19話に入る前に、お詫びを入れなければなりません。
18話の、フルーツバスケット設立時の話で、当事者から「事実誤認あり」の連絡がありました。問題の箇所はここ。
製品第1号は、青森・新農業研究会のりんごを使ったジャム。実に幸せなスタートだった。しかし農家には「送れば何とかしてくれるだろう」の感覚があって、傷んだ果実まで一緒に届けられ、真名子さんが激怒して突っ返したといったエピソードも生まれたりした。
「真名子さんが激怒して突っ返した」という事実はありません。たしかにひどい状態のリンゴも入っていて、激怒したことは事実だけれど、突っ返しはしなかった。
小森真名子さんの言葉です―
「私は、生産者から送られてきたものを突っ返したことは、一度たりともありません」
その時も、丹念に選り分け、良い状態のリンゴはちゃんとジャムにした。
そうでした。そう聞かされていました。調子に乗って無造作に書いてしまいました。
「訂正まではいいけどー」とのことでしたが、これはけっこう精神の根幹に触れる部分でもあり、2代目社長としては襟を正すべきところです。
ここに深くお詫びし、訂正させていただきます。
また誤解を招きそうな部分もあるので追記させていただきます。
このエピソードの生産者は青森・新農業研究会ではありません。
名誉のために名前は伏せますが、東北から遠路はるばる生産者自ら届けてきて、やれやれとトラックから荷を降ろしたところで、検品した真名子さんの怒りに遭い、日頃から人に頭を下げたことなどないと豪語するK・亮さんが直立不動で固まった、という逸話であります。
語り継がれて28年。
たとえエピソードが笑い種(ぐさ)になっても、奥にあるスピリッツを置き忘れてはいけない。自ら運んだ生産者の思い、それを受け止めて選別したスタッフたちの心意気、ちゃんと受け継いでゆきたいと気持ちを新たにさせられました。
フルーツバスケットには、今も各地の生産者からたくさんの果物が送られてきます。
指定の原料だけでなく、「これを何とかしてくれないか」といった依頼も後を絶ちません。モノがいきなり届くこともあります。パイナップルやら梨やら……と。
それらをけっして見捨てることなく、形にする。
“たかがジャム、されどジャム”
- 加藤保明前社長(現会長)の口ぐせですが、このミッションに終わりはありません。
現在進行形の話は、“エビちゃんブログ「あんしんはしんどい」”でお伝えしています。
よろしかったら覗いてみてください。最近、更新できてないけど…
では、気を取り直して、19話に。
80年代初期の、大地を守る会がその活動フィールドを大きく広げていった時代の話を。