社会貢献活動(CSR)

大地を守る会ならではの「オーガニック 」を考える

【NEWS大地を守る9月号】前篇  どうしたら、有機野菜は広がる?

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「オーガニックって何?」。そう聞かれたら、あなたはどう答えますか。 体にいいもの?  環境にやさしいもの?  安心して食べられるもの?   いつしか、当たり前のように存在するようになったオーガニックを見つめ直します。

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有機の畑は0.2%だけ。作り手が増えない理由とは

「オーガニック=organic」を辞書で引いてみると、「有機物の」や「化学肥料を用いず育てた」などとあります。簡単にいえば、農薬や化学肥料に頼らずに育てたものを指し、日本では、法律で定められた「有機JAS認証」を取得していなければ「オーガニック(または有機)」と表記してはいけないことになっています。 オーガニック・フード、オーガニック・カフェ……。世の中にはオーガニックと名のつくものがあふれていますが、日本の耕地面積の中で有機の畑が占める割合はわずか0.2%。 この10年ほどは、ずっと増えていません。有機農業先進国であるイタリアは8.6%ですから、日本の有機は、とても希少なものだといえます。
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ヨーロッパのマルシェ。形やサイズの不ぞろいな有機野菜も売られている。それが当たり前。

ここで一つの疑問が浮かびます。たとえば、農薬を多用した大根と有機で育てた大根。どちらを食べたいかと聞かれれば、有機のものを選ぶ人が多いはず。多くの人がいいと思うものなのに、なぜ有機の畑は増えないのでしょうか。 それは、日本において有機農業に取り組む大変さに答えがあるのかもしれません。 有機JAS認証の取得には、認証の審査費用や有機JASマークのシール代など、生産者に多くのコストがかかります。また、認証機関に提出する日々の栽培記録、肥料や防虫ネットなど農薬以外の資材を設置する手間は大きな負担となります。 1600915news_112 さらに、一部の作物で有機許容農薬があるものの、農薬の使用が制限されることから病虫害のリスクが高く、収穫が減少してしまうことも。 このようなコストや手間、リスクがあることから、有機農業に取り組む生産者がなかなか増えないのが現状です。なかには、有機と同等以上の条件で栽培しているものの、有機JAS認証を取得しない生産者もいます。
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農業資材の一つ、マルチシート。太陽熱により地面の温度を上げ、雑草の成長を抑える効果があります。

食べる側、流通させる側の意識も有機が増えないことと無関係ではありません。有機農業先進国では、不ぞろいな形や虫食いの農作物も店頭に並ぶのが当たり前。消費者には、「有機なのだから見た目は関係ない」という意識があります。 一方、日本では、有機という安心材料だけでなく、姿形がきれいなことも求められることが多いのが事実。有機自体の価値が浸透していないことも、有機の広がりを妨げているのかもしれません。

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価値の共有が有機の畑を広げる

農薬や化学肥料を使用すれば、手間が省け虫食いや病虫害がないものが育ちます。その反面、日々の作業で農薬や化学肥料を扱う生産者の体や自然環境に悪影響を及ぼしてしまいます。消費者も安心して食べることができません。
農薬や化学肥料に頼らない農業では草とりも大変。そんな畑からとれる野菜は、生産者たちの努力のたまものです。

農薬や化学肥料に頼らない農業では草とりも大変。そんな畑からとれる野菜は、生産者たちの努力のたまものです。

大地を守る会では、発足以来、おいしくて体に良く、環境にも良いものを広めようと有機野菜を届け続けてきました。 理念に共感する生産者と手を取り合い、「家族に安心できるものを食べさせたい」「有機の生産者の農作物を買い支えたい」という価値を共有する消費者も増やしてきたのです。 生産者、消費者、そしてそれをつなぐ大地を守る会。この三者が価値を共有することで関係性を築き、有機を広げてきました。野菜の場合、取り扱い商品の中で有機と農薬不使用(栽培期間中)の合計の割合が約88%(2014年実績)と非常に高いレベルを達成しています。 大地を守る会ならではの「オーガニック 」を考える 【後編】一本の大根を支えるオーガニックな関係とは?はこちら

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。