【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!
【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!
「潮鰹」で交わした職人たちの“契り”
静かな港を背に、こんもりとした山の坂道を少し上がると現れる年季の入った建物。大きな鉄扉を開けたそこには、どこか凛とした空気が流れています。木造の壁には、紙垂(しで)やしめ縄があしらわれた魚が吊るされています。 「この地区は、かつて鰹がたくさん水揚げされ、鰹漁で栄えた漁師町です。航海安全・豊漁豊作・子孫繁栄を祈願し、鰹を丸ごと塩に漬け込んで乾燥させた『潮鰹(しおかつお)』にお飾りを付け、お正月に玄関先や神棚に飾っていました。三が日が過ぎると、潮鰹は縁起物として家族や地域の人たちに振る舞われました。その昔は、年の初めに船員たちが潮鰹を口に運ぶことで、雇用の契りも交わしていました」。そう話すのは、1882年の創業以来、静岡県西伊豆の田子地区で鰹節を作り続ける、カネサ鰹節商店5代目・芹沢安久さんです。 鰹節といえば、「薩摩節」「土佐節」「伊豆節」が有名ですが、これらが生まれたきっかけは約350年前のこと。和歌山県印南(いなみ)町で、鰹を煮て乾燥させることで保存性を上げた「煮堅魚(にかたうお)」に、「燻す」という工程が加わり、鰹節の原型ができたことからです。その後、津波により印南町から鰹節作りは消え、全国各地に鰹節作り名人が散らばって行きました。 中でも鰹の一大産地で、江戸に近かった田子地区では、鰹節屋1軒につき鰹漁船1隻が付くほど、鰹節作りが盛んでした。ある時、偶然にも船上で鰹にカビが付き、その鰹節が「芳醇な香りで甘くておいしい」と江戸で評判に。カビ付けした鰹節は「枯れ節」と呼ばれるようになり、その製法は約200年前に田子地区で確立されたのです。 「枯れ節を築き上げた田子地区ですが、2000年を最後に鰹漁船は1隻もなくなりました。40軒ほどひしめいていた鰹節屋も、今ではたったの3軒です」。その中でも、カネサ鰹節商店は創業時から変わらず、田子地区独自の伝統製法を継承しています。【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!
手で火を操る「火手山式」
「水揚げがあると、まず鰹を専用の包丁で節状に切ります。1回でさばく魚体数は1,000匹で、とれる節の数は4,000本。これを年に約10回行うので、年間4万本の鰹節が仕上がります」。芹沢さんが目を向ける先にあるのは、20年以上使い続ける愛用の包丁。作る職人がすでにいなくなり、芹沢さんたちが自ら手入れしています。 さばいた鰹の節は、ねじれや曲がりの出ないようかごに入れ、煮崩れに気を付けながら2時間煮たあと、燻しの工程に入ります。 現在では機械で燻して乾燥させることが多い中、カネサ鰹節商店では、全国に広まったものの今や4、5軒しか残っていないといわれる、田子地区独自の伝統製法「手火山(てびやま)式」で燻し乾かします。 鰹の節が並べられた木製せいろが炉の上に積まれ、煙が立ち上っています。「煙の上がり方で、どの場所の火が強いか弱いかが分かります。炉の空気口に置いてある木のふたの向きを変えることで、火加減を調整します」。 木のふたの向きを変えると、煙が逆方向に立ち上りました。太陽の光が差し込み、煙がゆらゆらと揺れる光景は神秘的で、まるで儀式のようです。 「鰹にあたる熱量が均等かどうかは、手でさわって確認します」と、鰹にそっと手をそえる芹沢さん。炉の中では、地元産の薪(まき)が赤く燃えています。植林と山の手入れを行って薪をいただくのが田子地区の伝統です。 太陽が雲に少し隠れる穏やかな空の下には、鰹節がずらりと並んでいます。 「燻しの後は、天日干しとカビ付けを繰り返します。3~4回行うと『本枯れ節』と呼ばれますが、うちでは6~8回行うので、完成まで半年かかるんですよ」とは安久さんの父親・芹沢里喜夫さん。鰹節の状態を見極めながら、カビ付けの木樽に詰めていきます。 室(むろ)で20~30日の眠りについた鰹節は、次の太陽の光をまた静かに待つのです。【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!
【送料無料】おいしい・便利・安心がかなう宅配!まずはお得に、お試しセット1,980円!