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この味噌は、昔からの営み

【NEWS大地を守る1月号】やさかの味噌は熟成する

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父・隆さん(右)の後を継いだ、息子で2 代目の佐藤大輔さん(左)。「親に唯一誇れることは寿命が長いこと」。

奥島根とも呼ばれる、島根県の山間にある弥栄(やさか)。ここには今も、日本伝統の発酵食品・味噌が息づいています。大豆を育て、味噌を作り続ける、やさか共同農場(島根県浜田市) を訪ねました。

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やさかを飛び出し再びやさかへ

中国地方の北部、日本海に面して東西にのびる島根県。漁港の町・浜田から中国山地の方角へ車を走らせて約30分。山の奥へ奥へと進んでいくと、静かな山間の集落が現れます。ここは島根県浜田市弥栄(やさか)町。信号機もコンビニエンスストアもなく、自然と田畑が広がる昔ながらの山村です。この弥栄で、大豆を育て、味噌を作るのは、やさか共同農場(島根県浜田市)を6年前に受け継いだ2代目・佐藤大輔さん、38歳です。

1972年、農薬・化学肥料に頼らない農産物の生産、それらの産直販売、過疎化した村の復活を目指し、父・隆さんを含めた4人が弥栄に入村しました。冬は雪に覆われ、夏は冷涼な弥栄では、田んぼのあぜに大豆を植え、冬の間に味噌を仕込んで長期熟成させるという風習がありました。それに習って1976年に始めて以来、弥栄に伝わる味噌をやさか共同農場は作り続けているのです。

やさか共同農場の近所では、棚田のあぜに植えた大豆を収穫後、はぜ干しで自然乾燥。弥栄の原風景が残っています。

「山を切り開き、住む場所も仕事場も作り、仲間で共同生活をしながら父たちは働いていました。僕は生まれた時から、常に誰かと一緒にいる環境にありました。ごはんは玄米、おやつは天然酵母のパンとはちみつ。若い頃はそんな生活が嫌で、大学進学を機に弥栄を出て行ったんです」。しかし、16年前、佐藤さんは弥栄に戻ってきました。やさか共同農場を受け継ぎ、味噌作りに励む佐藤さんの思いとは何でしょうか。

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「味噌は、生きているんです」

山の木々が黄色や橙色に色づく11月。佐藤さんたちにとっては、「黄金色の大豆畑を見るとぞっとする」ほど忙しい、大豆を収穫する季節です。国産大豆、中でも農薬・化学肥料に頼らない国産大豆の生産量は非常に少なく(※コラム参考)、佐藤さんたちはできる限り味噌の原料である大豆も育てています。

山間に点在する畑は、形がまちまちだったり石が多かったりと手入れが大変です。


「一般では収穫の1週間前にも除草剤をまき、雑草をなくしてから収穫します。うちは除草剤を使わないので雑草も生えていますね。たまに動物が巣を作ることもあり、その時はそこだけ避けて収穫を進めるんですわ」。そう話しながら笑う佐藤さんが信頼を寄せるのは、10代の頃にやさか共同農場の研修生として移住し、何をやるにも歳の近い佐藤さんと一緒だったという、大豆生産担当で取締役も務める山崎大輝さんです。

ともにやさか共同農場を引っ張る、やまちゃんこと山崎大輝さん。


「雑草や大豆の茎が多いところは速度を遅めたりと、環境を見ながら収穫機の高さや速度などを微調節します」と話す山崎さんが大豆を収穫する様子は、丁寧かつ動きに無駄がありません。たくさんのテントウムシやコオロギなども見守るこの畑は、まさに生態系の一部。それに農業が寄り添っていました。

低く刈る大豆の収穫は難しい。
茎は青いままで実は熟すというものが今年はちらほら。「肥料の量かなぁ」と常に変わる自然条件と向き合います。
自然の力が詰まった大豆は「甘みが強く、香りがいい」。


山の中の小さな工房は、大豆と米を蒸す湯気と香りであふれていました。蒸した大豆、蒸した米に麹菌をふりかけて作った麹、塩を混ぜ、大きな容器に詰めていく「大きな味噌作り」。それは家庭で味噌を作る時と同じ作り方です。

蒸した米の温度を手で調整します。
「大きな味噌作り」を担当するのは、佐藤さんが声をかけて集まってきた20代・30代メンバー。
「家で白味噌は余らない。カレーやシチューに入れてもこくがアップします」


「これを蔵に置いてじっくり熟成させます。味噌には麹菌、乳酸菌、酵母菌が生きています。冬に働く麹菌は、大豆のタンパク質を食べてうまみを、米のデンプンを食べて甘みを生み出すんです。夏に働く乳酸菌は、麹菌が食べて小さくしたものを食べてさらに小さくし、酸味と香りを生み出します。そして、秋に働く酵母菌は、乳酸菌が食べて小さくしたものをきれいに掃除するように食べ、香りを生み出し、ここで初めて味が整うんです。味噌は生きているものなので、毎年、香りが立つタイミングなども違うんですよ」。菌も仲間と言わんばかりに、佐藤さんはすらすらと話します。大手企業では早く大量に生産するため、2〜3か月加温して強制発酵させるそう。佐藤さんいわく〝味噌っぽいもの〞ができあがるのです。

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つながりのある本能的な営み

「母屋(おもや)」と呼ぶ事務室がある建物で、母・富子さんが味噌汁を作ってくれていました。「弥栄を出て行って東京に住んだ時、ジャンクフードまでいろいろと食べましたね。でも味噌だけは、どんな味噌を食べてもおいしくないと感じたんです。そしてやっぱり、人のつながりがあまり感じられなくてさみしかった。一方、弥栄で働いていた父は人生を楽しんでいました。なんだか悔しくもあり、弥栄に戻ってきたんです。百姓ともいえるこの仕事の魅力は、自然や人などそれぞれが欠けることなくつながる中で、種を守っていくことができること。だから人は食べて、生きていけるんです。当たり前に繰り返される本能的な営みということに、もっと多くの人たちに気づいてほしいです」。味噌汁を食べながら佐藤さんは笑顔で話します。

「味噌は合わせるとおいしい」と言う母・富子さんの今日の味噌汁は、中辛と白をブレンド。


お子さん2人と妻の4人暮らしをする佐藤さんは、今年もお子さんたちと一緒に家でも味噌を手作りします。「楽しいし、幸せです。生活と仕事、今なら一緒でもいいかも」と佐藤さんはまた笑いました。

日本で古くから受け継がれる発酵食品「味噌」。次の世代の人々とともに、熟成し続けています。


<コラム>日本伝統の食品に使う大豆の自給率
2016年の国産大豆の自給率はわずか7%(※1)。有機JASとして認定された国産有機大豆の自給率は、さらに少ない0.4%です(※2)。味噌をはじめ醤油や豆腐など、日本伝統の食品に使う作物であるにもかかわらず、大豆はほとんど輸入に頼っているというのが現状です。やさか共同農場ではできる限り自社で大豆を育てており、足りない分は国産有機大豆、または国産大豆を仕入れています。「国産大豆はすべて島根県産のもの、国産有機大豆は6割が島根県産のものになっています。これらを集めるのも大変なんですよ」。佐藤さんたちは大豆を探して集めるのにも大忙しなのです。

※1 農林水産省「大豆をめぐる事情(令和元年10月版)」大豆のホームページ
※2 農林水産省「平成28年度有機農産物等の格付実績」有機食品の検査認証制度


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