大地を守る会 企業情報[ソーシャルビジネス(社会的企業)]

コメニスト宣言

コメニストとは「日本のお米を食べて、日本の田んぼを守ろう!」という趣旨に賛同する人のことです。日本の田んぼを守るために10の提案をします。

大地を守る会 コメニスト宣言

 1.外食よりおうちでご飯を炊いて食べよう。
 2.お昼は外食よりお弁当にしよう。
 3.買うならパンよりおにぎりにしよう。
 4.外食するならうどんやパスタより丼やおにぎりや炒飯にしよう。
 5.麺なら輸入小麦より国産のお米や小麦を使った麺にしよう。
 6.農薬や化学肥料を使わない努力をしてる生産者のお米を買おう。
 7.米作り生産者にありがとうの声を届けて元気づけよう。
 8.お米を食べて日本の生物多様性を守ろう。
 9.お米を食べて食料自給率を上げて、フードマイレージを減らそう。
 10.日本の自然を元気にするお米を食べて日本を守ろう。

米価12,000円割れの危機感

2007年秋、米の売り渡し価格が一俵12,000円を切ったというのです。農家の経営規模によっても違いますが、稲作農家にとって一俵12,000円は採算という点でギリギリの価格でした。「毎年米の価格が下がり続けて我慢に我慢を重ねてきたが、一俵12,000 円を切ったらもう米は作れねぇ。作れば作るほど赤字になってしまう」と農家の人たちは口々に言っていました。一俵12,000 円という価格は、農家の米を作るという気持ちを一気に萎えさせてしまったように感じられました。これまでも、日本の食料自給率が39%まで下がってしまったとか、農家の後継者不足、高齢化など日本農業の衰退化が語られてきましたが、この米価12,000円割れという事態は、ある種の分水嶺を越えてしまったかもしれない。

米を食べなくなっている

 1960 年に日本人1 人当たりの1 年間に食べる米の量は118・3kgでした。それが、2006 年には61・0kgと半分に減ってしまいました。米を食べなくなり、パンやパスタなどを食べるようになったのです。しかも、パンの原料の小麦はそのほとんどを輸入に頼っています。あのふっくらとしたパンに仕上げるのは、「南部小麦」や北海道の一部で採れる「ハルユタカ」などを除いては、国産小麦では無理だからです。

 かつて、日本の学校給食で子供たちが毎日パンを食べさせられているのを見た外国の新聞記者が「不思議なことをしている。これでは日本人はそのうちパンを主食とする民族になってしまうだろう。自国で採れない穀物を主食にするとは考えられないことだ」と書いたと伝えられています。わずか50年か60年の間に、このことは現実のこととなりつつあります。

 米だけではありません。日本人は自国の農業をあまりに大事にしなくなりました。日本の耕地面積は465万haですが、そのうち耕作放棄地は38万6,000haになっています。これは耕地面積の8%、東京都の1・8 倍にも匹敵する面積です。そのうえ、減反政策などで不作付け地となっている面積は20万haにも上っています。作ろうと思えば作れるのに、ただ安いからという理由だけで外国から食料を運んできて、自国の耕地は60万ha近くも放棄地、不作付け地にしているのです。世界には深刻な飢えで苦しんでいる人々が数億人もいるというのに、日本のこの現状は何というべきでしょう。ひとたび世界的な食料危機がきたら、主食を手に入れる道が断たれてしまうかもし れない。まるで、イソップ童話の「蟻とキリギリス」に出てくるキリギリスのような悲しい未来が日本人に待っているかもしれないのです。

自分たちにできることから始めよう

政府に、日本の米を守る政策をこれまで以上に強く打ち出してほしいと要求することも大事ですが、私たちも毎日の生活の場で、もっと米を食べる努力をしたいもので す。農水省の試算によれば、日本人がごはん1食につきもう一口食べると、日本の食料自給率は1%向上するといいます。しかも、その分だけ田んぼが守れ、稲作農家を守ることができるのです。主食である米の生産基盤が残っていてこそ、私たちの子供や孫の世代は安心して暮らせるのではないでしょうか。

 フードマイレージという観点からも、輸入小麦で作られたパンを食べるよりお米を食べる方がずっとずっとCO2 を削減することができるのです。「お米を食べて地球温暖化防止に貢献しよう」なんて笑ってしまうような標語ですが、それでもお米を守ることは大事なことです。温かいごはんに生卵、納豆に味噌汁、漬物、小魚など日本人の朝ごはんは世界に誇れるごちそうです。お茶漬けにしてもおにぎりにしてもお米はおいしい。私たちが、これまでよりちょっとだけ多くお米を食べることで、日本の米作り文化を守っていけたらどんなに素晴らしいでしょう。

 昼食のパンやパスタを、おにぎりに。瑞穂の国、日本の美しい風景を守るためにも、ごはんを食べていきましょう。

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