社会貢献活動(CSR)

世界のオーガニック事情

キューバは実はオーガニック先進国だった!

カリブ海に浮かぶラテンアメリカの国、キューバ。正式名称は「キューバ共和国(Republic of Cuba)」。コバルトブルーの海、クラシックカー、社会主義の国として思い浮かべる人は多いと思いますが、実は有機農業の先進国であることを知っている人は少ないかもしれません。

大地を守る会では、そんなキューバの有機農業をよく知るため、2009年と2016年、視察訪問をしました。今回の記事ではその様子をレポートします。

 

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キューバがオーガニック先進国になったワケ

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キューバは、1959年以降アメリカからの経済制裁を受け、1991年には主な支援元であったソビエトが崩壊して、経済危機に陥りました。物資が乏しく食料やエネルギーを輸入に頼っていたキューバは、食料自給率を上げるため選択の余地なく有機農業を選ばなければなりませんでした。外国資本に握られていた土地を国有化し、国民に農業を励むように促すことに。

国を挙げて土壌を検査し、堆肥づくりに適したミミズを選択し、都市住民も希望すれば空地を与えられ農法を教えてもらっていました。「空き缶があれば、そこに土を入れて野菜を育てよ」というカストロ議長の言葉が、食料増産に励んだ当時を象徴しています。ハバナの街のあちこちには、市民のため農業指導所がつくられました。

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アメリカとの国交回復後はどうなるのか

2015年4月、59年ぶりにアメリカとキューバの首脳会談が行われ、7月には正式に国交回復されました。このことでアメリカの資本が入り農業政策が変わることで、有機農業システムが変容し、TPPや遺伝子組み換え食品のリスクにさらされはしないのか。

新しい局面を迎えるキューバを訪問し、その歴史性と先見性を学ぼうと、2016年9月、大地を守る会の関係者一行は、再度視察訪問に行きました。

 

VIVERO ALAMAR UBPC農場 (アラマール共同生産基礎単位農場)

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日本でいう農業法人に近い形態で、耕作面積は11ヘクタール。約100名の農民が働き、半数は女性。育休、昇給等の雇用体制も整備されており、老人、女性も活躍できる組織です。反面、若者の農業離れには頭を悩ませているとのことでした。

有機野菜と肥料を主に生産。写真はキューバ独特のオルガノポニカという栽培方法。牛フンを集め、数万匹のミミズに食べさせて堆肥を作っていました。

 

元小学校教師が就農した郊外の農場

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傾斜地を利用した農園で、頂上から見渡す景色のすばらしい観光農園のような形態です。薬草、果物、観葉植物を多数、栽培。農場主が「アメリカから物資が入ってきても有機農業をやめるつもりは無い」と言っていたのが印象的でした。

 

畜産と作物栽培を一緒に行う「有畜複合農業」

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時には農薬や化成肥料も使うという、比較的一般的な農場も視察しました。家畜のふん尿を地力の向上に使うなど、家畜と畑を上手く組み合わせていました。さらに現金収入を得るためこちらのご主人は運転手もしています。

 

まとめ:キューバの有機農業は変わるのか

2015年のアメリカとの国交回復後、キューバの農業はどう変わったのか、どう変わっていくのか。この疑問を、出会う人々に聞いてみました。すると「現時点では変わることはない」という答えが多く返ってきました。

その理由は、アメリカの対キューバ経済政策に変化がないこと、キューバの対アメリカ政策にも変わりがないことが大きな理由のようです。有機農業を実践する方々の多くは、その安全性を認識しており、簡単に化学肥料や農薬に頼る農法に転換することはなさそうです。

一方で、アメリカとの自由貿易が始まれば、何らかの変化が見られるかもしれません。
今後のキューバの動きに注視していきたいと思います。
大地を守る社会貢献活動(CSR)をすすめる会

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