社会貢献活動(CSR)

日本の漁業と私たちの食卓はつながっている

福島からはじめよう 日本の持続可能な漁業の未来 Vol.2

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原発事故の影響で休業を余儀なくされていた、福島県いわき市の漁師、新妻竹彦(にいつまたけひこ)さん。「いわきの漁業の未来を考える会」で、大地を守る会とともに活動しています。そんな新妻さんから、2015年9月より試験操業を始めたとの知らせを聞き、「いわきの漁業の未来を考える会」の発起人でもある、大地を守る会商品部長の吉田和生が訪ねました。

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豊かな海の恵みを守りながら漁業を続けるために

吉田 水産資源を守りながら漁業を続けるために、試験操業で取り組んでいるのはどんなことですか。 新妻 成魚になっていない小さな魚を獲ってしまわないように、網をいろいろ工夫しています。 吉田 網は、漁師さんによって細かい部分のつくりが変わりますよね。 1502115gyogyo_V2-2 新妻 網を作るのは漁師の腕の見せどころです。どの漁師も網が海の中でどう立体的に動くかを想像して工夫を凝らします。私は6トンクラスの小型の船で漁をしていますが、網の長さは二十数メートルです。 底引きの網は、魚の入る開口部は10面ほどあり徐々に細くなって、魚のたまる部分は2面となるよう立体的な筒状の構造になっています。以前は小さな目の網で漁をしていたので、小さな魚も獲ってしまっていました。 試験操業では、2面部分の網の目を大きくして、小さな魚が逃げられるようにしました。その部分の網は付け替えられるようにしていて、季節と魚種によって替えられるように何種類か用意しています。実験的に、その網の後ろに小さな目の網を付けてみたこともあります。 吉田 それはなぜですか。 新妻 新しく作った網から逃げた魚がどんな魚か確認するためです。ヤナギガレイやメヒカリ、アナゴの成魚が抜けてしまうことがわかりました。それは次に解決しようと考えている課題です。 吉田 網の他にやっていることはありますか。 新妻 漁場には気を付けていますね。福島県では定点調査をやっていて、魚の産卵時期と場所のデータが公表されています。それを見て産卵で魚が集まっているような区域は避けています。 1502115gyogyo_V2-3 吉田 海の環境が良くなれば、そこに魚は戻ります。 新妻 真ガレイは、数が増えただけではなくて、劇的に型の大きなものが獲れるようになりました。以前は特定の区域でしか大きなものは獲れませんでしたが、今は操業区域のどこに網を入れてもあがります。 吉田 これまでは量を獲ることでしか儲けられなかったわけですが、型の良い魚を良い状態で水揚げすることができる。 量を獲らなくても形の良い魚で儲けられれば、漁師にとって効率が良いだけではなく、資源管理にもつながります。そういった事例が広まれば、10年後20年後の漁業を担う後継者が育つ絶好のチャンスですね。 1502115gyogyo_V2-4 新妻 数が増えて型の良い魚が獲れるようになった福島の漁業は、獲れる=儲かるとなっています。だから資源管理と大上段に構えなくてもいいんだと思います。儲かる漁業という看板の後ろに、資源管理という見えない網を張っておくということです。 1502115gyogyo_V2-5 いずれは隣県の宮城や茨城の漁師が福島の儲かる漁業を見聞きし、それをまた隣県がというように日本中に波及し、そんななかから福島よりバージョンアップした資源管理に取り組もうという漁師が出てくるかもしれない。そうなったらおもしろいし、波紋を広げる中心になれればいいなと思います。 1502115gyogyo_V2-6 吉田 福島の漁業の現場で起きていることは、日本各地で起きていることです。漁業のことも原発のことも、福島は日本の縮図なのだと思います。 福島に向き合ってどこに進もうとしているかをしっかりと見続けることが、自分たちの生活を見直し、日本の漁業の明るい未来を切り拓くことにつながるのだと思います。 前ページ、「豊かな海の恵みを守りながら漁業を続けるために」(福島からはじめよう 日本の持続可能な漁業の未来 Vol.1)はこちら

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。