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先人をないがしろにしない

【NEWS大地を守る12月号】醤油からブイヨンへ続く道

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右から浜田工場開発担当の椋木弘さん、日本食品工業常務の坂上武さん、責任者の濱崎修司さん、工場長の山村浩司さん。社長の中西和夫さんは電話で取材に応じてくれました。

日本海に面した島根県浜田市。この地で彼らが守り続けてきた天然醸造の醤油がブイヨンに命を吹き込んだ。うまみがぎゅっと詰まったあの液体の秘密を探ります。

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ブイヨンが生まれた背景に

日本の食卓に密着してきた調味料、醤油。お刺身などでストレートに味わうこともありますが、めんつゆやポン酢、ドレッシングなど様々な調味料のベースとしての働きも忘れてはなりません。
表には出ず存在感を消しているようだけれども、実は味の決め手になっている。縁の下の力持ち的なキャラクターもまた、醤油の魅力の一つです。
今回のストーリーは、そんなアシスト役の大先輩と、先輩に支えられて活躍中の中堅選手「洋風ブイヨン」のお話。
「大地を守る会の洋風ブイヨン」は、スープやカレーのベースにしたり、お米と炊いてピラフにしたり、これ一つで料理のレパートリーを増やしてくれる万能な調味料です。一方、当会でおなじみの醤油といえば「みのり醤油」。34年前から継続して取り扱いのある定番品で、長年愛用するファンも多い商品です。

醤油を貯蔵する桶。ここで2回の夏を越えて発酵、熟成を繰り返したのが「みのり醤油」です。

実は洋風ブイヨンの原料にみのり醤油が使われていること、ご存じでしたか?
後輩ブイヨンと醤油先輩の切っても切れない関係を探るため、訪ねたのは島根県浜田市。特産品の石州瓦を使った赤い瓦屋根の町並みが、どこか懐かしさを感じさせる、日本海に面した石見地方の中心地です。ここに日本食品工業浜田工場があります。

浜田市を流れる周布川。醤油の原料にはミネラル豊富なこの伏流水を使用する。山陰の美しい風景と豊かな自然も先人からの贈り物です。

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「丸大豆で作っても売れない」

鳥取県境港市に本社を置く日本食品工業は1969年に、故・中西秀夫さんが創業した会社です。秀夫さんは鳥取県農事試験場に勤務後、農産加工所長などを務め、長年に渡り農産加工技術の研究に携わってきました。退職後、家業であった天然醸造醤油の製造販売を受け継ぎました。食品や農業の、当時の先端技術に身を置いてきた秀夫さん。
一方で家業の醸造は自然現象の力を借りる世界。秀夫さんが目指したのは「自然と科学の接点に立って、人と自然が共存できる食品づくり」でした。孫である中西和夫さんが社長を務める現在に至るまで、一貫してテーマとして掲げられています。
醸造のプロフェッショナルとして県内各地で講師をしてきた秀夫さんの元には、醤油作り、味噌作りに携わる多くの教え子たちがいたといいます。そのお弟子さんの一人が、現在浜田工場の責任者を務める濱崎修司さんの父光男さんでした。

醤油の丸大豆は、契約栽培のフクユタカ(佐賀県産)を使います。

当時、自然食品を志した秀夫さんの思いとは反対に、安く大量生産することを良しとする方向に時代が向かっていました。醤油作りに関しても同様です。丸大豆ではなく、安価で短時間に作れる搾油後の脱脂加工大豆を使うメーカーが圧倒的でした。「丸大豆で醤油を作っても高くて売れない」という周囲の声に反して、一人だけ賛同してくれたのが濱崎さんだったそうです。

ブイヨンの製造過程。原料一つひとつを1滴も無駄にしないように大事に扱っている様子が印象的。

自然食品の醤油を作っている人がいるという噂を聞いて、当時大地を守る会の代表(現オイシックス・ラ・大地会長)藤田和芳が中西久夫(秀夫さんの息子)さんのもとを訪ねたのが、1984年のこと。そこから、当会の生産者が作る大豆を使っての醤油作りが始まりました。「みのり醤油」誕生のきっかけです。現在使っている大豆の産地は佐賀県江北町。1980年代から有機農法を始め「スローフードの町」として知られる同町の江北町有機研究会と、日本食品工業は「顔の見える関係」を長年築いてきました。

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食卓の変化に合わせた食品を

時は流れ、中西家では秀夫さんから2代目久夫さん(故人)へ、そして3代目の和夫さんへ。濱崎家では、父から息子の修司さんへ。それぞれ役割を引き継ぎました。
時代の移り変わりの中で、消費者の嗜好や食卓の風景も変化します。醤油に関していえば、その市場の変化は厳しいものでした。核家族化が進み、外食やテイクアウト惣菜の利用が増え、家庭料理も洋食化していきました。そうした複数の要因から、家庭での醤油消費量は減少傾向に。しょうゆ情報センターの調べによれば1986年の醤油の出荷量は119万キロリットルを超えていますが、2018年には75万キロリットルまで減っています。
「みのり醤油は、まろやかでバランスが取れたいい醤油。醤油は日本の文化ですから、需要がある限り作り続けたい」という濱崎さん。
醤油という伝統を守り続けるだけでなく、食卓の変化に応じて新たな形に生かしていきたい。そんな想いから生まれたのが洋風ブイヨンです。チキンエキスとポークエキス、みのり醤油など厳選した素材を調合し液体で素材そのままの味を生かしました。

ブイヨンの原料。右上からオリーブオイル、みのり醤油、スパイスミックス、ポークエキス、チキンエキス、洗双糖、塩。
原料の一つ、オリーブオイルが金色に輝いていました。

先人の功績を守り続けながら、新たなチャレンジを成功させる。言葉にすれば簡単なようですが、言うは易し、行うは難し。それでも二人は決して偉ぶりません。
「かっこいいことはよう言わん」と濱崎さんがいえば、「夢とか推測じゃなく、事実を大切にしている。目の前にある仕事をコツコツとやっていくだけ」と和夫さん。地に足がついているとはまさにこのこと。

真剣な眼差しで成分濃度をチェックしています。

「最近は昭和のことを否定するような雰囲気もあるけど、先人をないがしろにしてはいけないと思うんです。線路や道路、病院など作ってくれて、便利で快適に過ごせるのは先人のおかげ」(濱崎さん)

検品を終えると、お客様の元へと発送されていきます。

親から子へ、という縦の糸。原料を作る人、製造する人、買っていただくお客様、という横の糸。それぞれの糸が大事に紡ぎ続けられてきたからこそ、醤油にもブイヨンにも支えられ、私たちの食卓は豊かになってきたのでしょう。
翻って私たちは、食卓の文化をしっかり次世代に伝えられているか。醤油の1滴が投げかける波紋は決して小さなものではないのかもしれません。

「特級みのり醤油」はこちら
「大地を守る会の洋風ブイヨン」はこちら
※該当商品の取り扱いがない場合があります。

大地を守る会編集部

大地宅配編集部は、“顔の見える関係”を基本とし、産地と消費地をつなぐストーリーをお届けします。