこで作られた物か、誰が作った物かは、正直あまり気にしていませんでした。でも今は、オーガニックの食品を買うようにしています。 ―これまで食べていた食品を見直すことは簡単なことではないと思います。ジェンさんと3人の子どもたちはストレスを感じていたのでは? ジェン 映画にも登場するシーンですが、私がスーパーマーケットで食品を買ってきたら、ジェレミーが食品表示を一つ一つ見て、「うーん……」とうなるんです。すべてGM食品だったんです。それからは、子どもたちに食べさせる物を探すのに苦労しました。でも、一気にすべての食品を変えようと思うとストレスがたまりますが、少しずつであれば、それほど大変なことではないんですよ。 ジェレミー そう、一歩一歩でしか変化は起こせません。GMOフリーの何が難しいかというと、現状の食文化に逆らうことなのだと思います。私たちは、ある種の食べ物に対して中毒になっています。それは、味だけではなく、安さです。でも、味や安さに魅了される中毒から解き放たれると、本当に大切なものが見えてきます。 ジェレミー・セイファート監督とジェンさんご夫妻

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体と地球に良い物を買うか、企業の搾取に加担するか

―「いったいGMOの何が良くないのだろう」という疑問を抱いている人は少なくありません。GMOの何が悪いのでしょうか? ジェレミー まだ実験段階ではありますが、GMOは人体へ影響を及ぼす可能性があります。また、種の支配権が統合されることは大問題で、それによって生物多様性が失われてしまいます。権力が集中している構造は実は脆弱で、きっと崩壊してしまう。それは、かつてアメリカで起こった金融危機と同じようなものです。消費者である私たちは、企業が商品を作るときの動機の根底にあるものを理解しなければなりません。企業が消費者の健康を考えて作った物なのか、利益だけを追求して作られた物なのか。 ジェレミー・セイファート監督 ―具体的に、消費者は買い物の仕方をどのように変えればよいでしょうか? ジェレミー 農薬や化学肥料、GMOなどに頼らず、農家ときちんとしたつながりがあり彼らを支援できるような仕組みを活用すること。フェアトレードの商品、地産地消で旬の物を選ぶこと。生産者がわかっている物を選ぶのもいいですよね。情報収集や手頃な値段で買うことはなかなか大変ではあります。でも、GM食品を買うことは、GM食品を作り市場に流通させている企業を支持することなんです。一人一人がどういった選択をするのかが大切です。自分や家族の体と地球に良い物を買うか。もしくは、企業の搾取に加担するか。好きか嫌いかという嗜好の問題ではなく、どちらに参加するのかということです。私たちにとって食べることは、世界を変えるための活動でもあるのです。 ―食の安全を守るには、子どもたちにどのような話をすればよいのでしょうか? ジェレミー 話をするというよりも、子どもに親の背中を見せることだと思います。親が模範的なことをするのが一番です。信頼のおける生産者が作った体に良い物を食べること。子どもには、それらの意味を理解する力があります。映画の最後のところで、私の息子がGMOについてこう言っています。「僕たちが買わなければお店は商品を置かなくなる。そうすればGMOの会社もなくなる」と。これは真実を突いていると思います。現状に変化をもたらすのは辛抱のいることではあります。でも、私たちには仲間がいてパワーがあります。私たちが何を食べるかで世界は変わります。   ジェレミー・セイファート(監督/脚本/編集) 1976年生まれ。アメリカ・カリフォルニア州在住。2010年、初監督作品『DIVE!』は、世界中の22の映画祭でさまざまな賞を受賞。現在、映画監督としてだけでなく環境活動家として活躍している。 映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』 監督:ジェレミー・セイファート/出演:セイファート監督のファミリー、ジル=エリック・セラリー二、ヴァンダナ・シヴァ/配給・宣伝:アップリンク/字幕:藤本エリ/字幕協力:国際有機農業映画祭/2013年/英語、スペイン語、ノルウェー語、フランス語/85分/カラー/アメリカ、ハイチ、ノルウェー 公式サイトはこちら

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。