学ぶ

モデル香菜子さんの「つまみ食い学び 」 Vol.6

皮ごと絞るのが当たり前の「みかんジュース」。手むきの苦労を体験してきました。

フルーツバスケットが誕生した物語とは

果物を作る人が10作っても、食べる人が8しか食べられなかったら、となったらあまった2はどうするの? そのあまった2つは放っといたら腐ってしまう。こんなにおいしくできたのに。フルーツバスケットさんの始まりはこのとてもシンプルな問いから始まりました。 1987年3月、大地を守る会の農産加工部門として、静岡県丹那郡盆地に設立されました。

きっかけをつくったのは、キウイジャムだそうで なぜイチゴジャムやマーマレードではなくキウイ?と思ったのですが それには理由があって 80年代に初めてキウイフルーツが販売されるも 見た目からかほとんど売れなかったそう。私も記憶があるのですが、親戚の家で始めてキウイフルーツを見たとき 「毛だらけで気持ち悪い!なんだこれ!?」と激しく嫌悪感を抱いたのを覚えています。 いまでこそおいしい、おいしいと大好きでよく食べるフルーツですが 人間の感覚は勝手なものです。

 

img_3889

 

そこで余ったものはどうするか? 売れない、と放っておけばどんどん果物は傷んでしまいます。 そこで当時パートで働いていた女性が 「ジャムにしてみよう」となったのが始まりだそう。普段、私たちが簡単に手にしている野菜や果物、ここに届くまでに どんな道をたどったのか考える機会は恥ずかしながら本当に少ないと思います。 私もその一人です。


このリンゴは手元に届いたけれど 同じ木から採れたけれど消費者の誰の手元にも届かなかったものもあります。 宅配だと「では次回翌週の宅配にまわそう」も生ものだからできません。消費者が欲しい数だけ用意。 これができたら全国の農家の方々はどんなに助かるでしょう。 しかし相手は自然。 その年の天候によってたくさん採れる年もあるし 予定の数よりもだいぶ少ない年もあります。 本来は人間が自然に合わせなくてはならないのです。 現代の一般的な流通システムではそれは机上の空論。 その流通システムに抗わずにできることは何だろう。 大きな流れに逆らわないで流れにのったまま 変えられること。


大地宅配では ベジタという商品(内容が選べないけどそのとき旬のおいしいものセット)やもったいない商品(形が規格 外だけどちゃんとおいしい食品)などがあります。 もちろん購入する側がその主旨を理解していることが前提ですが食品を無駄にしない精神がわたしはとても好きです。だいたい毎回ベジタのLセットを購入しています。 もっとこのシステムが大地宅配に限らず全国に広がればいいな、と思っています。

 

本物のみかんジュースをつくっている現場をみてきました。

さて前置きが大変長くなりましたが、今回は手むきみかんジュース見学をしてきました。みかんが温泉に入っているよう。 ここで温めて手で皮を剥きやすくします。

 

img_3563

img_3565

img_3547

 

img_3548

 

私もお手伝い。

 

img_3579

img_3550

 

が、お役に立っているかどうか疑問です。 皆さんの手際が早すぎて、ついついそちらに見とれてしまいます。早くて気持ちいいんです!

 

img_3556

 

img_3649

むかれたみかんはこの機械で絞られます。 機械の下からは搾りかすが出ています。

 

img_3573

ここでもうすでにジュースですね。 タンクにこんなにたっぷり。

 



この段階で特別に絞りたてを味見。

 

img_3623

 

img_3628


酸味と甘みがほどよくでまさにみかん!
おいし~~~! そして次の工程でもう瓶に詰められていきます。

そういえば、水道の蛇口からジュースが出ればいいのにと、子ども時代いつも思っていたのですが、あの頃の私に言いたい。そんなことができる場所がここにあるよ。 ジュースがどんどん出てくるよ!と。オレンジ色の瓶が次々に出てきます。

 

img_3675

img_3705


はい、みかんジュースさんたち大渋滞。

 

img_3691

 

味を損なわない程度の高温で殺菌する機械を通ります。 本日は90°Cちょっと。

 

img_5602

そして次のブースでは 「おいしいよ!安全だよ!」と胸を張って旅立てるように ラベリングされます。お嫁に行く前のお化粧といったところでしょうか。 大切な工程です。

 

img_3732

 

img_3734

 

img_3731

 

私も箱詰めをお手伝い。

 

img_3757


みかんがむかれてから箱に詰められるまでがとにかく早いのには驚きました。これは素材の良さをそのまま詰めるから早いんですね。そのときの「味」を瓶に詰めるから甘さや酸味のバランスはそのとき採れたもので味が決まります。これは当然です。でもここで「味が一定しないから買わない」でなく 「そのときの旬をジュースで味わいたい」と考えたら、この手むきみかんジュースは 自然の流れのひとつの選択になるのではないでしょうか。

 

フルーツバスケットが描く将来の構想


フルーツバスケットが設立されて最初に作られた製品はリンゴジャム。原料は山形の農家が直接運んできたが、「加工品だから~」と傷んだリンゴが積まれてきて、受けた女性スタッフがとても憤慨されたそうです。 「ゴミを持ってくるんじゃない!加工品でも素材が大切なんだ!」と。 加工品でも素材が悪ければおいしいものなんてできるはずがない。 その精神がいまでもフルーツバスケットさんに受け継がれているような気がします。


今ではフルーツバスケットさんはジャムやジュース、お菓子など各種農産物を使った受託加工(OEM製造) もされています。地元の農家さんが作った果物をジャムにしたり、ジュースにしたり。 地域の農産物販売所や土産物店で販売されます。


いままでは都心の消費者に向けた加工品だけだったものが こんどは地元で作られ地元で消費もされる。 農産物で収入と、さらに加工品でも収入を得られ その輪が広がれば地域が活性化もしていきます。いい循環ができあがります。


担っていることはとてつもなく大きい。 社長、これからやりたいことはなんですか?


img_3820     株式会社フルーツバスケット 代表取締役社長 戎谷徹也さん。



「TPPはどうなるかわかりませんが、グローバル化との影響だけでなく、国内の農家はますます厳しくなっていきます。 いい農地を作り、いい作物を作っている人々は守られるべきなんです。 農家は食べる人の健康だけでなく国土を守っているわけですから。だからパッケージに大きく“国産・有機”って書きたい」


我々消費者も選ぶ目をおおきく、やさしく、ときには鋭く鍛えておかねばなりません。 最後に社長と売店ジュースの前で記念写真パチリ。

 

img_3955

 

戎谷社長はいつもはスーツをあまりお召しにならないそうなのですが 私が見学に行くということでスーツでお出迎えしてくださいました。 社長、お気持ち本当に嬉しいです。


おまけ


ジャム・ジュース工房がある酪農王国オラッチェでは 施設内にケーキ工房、ビール工房、などもあり こちらもつまみ食い学びさせていただきました。 小さな動物園もあり、一日遊べます。 今度は家族で訪れたいです。


img_3775
お菓子工房(ムーランナヴァン)ではタルトの生地作りを体験しました。


img_3929
ビール作りが大好きと語り、ひたむきに作りに励む酪農王国 地ビール工房の工場長の木村さん。本場、ドイツでビール作りを5年間学ばれたプロフェッショナルです。

 

img_3937

 

木村工場長がつくるビール、泡がきめ細やかでおいしいです。

 


img_3906

自慢のアイスクリームはとってもクリーミー。思わずこの笑顔。


img_3860
羊やロバなどミニ動物園のようなお楽しみも。

 

フルーツバスケットのみかんジュースはの詳細はこちら 

 

つまみ食い学び Vol.1はこちら→「つまみ食い学び 」はじめます。

つまみ食い学び Vol.2はこちら→ぬかのまま食べられる、新感覚のぬか漬け

つまみ食い学び Vol.3はこちら→「おいしい牛乳」ってどんなの?

つまみ食い学び Vol.4はこちら→“うしろめたさを感じない”インスタントラーメンのつくりかた

つまみ食い学び Vol.5はこちら→有機パクチーを作る福山さんに学ぶ、生き方のヒント

 

香菜子さん

香菜子 プロフィール

クリエーター・モデル 
時にはモデル、時にはイラストレーターやデザイナー。
ときどき執筆、ディレクション。いいものができるなら手段はいろいろ。
LOTA PRODUCT www.lotaproduct.com

所属事務所 FRIDAY http://fridayfarm.net


近著 「ずっと好きなもの、これからのもの 心地いい暮らしのアイテム77」(KADOKAWA)

雑誌連載 
Plus 1 Living(主婦の友社) 「季節のクラフトレシピ」
リンネル(宝島社)「家事効率化計画」
Web連載
ELLE maman  「こどものからだにいいこと」
暮らしとおしゃれの編集室「日々にピタリなもの」

 

大地を守る会編集部

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。