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地域のために何ができるのか

【NEWS大地を守る3月号】喜多方の地で文化を醸す

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蒸しあがった米から湯気が立ち上る。1トンの米を掘り起こすのは酒造りの工程でいちばんの重労働だ。

蔵の街・喜多方。230年の歴史を持つ酒蔵の担い手たちは、フレッシュな若者たちです。
震災の風評被害を乗り越え、見すえるのはその先の未来。

蔵で働くスタッフのみなさん。中央が杜氏の哲野さん。

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若き杜氏と持続可能な酒造り

冬は酒蔵にとって勝負の季節です。朝8時半。米を蒸した大きな釜から湯気が上がります。蒸しあがった1トンもの米を、スコップで雪かきをするかのように掘り上げていくスタッフを見守るのは若き杜氏の佐藤哲野さん(36)。この米の一部が麹作りに、そして残りが酒の仕込みに使われます。

米が蒸しあがり、釜が開くと湯気が立ち上る。これを掘り起こしてベルトコンベアーに乗せていく。

大和川酒造の創業は1790年。230年にもわたって福島・喜多方の地で酒をつくり続けてきました。製造に関わるスタッフは哲野さん含めて5人、平均年齢は33歳です。歴史ある酒蔵にしてはずいぶんとフレッシュなスタッフたちという印象を持たれるかもしれません。30年前に新設したという醸造蔵も、いわゆる薄暗い酒蔵のイメージとは異なり清潔感にあふれ、そして機械化が進んでいます。
「経験と勘だけに頼る昔ながらのやり方よりも、温度管理などは正確にできるようになりました。昔は深夜の作業や泊まり込みが続いて、大変でしたから」そう語るのは哲野さんの兄で、同社専務を務める佐藤雅一さん(40)です。
先代の杜氏は2人の叔父にあたる現社長の和典さん。それ以前は冬になると新潟から杜氏を迎えるいわゆる「杜氏制度」に頼っていましたが、杜氏たちも高齢化を迎える中、制度がなくなっても変わらず大和川酒造の味を受け継いでいける体制を整えてきました。
今の時代にあった働き方が提供できるようになったことで、若いスタッフが生き生きと働ける職場になりました。インスタグラムで酒造りの現場の様子を発信したり、実験的に新しい酒を作ってみたり。「何よりみんな酒が大好きな奴らなんです」と雅一さん。
持続可能な酒造りを常に考えているからこそ230年続いてきたのは間違いありません。

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地の米、水、技、次はエネルギー

大地を守る会で取り扱うのは、主に「純米吟醸 種蒔人」と「料理がおいしくなる純米料理酒」の二商品。
1994年に種蒔人の前身となった「夢醸」という酒を一緒に作ったのが始まりです。福島県須賀川市で稲田稲作研究会が作る無農薬栽培米を使った酒を作りたいというところからスタートしました。
それまでずっと会津の米を使ってきた大和川酒造にとって、須賀川の米を使うのは初めてで苦労もあったそうですが、安定した味に今では根強いファンがついています。特にリピーターが多いのは料理酒。
「料理酒は一般的に、塩を加えて不可飲処置を施します。そうすることで『酒類』ではなく『食品』になり酒税が課せられないからです。でもこの料理酒は不可飲処置をしていない、飲んでもおいしいお酒。麹を倍使っているのでアミノ酸が多く、甘みやうまみが強い。料理のうまみを引き立ててくれるんです」(哲野さん)
「蔵の街」と呼ばれる喜多方市。人口比では全国トップクラスの、10の酒蔵があります。市の北西に望む飯豊連峰の豊富な伏流水が、古くからこの土地の米作りと醸造文化を支えてきました。口当たりまろやかな軟水。喜多方が酒もラーメンもうまいのは、水がいいからと雅一さんは胸を張ります。

市内の各地に湧き水がある。大和川酒造のかつての蔵を展示施設に変えた「北方風土館」の前にて。

1から10まで自分たちの手で責任を持って商品を作りたい、そんな思いから、同社では2007年には農業法人「大和川ファーム」も設立し酒米を栽培しています。
「もともと私たちは地の米、地の水、地の技術を大切にしてきました。これからはそこに地のエネルギーも加えたいんです」
蔵の屋根には太陽光パネルが設置されています。雅一さん、哲野さん兄弟の父で同社の会長である九代目佐藤弥右衛門さんは、エネルギーの地産地消を目指す会津電力の会長も務めます。原発事故のあと、安全で持続可能な再生可能エネルギーの普及を目指して設立された会津電力。現在、蔵で賄う電力は会津電力で作られた電力を購入していますが、将来的には自家発電で賄いたいという思いがあります。

蒸した米がベルトコンベアーで運ばれていく。

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風評被害を乗り越えて

次世代の育成、次世代のエネルギー。常に未来のことを考え動いてきた大和川酒造ですが、この10年を振り返れば、福島の酒蔵の一つとして東日本大震災の影響を大きく受けました。倒壊など直接の被害はなく、蔵も無事でしたが、その後数年に渡って悩まされたのが風評被害です。
原発の汚染水の問題が出てきて以降は、検査をして問題ないと明らかになっても、「福島の酒」というだけで買ってもらえなくなりました。
「例えば百貨店に卸すときの需要の多くはギフト向けですが、『贈る相手がどう思うかわからないから』と避けられることもありました。この先どうなるんだろうと先が見えない日々でしたが、そんな中でもそれまでと変わらず飲んでくれたお客さんたちがいた。大地を守る会の会員さんもそう。感謝しています」(雅一さん)
同じように震災で売れなくなったいわき市の酪農会社とコラボしてヨーグルトのリキュールを作ったり、県内の桃農家を応援するために桃のリキュールを販売したり、地域をともに盛り上げつつ、これまでと違う層にも届くように新商品を開発してきました。
「日本酒業界は全体で見れば右肩下がりです。20、30年後、今と同じように酒が売れるかわかりません。それでも受け継いだ歴史をどう残していくか。酒は文化の一つです。地域のために何ができるのか、どう恩返しができるのか考え続けていきたいと思っています」

蒸しあがった米に、種麹を振りかけている様子。こうして麹菌を繁殖させる


「特撰 料理がおいしくなる純米料理酒」はこちら
「種蒔人 純米吟醸(あらばしり)」はこちら
※該当商品の取り扱いがない場合があります。

大地を守る会編集部

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。